【2024冬号】ヤレるデッキを提案してみる #01 《昭光の巨匠》【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun「《昭光の巨匠》の魂を救済したい…」

違和Sho「それどっかで聞いたことある台詞だ」

ヴァーチュオーソはイタリア語で「すげぇ」ってこと byトニー・リップ

“人物紹介”糞Jun:もう歌わなくなったバンドマン。ヴォルラス野郎。デッキ作りは金を掛けずに、名誉を賭ける(だから負けると結構悔しい)。《思考囲い》ローウィン派。二つ名は「歪んだ三位一体」。

“人物紹介”違和Sho:MtG好きのプログラマ。2024年に元嫁との住処を手放し、禁止されていたペット(ウサギ)による汚れのクリーニング費用に八十万円の請求をされている。これはディズニーリゾートホテルでの挙式(披露宴無し)と同額とのこと。二つ名は「堕落したFallen」。

糞Jun「《昭光の巨匠》はMtGアリーナ初心者におすすめという記事にも採り上げられていて、検索ワードでも『強すぎ』が候補に上がったりと、既に強さは認知されている模様です」

違和Sho「魂の救済はどうなったんだろう」

糞Jun「記事冒頭のお約束ってことで」

違和Sho「赤毛のアンヒンジド」

糞Jun「で、巨匠にスポットを当てた紹介記事は既に幾つかあったんです。白赤ボロスカラーならお馴染みこちら、あと白青アゾリウスカラーならこちらとか」

違和Sho「ボロスヒロイックなんてデッキタイプとして既に存在してますね。これをわざわざ記事にしますか?

糞Jun「では、完成したデッキをご覧下さい」

こんだけパロった記事書いてるならせめて晴れる屋さんの構築機能つかえ

糞Jun「《昭光の巨匠》をパンプアップさせてさっさと殴るアグロデッキ、エネルギッシュで密度が濃いので『刹那五月雨』と名付けました」

違和Shoデッキ名に『サカイノ式』は着かないタイプですか?

糞Jun「着くわけないだろ」

糞Jun「基本路線は先述のブログMtG Wikiにあるシナジーを利用して、ブロックされない巨匠が殴るたびに謀議していきます」

違和Sho「《昭光の巨匠》と《警備の抜け道》は簡単で強力な組み合わせですよね」

『グリーンブック』は良い映画ですよ、音楽も
スパイク・リー監督の評価も含めて

糞Jun「週一イベントUncommon Low Skirmish-珍法小競合-で白青デッキが入り用だったので、アゾリウスカラーを採用しました」

違和Sho「毎週、お互いの存在意義を賭けて戦っています」

糞Jun「何言ってんだ、どっかのレシピパクって構築してるクセに!

※編集注:糞Junは違和Shoのイゼットウィザードやセレズニアカンパニーに好感を持っていないが、週一バトルのULSではレシピパクりに対する制限は一切ないので、ルール上では完全にリーガル

違和Sho「自分だってWikiの記事からシナジーパクってんじゃん…」

糞Jun「それがデッキ構築までとなると話は別!まず、別所のnoteで採用されていた《嵐追いのドレイク》は検討の結果不採用です」

違和Sho「まぁ、ワイルドカードもアンコモンで済むし、そこまでの痛手では無かったんですね。しかし、不採用の理由は?」

糞Jun「三ターン目の生存が不確実な二マナクリーチャーを、厚く採用する必要が認められなかったんです」

違和Sho「一マナでアドバンテージに繋がる《エスパーの歩哨》、謀議用か降霊のための避雷針上等で召喚する《双刃の霊》、ターンエンドから奇襲を仕掛けていく《瞬唱の魔道士》…これらのクリーチャーに対してに《嵐追いのドレイク》では力不足だったと」

糞Jun「はい、デッキの中で居場所を失っていきました

違和Sho『機械兵団の進軍』で登場した20円のコモンカードはどうですか?」

糞Jun使えば使うほど、このカードにのめり込んでいくまでには至らずです。巨匠の謀議を回すには呪文の対象にしなければならず、《サイバの暗号術師》の能力の対象にするのでは謀議出来ないんですよね」

