【七月号】環状赴くまま #011 駒込ー巣鴨 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

駒込は、山手線で我々の拠点に最も近い駅である。 職場がここから二十分程度の所なので、私自身乗り換えによく使う。 今回は、ここからほとんど初上陸の巣鴨へ行く。 18時52分、黄桜の黒ビールで乾杯してスタート。 午前中の雨は午後には止んだが、こ

【七月号】棒切れ #004 世界からケツ毛が消えたなら【キ刊TechnoBreakマガジン】

世界からケツ毛が消えたなら すかしっ屁は音を立てるだろう すかしっ屁が音を立てたなら それの臭いはやわらぐだろう 世界からケツ毛が消えたなら 僕たちは余程のケツ断をする 左右の尻肉が手を繋いだら 掻痒症が気になるんじゃないか 世界からケツ毛

【七月号】酒客笑売 #004【キ刊TechnoBreakマガジン】

根が真面目なので二十歳を過ぎるまで習慣的に飲酒したことはなかった。 二十歳を過ぎてから友人と集まっての酒盛りの楽しいことに気づいた。 今では、一人ででもいいから毎晩飲んでいなければやっていられぬ。 楽しくはなくとも、そこに何かがあるのではな

【七月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #004 麻布十番 登龍【キ刊TechnoBreakマガジン】

うれしはずかし、給料日。 昔好きだったアニメで、こんな言葉から始まる回があった。 五人少女の戦隊モノみたいなギャグ、再放送をよく観ていた。 給料日にお鮨屋へ繰り出し、ヘンテコな蛸の板前から酷い仕打ちを受ける回。 あがりというのは最後の番茶を

【七月号】ヨモツヘグリ #006 日本橋 鶴田【キ刊TechnoBreakマガジン】

地下鉄からしばらく通路を歩き、最果ての出口から地上へ。 重厚な石造りの要塞染みた街並みに、眩暈がしそうだった。 橋の向こう側のここは、まさに彼岸と言っていい。 三越前は権謀術数の拠点さながらである。 楽天家の僕も、流石に首をすくめて俯き加減

【七月号】総力特集 トリアーデ【キ刊TechnoBreakマガジン】

ヨスガ一、一つの中に対立する矛盾を内包するものを特定する。 (松岡正剛は、これを「コクがあるのにキレがある」というビールで暗示した。) ヨスガニ、対立を行き来すること。 (それにより期待される何かがあるとでも言うのだろうか。) ヨスガ三、数

【七月号】巻頭言 セイ、ショウ、キ【キ刊TechnoBreakマガジン】

谷川俊太郎さんの詩、「生きる」を聴いた。 朗読しているのは佐藤浩市さん、私の好きな俳優さんである。 私は、谷川さんのこの詩は好きではない。 当たり前の事を書き連ねているだけという印象がするからだ。 泣、笑、怒、自由 時間をかければ、誰の頭の

【六月号】環状赴くまま#010 田端—駒込 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

前回の目的地だった田端駅に訪れるのは、人生で三度目となる。 駒込で南北線から山手線に乗り換えて一駅。 これから歩いて駒込駅まで戻るというのだから、少し可笑しい。 そしてその駒込にはバンドの拠点があるから、勝手をよく知っている。 印象に反して

【六月号】棒きれ #003 おかねください【キ刊TechnoBreakマガジン】

十万円の寄付をしたけれど 欲を言うなら返して欲しい これっぱかりのはした金で あなたの人生かえやしない 最初の四万ぽんと渡した 次の六万無心した まだ五千円しか返ってこない 連絡だって寄越さない 月五千円くれればいいのに 返す気ないなら言え

【六月号】酒客笑売 #003【キ刊TechnoBreakマガジン】

高校進学後から制度化された門限が、次第々々に延びて行き、いよいよ撤廃されたのが二十五の頃だったろうか。 文句があるなら家を出れば良いわけだが、生来の無計画が動脈瘤のように人生の行き先に詰まっており、おかげで私は成人を過ぎた子供のままでいる。

