【2024冬号】糞Jun 今月のHustleデッキ #006【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 堕落した言語術師(ロゴスマンサー)の俺としては、ゴルガリ(黒緑)カラーのデッキを作らない訳にはいかなかった。だが、考えられるアイデアは《ファイレクシアの抹消者》を格闘させてリソースを削ぐくらい、そういうファンデッキ的な物を構築しては敗北を喫し続けている俺としては、これ以上の堕落に甘んじる訳にはいかなかった。そんなわけで、自分なりに赤単とか白単の構築を進めていたのだが、赤単では爆発力と安定性の両立が難しく、白単は今からでは値が張りすぎるので、結局ゴルガリカラーを再検討せざるを得なかった。

 でも、全然開封してなかったエルドレインの森から、ワイルドカードを消費してまで交換していた《苔森の戦慄騎士》だけは四枚揃ってたんだよな!このカード、二マナ3/2トランプルって、四枚持ってる《しつこい負け犬》の上位互換だよやっぱ凄えな緑の生き物は!このHustle騎士(ナイト)何が凄いかって、計四マナで墓地に行ってもドローを経由して戦場に戻って来る所、《しつこい負け犬》の大振りだった挙動が繊細になっている点なんだよね!そんなわけで、組んでみたのがこのデッキだ。

デッキ名『西芳寺観光案内-ゴルガリミッドレンジ-』

 奇しくも同色の有名デッキ『京都迷宮案内』と、《苔森の戦慄騎士》から連想される苔寺こと西芳寺とをかけ合わせてみた、我ながらHustleな文脈のデッキ名だな!

 やるのは《苔森の戦慄騎士》の再利用と除去呪文とを繰り返して、中盤からの対戦相手の息切れを狙っていくって感じだ!赤黒だった『紅葉狩り-狂信楽-』から《鏡割の寓話》を抜去して《苔森の戦慄騎士》に挿げ替えただけとも言えるね。

 《鏡に願いを》は今回も搭載しているけれども、採用しているシルバーバレット戦術は広範囲をカバーしているぞ。四マナ呪文を紹介していくと、

まずはお馴染み!《黙示録、シェオルドレッド》、これを採用しない黒のミッドレンジは無いと断言して良いだろう。多くのゴルガリデッキで三~四枚採用である所を、一枚。

お次は、満を持して採用!《一つの指環》、折角だしそろそろ使わなきゃな、って感じで雑に一枚挿しだ(笑)そして意外にも四枚採用が一枚挿しに格下げ!《ランクルのいたずら》、引き過ぎても困るのと、土地を多く(二十六枚)搭載する都合上このような形にさせてもらった。横展開を重ねる部族デッキを潰すために《衰滅》、-4修正でシェオルドレッドまで巻き込まれるのを防げるのは以前紹介した通り。

ここからは緑の四マナ!《探索する獣》、警戒、接死、速攻の4/4で、パワー2以下のクリーチャーからブロックされないって採用しない手はない本デッキのフィニッシャ―枠だ。そしてコイツがHustle Turtle!《開花の亀》、土地のクリーチャー化を軽くした上さらに強化するこの愛らしい亀ちゃんが、中盤以降の息切れを防いでくれると期待しているぜ!

 さあ、《開花の亀》に託した勝負の未来を支えてくれるのが、クリーチャー化できる土地(通称ミシュラランド)だ!エルドレインの森でゴルガリカラーのミシュラランドが中々優秀で四枚採用しているのが《眠らずの小屋》。攻撃時に墓地対策&食物トークン生成というのがライフレースを延命させてくれるのみならず、《鏡に願いを》に必要な協約コストにも充てられて、雰囲気抜群レッツゴー西芳寺!他には元祖《ミシュラの工廟》を唯一所有していた分の一枚、《目玉の暴君の住処》が一枚。

 できる限り四ターン目から《鏡に願いを》したいデッキ構成なので、協約のタネは破壊不能のアーティファクト土地である《暗闇苔の橋》を四枚、うぅむここでも苔がきた。のみならず、俺が組むデッキとしては珍しくクリーチャーとして二枚採用しているのが、これまたエルドレインの森から参戦の《下水王、駆け抜け侯》。三マナ3/3に加えて戦闘フェイズの開始時にネズミトークンを生成してくれる能力でコイツが協約のタネになってくれるんだけど、実は四ターン目の《ランクルのいたずら》をこのトークン達が引き受けて対戦相手に大打撃を与えられるのがHustle!