違和Sho「だから布告系除去のみならず全体除去まで躱せる《とんずら》、《渦巻く霧の行進》でフェイズアウトさせる戦術を採用していく、と」

糞Jun「対戦相手の三ターン目エンド前、巨匠に《とんずら》でパンプアップさせてから翌ターン殴りかかるのは半ば勝利宣言です。護る手札が他にもあるというわけですから」

違和Sho「それこそ《瞬唱の魔道士》で再利用したり」

糞Jun「白単魔技デッキで見かけた《農家の勇気》や《導きの声》がかなり安くて渋い。特に《農家の勇気》は謀議で捨ててしまってもフラッシュバックで唱えさせられる。一方で、このデッキはせいぜい土地四枚で何とかしてしまいたいので、《自身の誇示》は不採用です。」

Wikiに載ってたシナジーです

違和Sho「そこまで唱えると、構えに残すマナも尽きてしまう」

糞Jun「感触としては《導きの声》で履修するカードは《拡張解剖学》ほぼ一択です。《アルカイックの教え》は唱えているヒマもない」

違和Sho「《謹慎補講》は《ゼロ除算》から引っ張って来る感じですか?」

糞Jun「《至高の評決》対策ですね。打ち消されない全体除去はかなり厳しいですから」

違和Sho「あれ?逆にアゾリウスカラーなら、《至高の評決》メイン採用もあり得たんじゃないですか??」

糞Jun渦巻く霧の行進》やレア土地にワイルドカード割き過ぎて、もうありませんでした

違和Sho「ニヤニヤ」

糞Jun『そのせいで青黒ディミーア忍者に負けたんだよな』

違和Sho「ニヤニヤ」

糞Jun「ただ、このデッキは警戒が付与されがちな《昭光の巨匠》が棒立ちと言うだけで、相手からの攻撃が躊躇われるので、赤単ゴブリンや緑単エルフに五分以上です」

違和Sho「…それは青黒忍者が環境最強ってことか??」

糞Jun「力線《現実の断片化》や、《とんずら》が刺さる《地質鑑定士》にも五分です」

違和Sho「じゃあ、青赤イゼットウィザードは??」

糞Jun九割不利です。一ターン目の《損魂魔道士》で心の中は投了です」

違和Sho「ニヤニヤ」

糞Junコイツぶん殴ってカードドローしてやろうかな

違和Sho「ぶん殴ってドローと言えば…」

糞Jun「そうです、白青緑バントオーラのnoteに紹介されていた《圧倒的洞察》を採用できました。」

影のフィニッシャー、二ターン目から《エスパーの歩哨》に強気エンチャントもアリ

違和Shoこんなカード気付かないので、やはり資料を残してくださっている先達はありがたい

糞Jun「このデッキの戦績がこちらです!」

この後は90%台を右往左往…

糞Junミシック到達!報酬五パックゲット!

違和Sho「言っちゃ何だけどヒドい事思いつきました!コレって《不可視の忍び寄り》とか《聖トラフトの霊》に強化エンチャント重ねてく『呪禁オーラ』デッキで良かったんじゃないですか?」

糞Jun「二段攻撃と謀議のキルターンの方が速そうな気がしたんです…」

違和Sho「各種力線に《現実の断片化》撃っちゃった方が…?」

『刹那五月雨』はアグロデッキと言いつつ、《昭光の巨匠》、《警備の抜け道》、必要ならば《とんずら》や《圧倒的洞察》など各種パーツが不可欠なある種のコンボデッキに仕上がっています。無論、《エスパーの歩哨》が仕上がってから五ターン目に《昭光の巨匠》が手札に来た際には、それを召喚せずに殴り切るデッキではありますが。上記、各種記事やサイト様にはたいへん有意義な情報を提供して頂きましたことを最後に御礼申し上げます。

