俺は今、任天堂から発売された最新のメトロイドシリーズである、メトロイド ドレッドの三週目をプレイしている。
メトロイド ドレッドを詳しくご存知ない諸氏に説明しておくと、1986年にファミコンディスクシステムとして発売された初代メトロイドシリーズを皮切りに、メトロイドII、スーパーメトロイド、メトロイドフュージョン、メトロイドプライム…と連綿と受け継がれてきた、任天堂が誇るハードボイルドSFアクション探索ゲームである。
ファミコンディスクシステムで同年に発売された、同じく探索アクションゲームのゼルダの伝説と双璧をなす、任天堂の代表的な探索ゲーだ。
また、メトロイドシリーズは大きく2Dバージョンと3Dバージョン(メトロイドプライムシリーズ)があり、今作は2010年のメトロイド アザーエム以来11年ぶりの2Dバージョンの新作である。
今作では、かつて全宇宙を恐怖に陥れたDNA擬態生物「X」を絶滅させた主人公サムス・アランが、新たに「X」の情報を入手したことを発端とし、情報の発信元となる惑星「ZDR」に赴き探索をするというストーリーとなっている。
オッサンとアクションゲームの関係性
一般にアクションゲームというものは、集中力と反射神経が必要とされる。が、当然この能力は鍛えなければ徐々に下がっていく。
齢35のオッサンともなれば反射神経を必要とするような刺激の強い生活などしておらず、人によっては仕事に子育てと忙しい日常を送るのみだ。
妙齢のアンドロイドレディを従え、宇宙を股にかける34歳のピチピチのスペースパイレーツともなれば別だが、我々は一介の地球人である。
そんな我々オッサンは当然心でサイコガンを打つこともできず、打てるのは毎晩無駄打ちする自分のムスコのみである。
アクションゲームなぞというものは、オッサンにとってただの苦行でしかない……そう思っていた時期が私にもがありました。
そもそもアクションゲームの楽しさとは何か?
このブログを読んでいる諸氏が最初にプレイしたアクションゲームは何だろうか?
俺はスーパーマリオブラザーズ2である。
スーパーマリオブラザーズ2は、ファミコンディスクシステムで発売された言わずと知れたスーパーマリオブラザーズシリーズの二作目である。
スーパーマリオブラザーズ2(以下長いのでスーマリ2)は、初代のスーパーマリオブラザーズの難易度を爆上げし、ファミコンディスクシステムで売り出した知る人ぞ知る名作である。
俺が物心ついたときには実家にすでにツインファミコンとこのスーマリ2があり、親が出かけている日を狙っては一日中プレイしていたのだ。
(当時ゲームは30分までという鉄の掟が実家にあり、それ以上プレイしようとすると叱られるシステムが存在した。今の俺は自由である。大人っていいね。)
当時の俺はなぜそこまでスーマリ2をプレイしていたのか?それは以下の点である。
- Bダッシュで大穴を飛び越える爽快感
- 超高難易度の空中ステージをテンポよく進むことによる達成感
- ステージのレベルの高まりと同時に、己のプレイレベルも高まる相乗効果
当時の俺はスーマリ2プレイしながらこれらの点を常に感じており、脳汁を出しながらプレイをしていたのだ。
メトロイド ドレッドはオッサンでもプレイできるアクションゲームだ
話をメトロイド ドレッドに戻そう。
本作をプレイするには様々なアクションを必要とする。
メトロイドシリーズではお馴染みの、Bでジャンプ、Yでビーム、↓でモーフボールのみならず、今作ではLのフリーエイム、Xでカウンター、ZLのスライディング、Aで繰り出す瞬間移動(フラッシュシフト)と、様々なアクションが必要とされる。
は?こちとらそんな一度にたくさんのボタンを覚えられるわけないんだが???
残りの人生をルーチンワークだけで過ごしていくだけのオッサンやぞ??????
せいぜいできるのは十六連射程度やぞ?????????
あれから歳も取ってるから今は八連射ぐらいやぞ????????????
