【2023秋号九月分】環状赴くまま #023 目黒ー五反田【キ刊TechnoBreakマガジン】

不快な蒸し暑さから解放されつつある九月下旬の土曜。

18:30、前回解散した目黒駅前から出発。

我々の背面には、客入りが悪そうでありながら地の利を活かしてしぶとく存続しそうなパチ屋があるのは前回の通り。

駅に向かって右手のビル。

ここの右に路地あり。

今回進んで行く道はそちら。

どうだろうか。

出発して秒で、もうすでに駅前感が失われてしまったのに気付いただろうか?

衝撃である、ここが目黒だと答えられる者もそうあるまい。

路地這入ってすぐに洒落たバー、こういうのがあると目黒にいるんだと安心する。

洒落たバーなぞ何処ででも営業しているだろうが、目黒に在って欲しい一軒。

右上に十字架が見えるが、カトリックの施設が複数寄り合っているようだ。

いつもの線路沿いは渋谷区からあまり変化が無いように見える。

陽が出ていれば印象は異なるのだろうが。

季節感の無い私はハロウィンイベントかとトチ狂ったことを思ったが。

何らかのパーティ会場のようだ。

出入りする男女が散見された。

この日は9/30だった。

Shoに覗いてみるかと言ってはみたが、我々はすでにエビスの缶を飲み歩いていることだし、わざわざ割高なクラフトビールを、カップルたちに混じってまで飲むことは無いと結論した。

大通り、都道418号に出た。

左手は山手線の高架下。

頭上には首都高速2号目黒線。

目黒ー五反田間の境界と言えるか。

横断歩道渡って、さらに進む。

路地の寂しさは変わらない。

が、すぐに雰囲気は様変わりして駅前が現出。

ホテルが軒を連ねている、これが五反田だ。

五反田に対する先入観のほとんど全部がこの景色に詰まっている。

西五反田だからNISHIGO。

カジュアルスナックとあるが、比較的廉価なキャバクラの類と言えよう。

この界隈は高くつくのだろうね。

こういう所の「大衆」にはつい良心を期待してしまう。

餃子と唐揚げ、贅沢を言わない労働者には十分すぎる優しさだ。

路地から再度、大通りに出た。

今調べて驚いたが、これは国道1号なんだそうな。

国道1号はこの向こうずっと行って日本橋から始まり、大阪府大阪市梅田で終わるのだという。

ちょっと吃驚、五反田が国道1号の経絡となっているというのはヒストリックで感慨深い。

裏通りの印象を全く感じさせない味気ない駅ファサード、恵比寿も目黒も、何なら大塚駅前もこんな感じにJRナイズされていると言える。

秋田料理わったりぼうずさんにお邪魔した。

どこも値が張りそうな中、こちらにお邪魔してもそう損な感じはさせなかったためだ。

豚肉と玉ねぎをジンギスカン鍋ですき焼き風にする「十和田バラ焼き」をメインに。

一人前丁度千円、これなら悪く無いだろう。

かさごの唐揚げ、これなんか雰囲気を食う料理な感じがするが。

気軽に注文する物では無いが、まあ美味いは美味い。

それと刺身盛り合わせ。

まぁこういうのもどこでも食べられそうな気はするが、鮮度は良く感じた。

他にお客も少ない中で、よくもてなしてくれたように思う。

次回は大崎。

行ったことの無い土地が続くが、地図を見るとすごく短距離である。