【2024冬号】糞Jun 今月のHustleデッキ #007【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 聞いてくれ、そのデッキは誰のデッキだい?というのも、一月にShoが持ってきたデッキに搭載されていた《小走り樫》と《南小路のロージー・コトン》の無限トークンの事なんだが、そりゃ俺だって《液鋼の塗膜》と《大いなる創造者、カーン》の毎ターン土地破壊シナジーはMtG Wikiで仕入れはしたし、現環境でランク戦やってれば様々なデッキタイプの啓示は得られるけどさ。それって、試合に勝って勝負に負けてるんじゃあねえかってさ。Sho本人が「こっすいコンボ」って言っちゃってるんだもんな。まぁ、とにかく俺はもう、真面目にデッキ構築する気は失せたんだ。これからは、『目の前のエネミー』を叩き殺す事にだけ注力しようと思うよ。そんなわけで、糞Jun今月のHustleデッキは、今月で最終回になる。我が子同然のデッキじゃなくて、他所のデッキを愛情持って推す事なんて、俺のやりたい事では無いからね。

 Uncommon Low Skirmish第一シーズン九月の戦いにShoが持ち込んだのがコイツ、青赤イゼット・ウィザード、昨年度のアリーナ・チャンピオンシップで見事優勝した日本人選手、齋藤慎也選手のメインデッキと同型だ!ULS第二シーズンはこんな感じで強そうなデッキをそのまま輸入することで、構築する時間も、今月のHustleデッキ執筆の時間も浮かせようと思うからまた新しい形でキ刊TechnoBreakマガジンに携われそうで嬉しいな。岩SHOWさん、デイリー・デッキでヒストリックとタイムレスのデッキ紹介、期待してます(笑)

 それじゃあ、世界チャンピオン齋藤慎也氏のイゼット・ウィザードがどういうデッキかは、本家『岩SHOWの「デイリー・デッキ」』等をご覧頂く事として、この記事では、かつての俺が調べたくても十分に得られなかったイゼット・ウィザードの挙動について、Sho対策の備忘録を兼ねた資料として検証した事を書き残しておくぜ。

A定食 二ターン目八点ダメージ

 先ずは基本のジャブから。一ターン目、山セット、《損魂魔道士》召喚。二ターン目、島セット、《対称の賢者》召喚、賢者に《無謀なる突進》で6/3飛行、果敢が誘発して魔道士が2/3、計八点ダメージ。二ターン目に許されるダメージ量じゃねえよ、こんなんやられたらブチ切れだけどな。だいたい、このデッキに《山》なんか一枚も入ってねえんだから!《島》だってたった一枚だから!二色土地ばっか入ってんだからさ。よって、クリーチャーを出す順番は賢者→魔道士の方が、タフネス的に場持ちは良いかと思います。が、《対称の賢者》はデッキ内の様々なクリーチャー達とシナジーを形成する潤滑油になるから、《致命的な一押し》の様な確定除去が疑われる場合は、《損魂魔道士》を囮にするか、手札内で複数所有しているクリーチャーを避雷針にする等のプレイングが必要だよね。

B定食 三ターン目十二点ダメージ

 お次は重要なストレートだ。一ターン目、土地セット、《対称の賢者》召喚。二ターン目、土地セット、《戦慄衆の秘儀術師》召喚。三ターン目、《魔術師の稲妻》を打ち込んで三点、賢者の能力が誘発して秘儀術師が3/3、二体で攻撃に際してパワーが三になった秘儀術師の能力で三マナの《魔術師の稲妻》が再利用できて三点、ここで再度賢者の能力が誘発して賢者自身が3/3、以上合計十二点。このデッキはウィザード同士が強固に支え合うシナジーが大事っていう、お手本みたいな流れだね。こういう展開は、対戦相手との対話を無視してると思えるから、Hustleとかそういう感じがしなくて閉口するよ、やられる側からすればね。こんな感じで八点ダメージ、十二点ダメージがポンポン飛んでくるのがこのデッキのイヤな所。

C定食 四ターン目二十一点ダメージ

 最後はフィニッシュブローのアッパーカット。一ターン目、土地セット、《対称の賢者》召喚。二ターン目、土地セット、《損魂魔道士》召喚、余ったマナはそのまま立たせておき、《魔術師の稲妻》などに充てずに待ち。三ターン目、このデッキは土地が二十枚だからセット出来ないことは往々にしてある、《戦闘魔道士の隊長、バルモア》召喚。四ターン目にいよいよ動く、《魔術師の稲妻》を打ち込んで三点、賢者の誘発はバルモアを3/3に、さらにバルモアの誘発で全クリーチャー+1になって賢者1/3、魔道士は果敢込みで3/4、バルモア4/3。半ベソの対戦相手に情け無用の《無謀なる突進》をバルモアを対象にして8/3、賢者の再度の誘発は自身を対象にして5/3、魔道士も再度果敢が誘発して5/4(以上、全て再度誘発するバルモアの+1修正込み)、三体で殴る合計の十八点に加えて、直前の稲妻の三点、合計二十一点の四ターン目ワンショット・キル!これは《地質鑑定士》コンボ始動前に叩き込めてしまうムーヴと言えるね(《マグマ・オパス》による宝物トークンが出ていたら話は別だけど)。

