【十二月号】酒客笑売 #008【キ刊TechnoBreakマガジン】

会社主催の打ち上げで~、酔った勢いで社長に絡んだ♪ 笑えへん、笑えへん、笑えへんへんへへんへん♪ 会社主催の打ち上げで~、酔っ払い過ぎて救急車騒ぎ♪ 笑えへん、笑えへん、笑えへんへんへへんへん♪ ・・・忘年会シーズンである。 くれぐれも飲み

【十二月号】もう付属の餃子のタレをつかわない(かもしれない) #008 浦安 秦興【キ刊TechnoBreakマガジン】

自分が死んだ感覚を鮮明に覚えている。 僕は、酔っていた訳ではないから。 殴られるのには仕事柄慣れていたが、不意の衝撃だった。 胸元を、どんと殴られた感覚。 深海に、どぼんと突き落とされた感覚。 気が動転して視点も定まらず、見慣れない天井をそ

【十二月号】巻頭言 おじさん、許さん、BLACK SUN【キ刊TechnoBreakマガジン】

「仮面ライダー生誕50周年記念企画作品」 重々しくもその作品は、各回冒頭にこの言葉が掲げられる。 まず、残虐なシーンが多発するのはやむを得ない。 この物語は、人間と怪人、二つの種族が対立する現代の日本が舞台だから。 怪人たちには彼らの徒手空

【十一月号】環状赴くまま #013 大塚ー池袋 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

夕方になるともうすっかり暗くなる、この季節は少し苦手だ。 三時ごろに感じる斜陽は物悲しくて、やり切れなくなる。 日暮里ー西日暮里間の頃に声をかけていたが実現しなかった職場の後輩Cを誘って、彼の大好きそうな街、池袋へ向けて出発する。 幸いにも

【十一月号】棒切れ #007 いい詩が書きたい【キ刊TechnoBreakマガジン】

誰かに言葉を届けたい 僕は、いい詩が書きたくて 死なずにうかうか暮してる 誰かの視線が気になるならば 言葉の世界に逃げればいい 僕らの世界にあふれ出す 言葉はなみだと同義語です かっこつけてる心情は 誰かの心に届かない 詩人気取りはこれが辛

【十一月号】酒客笑売 #007【キ刊TechnoBreakマガジン】

その日の夜は、誰もが良い夜だと感じるような夜でした。 一人なら誰かと一緒に居たい、二人なら皆と一緒に居たい、皆が居れば酒を酌み交わし歌でも歌いたいと感じる、そんな夜でした。 でも、そんな感じは、あくまでも感じでしかなく、誰もがそんな事を気に

【十一月号】総力特集 ギャラクシーエンジェルX【キ刊TechnoBreakマガジン】

決定的にしたのは彼女たちだった。 その仕事は、ロストテクノロジーの回収と言われているが、判然としない。 物語が進行するにつれて、混沌としていくためだ。 ロストテクノロジーという存在が混沌だからだと言えなくもないが、それ以上に脚本家たちがそう

【十一月号】ヨモツヘグリ #009 人形町 ラ・ブーシュリー・グートン【キ刊TechnoBreakマガジン】

約束の地、シド。 そんな場所なんてどうでも良い。 彷徨っているうちに、見失ってしまう。 なんにために其処へ向かっていたのか。 其処にはいったい誰がいるんだろう。 月末に区切りとなる仕事をやっと終え、僕は少しホッとすると同時に、未だに抜け切ら

【十一月号】もう付属の餃子のタレをつかわない(かもしれない) #007 飯田橋 揚州商人【キ刊TechnoBreakマガジン】

眩暈も頭痛もしばらく無いのではあるが、多忙を極めていた。 どれくらいか例えるならば、チャーハン屋でラーメンを注文するかしないか、パッと決められなくなる程の忙しさである、喩えが悪いか。 しかしながら、やっと月末を迎える明日で、職業柄に見合わな

【十一月号】巻頭言 究極と至高と非凡【キ刊TechnoBreakマガジン】

究極と至高の対決、いや対立のようにも見えるが、それらは全国選りすぐりの食材たちの饗宴であり、料理人の粋を結晶化したものだ。 私の様な食い道楽の一般人にはなかなか手の出せない領域である。 高くて美味いは当たり前であり、そのような世界であっても

【十月号】環状赴くまま #012 巣鴨—大塚 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

だいぶ涼しくなり、ジャケットを羽織だしたのが丁度、薪能を観に行った日だ。 来月はビールの飲み歩きは厳しいかと思いつつ、先日木曜に環状赴くまま歩いた。 この日のゲストは職場の後輩A。 ニューデイズの冷やし具合がちょうど良く、ジョッキ生の泡立ち

【十月号】総力特集 スタバと二郎と能【キ刊TechnoBreakマガジン】

土曜の午後、睡魔と闘いながらこれを書いている。 人生で五回だけ観た能舞台でも睡魔に襲われた。 能楽祭を、五日通しで観に行った時のことだ。 三日目か四日目の鑑賞で、『今日の大皮はイマイチだな』と思った。 案の定と言うか、打ち手にテーピングがさ

【十月号】ヨモツヘグリ #008 月島 岸田屋【キ刊TechnoBreakマガジン】

いつになく忙しい日々が続いていた。 僕のような仕事をしている人間が、時間に追われながら人を追いかけているというのは可笑しな話なのだが。 ともかく、気が休まらず曜日の感覚も無くなったある日の、その日は土曜だった。 定例の連絡会が延期になり、急

【十月号】棒切れ #006 无己【キ刊TechnoBreak】

頷いてるんじゃない 首を振ってるわけでもない ただ口を閉ざして そこにあるだけ 絶望に流されていても 行き着く所はみな同じ 道はここにもあるよ ほら俺の胸の中を見せられたなら 見たくないなら目を閉じれば 頭の中にありありと浮かぶよ 眼で観る

【十月号】酒客笑売 #006【キ刊TechnoBreakマガジン】

気心の知れた友人にこの話をすると受けがいいのでここでもする。 私の祖父は、満州でスナイパーをしていた。 というのも、祖父は床屋を営むくらいに手先が器用だったからなのだが。 父が修学旅行でマッチ箱に入れてきた京都の苔を庭一面に殖やしたり、父が

【十月号】もう付属の餃子のタレをつかわない(かもしれない) #006 吉祥寺 一圓【キ刊TechnoBreakマガジン】

習志野に団地と呼ばれる学校があるように、中野には学校の中の学校がある。 先日、其処出身のh教官と久しぶりに飲んだ。 歳が十も離れているのだが、団地から離れる前は、互いに一人者同士毎晩のように酒保で飲んでいたものだ。 そんな彼には、謎の美女の

【文学作品前編】Strange Jesters【二週連続公開】

前書きに代えて  Shunメンバーが不在となるため、Shoが気を利かせて、Junに声をかけた。 「何か二人で記事でも書こうか」  急遽、土曜の昼に上野で落ち合い、飲みながら話した。 ① 互いに文章を書いて、リレー形式で執筆。 ② 制限字数は

【十月号】巻頭言 完全保存版「無常という事」を歩く【キ刊TechnoBreakマガジン】

九年越しの東海道五十三次を二川から再開し、無事終える事が出来た。 終点は京三条大橋である。 一泊した翌日の昼に、小林秀雄の「無常という事」で話題となった山王権現へ行った。 一旦京都駅へ行き、湖西線で四駅、十七分で比叡山坂本駅に着く。 比叡山