 ・・・で、これが初期型(十二月中旬型)だったんだけど、やっぱりアグロの速さに勝てなくてイマイチだったんで、ULSシーズン1も佳境だし、自分でもアグロなデッキにしたいなと思ったんだよね。黒単向きの《鏡に願いを》は全て不採用に決定し、関連カードも全削除。貴重な四マナ枠は《黙示録、シェオルドレッド》を入れざるを得ないので、市川×治郎こと《開花の亀》も懲役三年・執行猶予五年の判決を言い渡しました。その後の調整で、『コントロールの方が勝率良いな、クリーチャー戦に関してはアグレッシブサイドボーディング後の構成で行くか』となりまして・・・いつもながら二転三転する構築になりがちだぜ。以下に『新生・西芳寺観光案内』の全貌をお届けするぞ!

 先ずはアグロな構成を主軸にして紹介だ!手札破壊に《コジレックの審問》四枚、サイドには《思考囲い》も四枚でコントロールでは八枚体制。二マナ除去には《無情な行動》を一枚に、三枚採用の《暗殺者の戦利品》!万能パーマネント除去は黒緑なら確実に入れておきたいよな。そして、今や呪禁持ちや護法持ちにほぼ必須と思われる《シェオルドレッドの勅令》を四枚、プレインズウォーカー対策も出来る器用なカードだよね。サイドボードには指輪やヘリオッド対策に頼れる追放除去の《羅利骨灰》を四枚!キッカーでクリーチャーやPWにも対応できるからありがたい。もちろん、ライバルのShoがイゼット・ウィザードや忍者デッキみたいな軽量クリーチャーの数で押してくる可能性があるから、このデッキにはしっかりと全体除去の《危難の道》がメインから四枚採用だ!何色でも捻出できる土地《マナの合流点》が四枚入っているから、六マナの全体除去としても運用可能で、ランク戦で二十ターン以上に延びてもしぶとくデュエルが続けられるんだ。

 さぁ、お次はアグロなのに対コントロール戦でも頼りになるクリーチャーの面々をご覧いただこう!言わずもがな、ゴルガリカラー期待の新人《苔森の戦慄騎士》は既に紹介済だよな!このカードが無ければ『西芳寺観光案内』が成立しないんだからね。・・・ま、コントロール型になると単体除去の《無情な行動》とすげ替えられてサイドアウトしちゃうんだけど(笑)で、こっからが初期型から大きく変更されたポイント!

 《勢団の銀行破り》が登場、問答無用の四枚採用だ!大きな声じゃ言えないが、三月のバトルって新規デッキの構築じゃなくて、今までのデッキを持ち寄った総力戦だったんだよね、だから三月用に構想していた黒単はお蔵になっちゃったってわけ(爆笑)だから、この黒緑デッキに推参したクリーチャー軍団はもともと黒単用の傭兵達が多いんだ。さて、この銀行破りの凄い所ってね、二ターン目に場に出してから、続く三ターン目で《苔森の戦慄騎士》や次に紹介する三マナクリーチャー達を搭乗させることで、実質三マナ4/4速攻クリーチャーみたいな挙動が出来るってこと。半年くらい前にこの挙動を対戦相手の黒単に披露された時にはHustle食らっちゃったもんな!

 俺に大きく影響を与えたそんな懐かしいバトルの際に《勢団の銀行破り》に搭乗したクリーチャーが《ヨーグモスの法務官、ギックス》だ!三マナ3/3で、クリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えるたびに、ライフを一点支払いさえすればワン・ドローが可能になる常在型能力を持っているぞ!だから、このデッキがアグロにブン回る展開は、二ターン目《勢団の銀行破り》召喚、三ターン目《ヨーグモスの法務官、ギックス》召喚して銀行破りに搭乗して殴ってライフ支払ってドロー、四ターン目《苔森の戦慄騎士》召喚して搭乗してギックスも殴ってドロー二枚・・・こんなんやられたら相手は投了モンだよな(実際、半年前にやられてゲンナリしたと共に感動しちゃったね)。ドローした余剰の手札は、ギックスが所有する七マナの奥義、捨てた手札の分だけ対戦相手の山札の上から呪文を全て踏み倒して唱えることに費やせる。この奥義が決め手で三十ターンくらいに渡ったバトルを相手が投了したって展開もあったくらいだ。

 いやいや、四ターン目まで無事土地が続いたなら《黙示録、シェオルドレッド》を召喚して搭乗させたら良い訳だよなあ!ドローの度に二点ライフ回復出来るから、ギックスと法務官同士の激アツ共闘が発生すれば、差し引き一点回復してドローが出来るってわけだな。四マナ以上の枠にはこのカードのみ、三枚採用でアグロなマナカーブの理想を追求した構築にしているぞ。

 さ、法務官の共演に見惚れて忘れちゃいけない、三マナクリーチャーの紹介に戻るとしよう。単体除去と墓地利用に強い《墓地の侵入者》、他のカードとの兼ね合いでメインに二枚、サイドに一枚。コイツが持っている護法は「カードを一枚捨てる」だから、確定除去を一枚使うにもさらに一枚必要で、一対二交換を強いているってワケ。さらに殴りつつ墓地からカードを追放できるから、再利用されたら困る呪文やフラッシュバックも封じる事が出来て助かる局面が多いんだよね。