裏C定食 

 《戦闘魔道士の隊長、バルモア》の代わりに《戦慄衆の秘儀術師》から四ターン目を始動するパターンもシミュレートしておこう。《魔術師の稲妻》を打ち込んで三点、賢者の誘発は秘儀術師を3/3に、魔道士は果敢誘発で2/3、賢者は未だ0/3。《無謀なる突進》を飛行持ちの賢者を対象にして3/3、その賢者の再度の誘発は自身を対象にして6/3、魔道士も再度果敢が誘発して3/4。三体で殴るに際して秘儀術師の能力で三マナの《魔術師の稲妻》を再利用(一マナの《無謀なる怒り》は次ターンで素のサイズの秘儀術師で再利用する事が想定される)、賢者の三度目の誘発は魔道士に充てて果敢込みで6/5、合計の十五点に加えて、直前の稲妻二回分の六点、これまた合計二十一点のワンショット・キル!先述と異なる点は、前者は全クリーチャーにトランプルが付与されて突破力がある点、後者は続く五ターン目に殴りかかっても《無謀なる突進》を再利用して合計九点のパンチに期待できる点だね。

 以上、相手のボディがガラ空きならば、『舟唄』のサビ直前みたいな爆発力を秘めているのがヒストリック環境のイゼット・ウィザードと言う訳だ。しかし、そう理想的な展開ばかり期待できないのは勿論だよな。同型対決や、黒が絡んだ除去や手札破壊、青お得意その場凌ぎの打ち消しやバウンス、ライフレース絶対不利の白いライフゲイン。こういう相手にはドローを織り交ぜてフックをお見舞いして行くしか無いんじゃないかな。

 ドローは一マナ《手練》、二マナ《表現の反復》、三マナ《アノールの焔》、土地の《焦熱島嶼域》が担当している。召喚したウィザードを除去されると、折角のシナジーを失って直ぐに息切れしてしまうから、一〜二ターン目の《手練》、三ターン目以降の《表現の反復》などから土地を伸ばし、土地四枚から《損魂魔道士》→《アノールの焔》で相手の大物クリーチャーを矮小化しつつ二枚ドローとか、土地四枚から《戦慄衆の秘儀術師》→《無謀なる突進》&《魔術師の稲妻》連打で合計十点とか、続くターンに《対称の賢者》→賢者へフラッシュバックの《無謀なる突進》→賢者の誘発を秘儀術師に充てて土地が四枚並ぶまでに唱えた《表現の反復》や《アノールの焔》を再利用して手札の補充をしつつ賢者の能力が再度誘発して合計九点とか、待ちながらの崩し方も多彩でやられる側は腹立つわ〜。

シェフの気まぐれサラダ枠 三ターンキル

 初手に依存するものの、決して実現不可能では無いものを最後に。一ターン目、土地セット、《対称の賢者》召喚。二ターン目、土地セット、二枚目の《対称の賢者》召喚、これに《無謀なる突撃》で3/3と6/3になった賢者が殴って九点ダメージ。三ターン目、《魔術師の稲妻》を二枚唱えて六点、賢者二体が殴ってさらに六点、合計二十一点ダメージ。初手、土地、土地、《対称の賢者》、《対称の賢者》、《無謀なる突撃》、《魔術師の稲妻》、《魔術師の稲妻》で実現可能!だけど、この手札に寄せて行くために、《表現の反復》等を使いこなしていきたいってのが分かるよね。