安心してほしい。
まず、メトロイド ドレッドには、丁寧なチュートリアルがついている。
任天堂お得意のチュートリアルだ。
このブログを読める諸氏であれば、チュートリアルを理解して実行するのは容易いだろう。
このチュートリアルが、新しいアイテムが手に入るたびに常に表示されるのだ。
そして徐々に増えていく操作方法
今作はただのアクションゲームにあらず、「探索」アクションゲームである。
最初にできる操作方法は、ビーム、ジャンプ、スライディング程度だが、序盤で取得するミサイルを皮切りに、壁つかみ、2段ジャンプ、瞬間移動などは、アイテムを手に入れることでようやく使えるようになる。
これらの新しい操作方法が増えるたびに、それに対応したステージに行くことができ、それに対応したアクションで応戦する必要がある敵が出てくる。
そのため、新しいエリアに向かうたびに新しいアクションを使う必要に迫られて、気づくと自分の手になじんでいるのである。
これらを繰り返したプレイヤーはどうなるか?
そうだ。気づかないうちにあらゆるアクションを使いこなせるようになり、己のプレイレベルが上がっていることに気づくだろう。
メトロイド ドレッドにはキャラクターのレベルアップという概念は存在しない。プレイがスムーズに進むということは、すなわち己がレベルアップしたということのみである。
具体例を挙げよう。まずは以下が私が最初にプレイした時の動きだ。
そしてこれがすでに2周クリアした後のプレイだ。
後者は動きに無駄がないことがわかるだろう。
メトロイド ドレッドは、プレイすることで自然とこの動きをマスターできるアクションゲームなのだ。
そう。かつて私がプレイしていたスーマリ2のように、己のプレイレベルが上がることが実感できるゲームである。
メトロイド ドレッドのプレイ時間は
忙しい社会人の諸氏は、やはりプレイ時間というのが気になるところだろう。
あまりにもゲームクリアにかかる時間が長いと、どうしても人はモチベーションを保てなくなってしまうものだ。
しかし安心してほしい。
メトロイド ドレッドは通常10~20時間程度で全クリできるといわれている。
また、通常ルートで探索をしなければ、およそ3時間~3時間半でクリアできるといわれる。
さらに、現在世界のRTA勢によるバグなしプレイ(No Major Glitches)は1時間半程度らしい。
そうなのだ。バグを使わなくてもそれぐらいでクリアしようと思えばできてしまうゲームなのだ。
もちろん RTA 勢は世界のトッププレイヤーが集まっているので、誰しもそこまで短時間でクリアできるわけではない。
ただ、ゲームのシステムとして、1時間半でクリアできてしまうほどシンプルに作られているゲームなのである。
例えば、自分の場合は初回は12時間、2週目は4時間11分でクリアしている。
1週目はじっくり探索し、2週目はそれなりにサクサク進めてみたらそれぐらいになったわけだ。
では次の3週目を本気でやってみたら、どれぐらい時間を短縮させることができるのだろうか?
そう思わせる魅力がこのゲームには詰まっている。
そして俺は今日もメトロイド ドレッドをプレイする
わかるだろうか?子供のころに感じたゲームの面白さ、爽快感、プレイする喜びを大人になっても体験できているのだ。
メトロイド ドレッドは、オッサンが久しぶりにゲームの面白さを追体験できる数少ないアクションゲームである。
あのころスーマリ2をクリアできなかった俺にとっては、己をレベルアップさせて乗り越えられた喜びに満ち溢れた郷愁と夢と達成感に満ち溢れたゲームなのである。
おまけ:メトロイド ドレッドのプレイに詰まったあなたにアドバイス(ネタバレなし)
メトロイド ドレッドは探索ゲームのため、一度探索に詰まってしまうと延々と時間が過ぎてしまうことがある。
ずっと同じところをぐるぐるして時間を浪費し、心も体も疲れてメトロイド ドレッドのプレイを諦めてしまうことは、私としては非常に忍びない。
ただ、一方で探索ゲームの醍醐味は、自分でアイテムを探し当て、道を切り開いていくことでもあると思っている。
そのため探索ルートを他人に聞くことは非常に憚られるものだ。
そこで、ここではネタバレをしない範囲で、どういう探索をすればうまくいくかを書き記しておこうと思う。
- 新しく行けた場所が行き止まりの場合、必ず何かがある。ミサイルを周りに打ちまくって壊せるブロックがないか確認をしろ。
- 新しいアイテムを手に入れたら、手に入れた場所の近くに必ずそのアイテムを使用できるギミックが存在する。それを辿れ。
- どんなに強い敵の攻撃も必ず避ける方法が存在する。諦めずに探せ。
- 最後に、一番大事なことは、探索をとにかく楽しめ。このゲームは短時間クリアするゲームではない。探索に時間がかかっていることをストレスに感じる必要はないのだ。なぜならそもそもそういうゲームなのだから。
以上だ。
上記がメトロイド ドレッドをプレイする諸氏の指針となれば幸いである。