【六月号】ヨモツヘグリ #005 門前仲町の名店【キ刊TechnoBreakマガジン】

店舗は、忽然と姿を消したわけではなかった。 だが、下されたシャッターの外側で、僕たちは呆然と立ち尽くしていた。 中には確かに人の気配がする、酔客らの談笑が聞こえて来る。 僕たち二人のためにあるかのような張り紙。 いついつから閉店時間が繰り上

【六月号】総力特集 劇場版少女歌劇レヴュー・スタァライト【キ刊TechnoBreakマガジン】

「貫いてみせなさいよ、アンタの煌めきで」 幾千万のポジションゼロが、煌めきの奔流となって嵐の滝の如く吹き荒れる。 東京タワーという舞台を無用のものとした彼女らの、一体どちらにアタシ再生産が起きたというのか。 トマトは潰れたが、失墜のままでい

【六月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #003 餃子の王将【キ刊TechnoBreakマガジン】

十個上に星の先輩というのがいる。 星野先輩ではなく、星の先輩だ。 最近はめっきり頻度が落ちたが、以前はほとんど毎晩飲み歩いていた。 一食一飯の頃より、もうだいぶ前のことになる。 軍閥の食堂で昼を食い、夜は船橋で飲み歩き、これで朝食まで一緒に

【六月号】巻頭言 神話と新説と真言【キ刊TechnoBreakマガジン】

呉越同舟、私も好きな言葉である。 芸術派の小林秀雄と川端康成、プロレタリア作家の武田麟太郎と林房雄が結成した同人誌「文学界」も当時は呉越同舟と評されたものだ(昨年一月に創刊一千号を記念した)。 啀み合う二人は、さいわいである、和解は彼らのた

【五月号】環状赴くまま#009 西日暮里-田端 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

まだ陽が出ていることを懸念しながら、西日暮里にたどり着いた。 しばらくこの嫌な感じが続く事になる。 18時半、帰宅者たちの波が途切れることのない駅前である。 シャッターを切るのに難儀し、不審な目で見られたかもしれない。 少し歩いた所にセブン

【五月号】棒きれ #002 すべての小さな星たちへ【キ刊TechnoBreakマガジン】

すべての小さな星たちへ、今夜は月も見られない たまにはこんな夜もいい、月に一度か二度くらい 近視眼の僕の目に、あの月は少し明るすぎる 近視眼の僕の目は、小さな星こそ見つめたい 優しい光を浴びている 夜闇が心を落ち着かす 足元は暗く染まってる

【五月号】酒客笑売 #002【キ刊TechnoBreakマガジン】

「酒の席での迷惑は掛けたもの勝ち」 小林秀雄にお酒の飲み方を教わって以来、私の意匠は変わっていないらしい。 経験主義者の我々としては、迷惑の掛らない飲み方は無作法であるとすら感じられる。 すると、私の方はお酒が好きだが、お酒の方から嫌われて

【五月号】ヨモツへグリ #004 森下 山利喜【キ刊TechnoBreakマガジン】

約束の地、シド。 約束という言葉は、優しさだ。 絶対や永遠などと言う、神との有耶無耶な契約とは違う。 人を信じる、人を信じている自分を信じる。 そこにしか約束はない。 約束の地、シド。 絶対は無い、だから面白い、それが楽しい。 大江戸線とい

【五月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない)#002 日暮里 馬賊と京の華【キ刊TechnoBreakマガジン】

巷の連休というものは、僕みたいな血で血を洗う洗濯屋稼業とは無縁だ。 裏街の清掃員に休みなし、などというと気取り過ぎだと笑われるだろうか。 といったって、軍隊所属のエージェントみたいなものなぞ開店休業だし、デスクに座って読書でもしているのがせ

【五月号】総力特集 今夜、すべてのババァで【キ刊TechnoBreakマガジン】

「好きな映画は何か」と聞かれたら、俺は相手を選んでこう返事する。 「『許されざる者』だ」と。 「あれは大人になった、男から漢になった、女からをんなになった、俺たちのためのアンパンマンだ!」と声を大にして言うだろう だが、本当に気心の知れた、