 さて、より具体的な各種デッキタイプ対策まで踏み込む迄には至らなかったが、三ヶ月前の自分が知りたかった事、さらに知り得た事は記載できたので満足する事とする。イゼット・ウィザードは土地も含めて、ワイルドカードが非常にかさ張るので、実際に組んで動かしつつの調整って難しいから、それなりに資料価値はあるんじゃ無いかな。あとは、プレイ環境に応じて、《絞殺》を《削剥》に変えてみたり、《兄弟仲の終焉》をメインから充ててみたり調整しよう。

 全ては、世界大会優勝の齋藤氏や、その原型を発掘しつつ研ぎ澄ませた沢山のMtGプレーヤー達、俺を含めてイゼット・ウィザードにブチのめされた無数のお友達、そして何よりいつも熱ッい記事を届けて俺たちプレインズウォーカーの灯を奮い立たせてくれている岩SHOW氏、みんなのお陰だ!おっと、ULS好敵手のShoの存在も忘れちゃいけないな、次シーズンからはもっとお手軽にボコして行こうと思います(笑)それじゃあ、Keep Hustling Forever!キ刊TechnoBreakマガジンも止揚していくから、新連載も4649な。今月のHustleデッキも、たまにシレッと戻って来るかも知れないしね。

【2024冬号】第十回戦 肉薄 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

負けられない戦いに負けた男が、またしても負けられない戦いに赴く。

土曜十五時、開店から錦糸町82へ。

【一月一回戦第一試合】

先攻Jun、黒緑ミシュラランドをタップイン。

後攻Sho、白緑二色土地から《魂の管理人》、白い強カード再利用デッキである。

Jun、土地を黒い面で出し《コジレックの審問》、Shoの手札から《小走り樫》を捨てさせる。無限トークンコンボが搭載されている事を確認。

Shoの盤面《魂の管理人》、《裕福な亭主》二体、《アヴァシンの巡礼者》が並んでいる所に、Jun《危難の道》が直撃しクリーチャー群が一掃される圧倒的有利を得る。

しかし、返すターンでSho《集合した中隊》を唱え《スカイクレイブの亡霊》と《太陽冠のヘリオッド》が戦場に登場し、Junの《ヴェールのリリアナ》を追放するなど劣勢を挽回。さらに次ターンにも《集合した中隊》から《スカイクレイブの亡霊》と《小走り樫》、ヘリオッドも前線に現れ絆魂付与など一転攻勢。

結局、+1カウンターが八つ置かれた《小走り樫》の絆魂パンチの有利を覆せずJun敗北。

【一月一回戦第二試合】

先攻Jun、マリガンの後土地を出してエンド。

後攻Sho、二色土地を出してエンド。

三ターン目にShoは《太陽冠のヘリオッド》を召喚、小粒クリーチャーの展開は警戒しているのか。

ターンもらってJun、四枚の土地から《苔森の戦慄騎士》二体召喚。

ゲーム中盤に差し掛かり、Sho《スカイクレイブの亡霊》二体、追放しているのは《苔森の戦慄騎士》二体、さらに前線に出てきた《太陽冠のヘリオッド》。

対するJunは変身した《墓地の侵入者》、《グリッサ・サンスレイヤー》。

この後は一進一退の除去合戦、ジリジリした展開。

ゲーム終盤、Jun残りライフ七対Sho残りライフ十六。

Jun、今引きの《思考囲い》でShoの手札を確認し《スカイクレイブの亡霊》を排除、温存しておいた《黙示録、シェオルドレッド》を召喚して手札を使い切る。

ターンもらってSho、X=4全力の《カイラの再建》によりコンボパーツ二体《小走り樫》と《南小路のロージー・コトン》を戦場に出す、これにより無限トークンが続々と生成されるが九体で満足したのかそれで停止。

ターンもらってJun、チェックメイト寸前のトップデッキが《危難の道》、即座に唱えてShoのトークン群は一掃される、《グリッサ・サンスレイヤー》のみ攻撃は《南小路のロージー・コトン》がチャンプブロック。

ターンもらってSho、手札から《南小路のロージー・コトン》召喚、再び無限トークンが生成される。

Sho全力のラスト・パンチ、対するJunはタイマン無敵《グリッサ・サンスレイヤー》で19/20の《小走り樫》を止めつつ、極力自軍の損傷を抑えたブロック、リストークン八体は素通しになったものの残りライフ四で耐える。