 そして、ゴルガリカラーのクリーチャーの華とも呼ぶべき《グリッサ・サンスレイヤー》が三枚!Shoも接死毒デッキに搭載してきた三マナクリーチャーだね。先制攻撃と接死の組み合わせで、どんなにタフネスが大きいクリーチャーも討ち取れる、ブロックを躊躇わざるを得ない戦闘員なんだけど、コイツも攻撃が通った時に誘発する能力が強烈で、一点ライフでワン・ドロー、エンチャント破壊、パーマネント上のカウンター三つまで取り除くというかなり幅広い性能を持っているよ!単純にドロー源として優秀なんだけど、PWに乗ってる忠誠カウンターを取り除いたり、+1カウンターで強化された絆魂クリーチャーを妨害してライフ計算を狂わせたりってのがニクい動きなんだよね。ギックス、グリッサ、シェオルドレッドのスーパースター達は伝説のクリーチャーだから三枚ずつ採用にしてあるんだけど、どれも対処を強いる性能だから除去されても引き込める枚数を心掛けたね。

 コントロール型になると、《墓地の侵入者》を三枚にしてそれ以外は全部サイドの除去とすげ替えちゃうんだけどな!!クリーチャーがたった三枚しか無くても大丈夫なのが、デッキに六枚入れられているミシュラランドなんだよね。戦場には土地だけ、双方手札は空っていう泥沼を打開するためのクリーチャー化出来る土地の採用は初期型とほぼ一致。《眠らずの小屋》四枚、《目玉の暴君の住処》一枚、さらに新規採用《ハイドラの巣》が一枚。さらに黒単用に準備した《ロークスワイン城》が二枚。この土地は計四マナでワン・ドロー可能な黒の土地。相手が黒いデッキを使っててこの土地が入ってないことはほぼ無いよね。黒単なら四枚採用でも良いくらいだ。アグロ型になるとサイドに入っちゃうんだけど、《ヴェールのリリアナ》も三枚採用してあるから、泥沼上等、こっちはドロー源万端ってなってるよ!

 『今月の裏Hustle』メインもサイドも採用カードは土地以外一気に全部紹介しちゃったよ。そんなわけでやっぱり裏Hustleとしては、昨年末に苔寺こと『西芳寺』にまでこのデッキ『西芳寺観光案内』の必勝祈願に行っちゃったくらいだからさ!こんなにスケールの大きなHustleはそうそう無いよね!これで負けるとすれば・・・そりゃ対戦相手であるSho対策に特化できているかどうかだよね。現時点(2024年元日)での検討事項はクリーチャー実質十九枚体制のアグロ型か、クリーチャー実質三枚体制のコントロール型か、どちらをメインボードとして採用するかだな・・・。多分、Shoを殺すには後者が適切かつ打倒いや妥当だろうと思っているよ。次回のバトルは六日土曜の予定だから、一回戦の勝敗が決してからこの記事が公開されているはずだ。

 それじゃあ、今年もKeep Hustleing!四月からはUncommon Low Skirishの第二シーズンが新ローテーションで始まる予定だからお楽しみにね。今年も我々TechnoBreakを宜敷お願い申し上げます。新年の抱負はもっと健康になること!

デッキ(最終形態バランス型)

4 苔森の戦慄騎士 (WOE) 231

2 ロークスワイン城 (ELD) 241

4 コジレックの審問 (STA) 31

3 致命的な一押し (KLR) 84

3 暗殺者の戦利品 (GRN) 152

1 目玉の暴君の住処 (AFR) 258

2 勢団の銀行破り (NEO) 255

3 無情な行動 (IKO) 91

2 墓地の侵入者 (MID) 104

2 開花の亀 (WOE) 163

1 耐え抜くもの、母聖樹 (NEO) 266

1 ハイドラの巣 (AFR) 259

4 花盛りの湿地 (KLR) 280

4 闇孔の小道 (KHM) 254

1 死天狗茸の林間地 (VOW) 261

4 ラノワールの荒原 (BRO) 264

4 眠らずの小屋 (WOE) 258

3 マナの合流点 (JOU) 163

4 危難の道 (VOW) 124

3 ヴェールのリリアナ (DMU) 97

1 思考囲い (AKR) 127

2 羅利骨灰 (DMU) 183

1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

1 グリッサ・サンスレイヤー (ONE) 202

サイドボード

1 致命的な一押し (KLR) 84

4 進化した潜伏工作員 (DMU) 93

1 シェオルドレッドの勅令 (ONE) 108

1 思考囲い (AKR) 127

2 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

2 グリッサ・サンスレイヤー (ONE) 202

1 羅利骨灰 (DMU) 183

1 執念の徳目 (WOE) 115

1 開花の亀 (WOE) 163

1 墓地の侵入者 (MID) 104