ターンもらってJunも全力のラスト・パンチ、《墓地の大食い》の能力で二点ライフドレイン、グリッサ、シェオルドレッドに加え《眠らずの小屋》もクリーチャー化して殴りかかる、Sho残りライフなんと十七から二。

Sho、次ターンのドローで《黙示録、シェオルドレッド》の能力が誘発し、二点ライフロスで敗北。

史上最長、二十一分半の試合は、投了せずに最後まで抗ったJunが辛勝。

【一月一回戦第三試合】

先攻Sho、《集合した中隊》を二ターン連続で唱え、軽快な序盤の展開。

一方でJunは土地が二枚のまま止まってしまう。

Sho《南小路のロージー・コトン》をトップデッキし、既に戦場に出ていた《小走り樫》の無限トークン生成を開始。

Jun投了、直前ターンに《コジレックの審問》二連打を我慢し、《暗殺者の戦利品》による《小走り樫》の除去に土地を立てておくべきだった。

この試合はJunに真面目なデッキ構築や自己表現を放棄させ、勝てるデッキレシピの収集へと舵を切らせる記念的な一戦となった。

【一月二回戦第一試合】

先攻Jun、先週の黒緑デッキを引き続き持参、《コジレックの審問》でShoの手札を確認、《僧院の速槍》を捨てさせる。

赤単デッキのSho、《棘平原の危険》を土地側にしてタップイン。

ターンもらってJun、再度《コジレックの審問》で《勝負服纏い、チャンドラ》をハンデス、さらに《思考囲い》で二枚目の《勝負服纏い、チャンドラ》をハンデス。

この後Sho、《レンの決意》による衝動的ドローを絡めつつ、三ターン連続で《ウラブラスク》召喚。

Shoのデッキにおけるフィニッシャーを務めるこのクリーチャーに対し、Junは手持ちの除去で逐次対処が叶う。

Shoの火力対Junの《苔森の戦慄騎士》が鎬を削る総力戦の様相を呈する終盤。

Sho残りライフ八、手札一枚、盤面は果敢持ち1/1トークン。

Jun残りライフ五、手札二枚、盤面は《苔森の戦慄騎士》二体。

騎士二体がアタック、Shoのトークンが一体ブロックした上で《棘平原の危機》を撃つ。

こうなると騎士が死亡に際して追放されてしまうため、ブロッカーのトークンにJun《暗殺者の戦利品》を撃ち込んで除去、Sho残りライフ二。

しかしながら、ターンもらってSho《稲妻の一撃》をトップデッキ、これでJunに三点ダメージに加え、《ラムナプの遺跡》を起動し二点ダメージ。

Shoが一歩先にライフを削り切って勝利。

【一月二回戦第二試合】

先攻Jun、《コジレックの審問》でShoの《勝負服纏い、チャンドラ》を捨てさせる。

後攻Sho、山を出してエンド。

この後、Shoの手札には《抹消する稲妻》が存在しているため、手札の《グリッサ・サンスレイヤー》を出せない。

双方土地を出しつつ、Shoは《無謀なる衝動》で衝動的ドロー、Junはミシュラランド《眠らずの小屋》がクリーチャー化してアタック。

この先のターンで、Jun《眠らずの小屋》ではなく《ハイドラの巣》をクリーチャー化してアタックしたため、食物トークンが生成されずダメージレースで遅れを取る。

返しのターンでSho、《僧院の速槍》を召喚し、二枚目の《静電気の放電》、《稲妻の一撃》を二枚、果敢により強化されたクリーチャー二体が4/4と4/5でアタック。

一気に十八点のライフをもぎ取って、Shoが勝利。

負け続き、色々と最悪だ。

【2024冬号】糞Jun 今月のHustleデッキ #006【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 堕落した言語術師(ロゴスマンサー)の俺としては、ゴルガリ(黒緑)カラーのデッキを作らない訳にはいかなかった。だが、考えられるアイデアは《ファイレクシアの抹消者》を格闘させてリソースを削ぐくらい、そういうファンデッキ的な物を構築しては敗北を喫し続けている俺としては、これ以上の堕落に甘んじる訳にはいかなかった。そんなわけで、自分なりに赤単とか白単の構築を進めていたのだが、赤単では爆発力と安定性の両立が難しく、白単は今からでは値が張りすぎるので、結局ゴルガリカラーを再検討せざるを得なかった。

 でも、全然開封してなかったエルドレインの森から、ワイルドカードを消費してまで交換していた《苔森の戦慄騎士》だけは四枚揃ってたんだよな!このカード、二マナ3/2トランプルって、四枚持ってる《しつこい負け犬》の上位互換だよやっぱ凄えな緑の生き物は!このHustle騎士(ナイト)何が凄いかって、計四マナで墓地に行ってもドローを経由して戦場に戻って来る所、《しつこい負け犬》の大振りだった挙動が繊細になっている点なんだよね!そんなわけで、組んでみたのがこのデッキだ。

デッキ名『西芳寺観光案内-ゴルガリミッドレンジ-』

 奇しくも同色の有名デッキ『京都迷宮案内』と、《苔森の戦慄騎士》から連想される苔寺こと西芳寺とをかけ合わせてみた、我ながらHustleな文脈のデッキ名だな!

 やるのは《苔森の戦慄騎士》の再利用と除去呪文とを繰り返して、中盤からの対戦相手の息切れを狙っていくって感じだ!赤黒だった『紅葉狩り-狂信楽-』から《鏡割の寓話》を抜去して《苔森の戦慄騎士》に挿げ替えただけとも言えるね。

 《鏡に願いを》は今回も搭載しているけれども、採用しているシルバーバレット戦術は広範囲をカバーしているぞ。四マナ呪文を紹介していくと、

まずはお馴染み!《黙示録、シェオルドレッド》、これを採用しない黒のミッドレンジは無いと断言して良いだろう。多くのゴルガリデッキで三~四枚採用である所を、一枚。

お次は、満を持して採用!《一つの指環》、折角だしそろそろ使わなきゃな、って感じで雑に一枚挿しだ(笑)そして意外にも四枚採用が一枚挿しに格下げ!《ランクルのいたずら》、引き過ぎても困るのと、土地を多く(二十六枚)搭載する都合上このような形にさせてもらった。横展開を重ねる部族デッキを潰すために《衰滅》、-4修正でシェオルドレッドまで巻き込まれるのを防げるのは以前紹介した通り。

ここからは緑の四マナ!《探索する獣》、警戒、接死、速攻の4/4で、パワー2以下のクリーチャーからブロックされないって採用しない手はない本デッキのフィニッシャ―枠だ。そしてコイツがHustle Turtle!《開花の亀》、土地のクリーチャー化を軽くした上さらに強化するこの愛らしい亀ちゃんが、中盤以降の息切れを防いでくれると期待しているぜ!

 さあ、《開花の亀》に託した勝負の未来を支えてくれるのが、クリーチャー化できる土地(通称ミシュラランド)だ!エルドレインの森でゴルガリカラーのミシュラランドが中々優秀で四枚採用しているのが《眠らずの小屋》。攻撃時に墓地対策&食物トークン生成というのがライフレースを延命させてくれるのみならず、《鏡に願いを》に必要な協約コストにも充てられて、雰囲気抜群レッツゴー西芳寺!他には元祖《ミシュラの工廟》を唯一所有していた分の一枚、《目玉の暴君の住処》が一枚。

 できる限り四ターン目から《鏡に願いを》したいデッキ構成なので、協約のタネは破壊不能のアーティファクト土地である《暗闇苔の橋》を四枚、うぅむここでも苔がきた。のみならず、俺が組むデッキとしては珍しくクリーチャーとして二枚採用しているのが、これまたエルドレインの森から参戦の《下水王、駆け抜け侯》。三マナ3/3に加えて戦闘フェイズの開始時にネズミトークンを生成してくれる能力でコイツが協約のタネになってくれるんだけど、実は四ターン目の《ランクルのいたずら》をこのトークン達が引き受けて対戦相手に大打撃を与えられるのがHustle!

 ・・・で、これが初期型(十二月中旬型)だったんだけど、やっぱりアグロの速さに勝てなくてイマイチだったんで、ULSシーズン1も佳境だし、自分でもアグロなデッキにしたいなと思ったんだよね。黒単向きの《鏡に願いを》は全て不採用に決定し、関連カードも全削除。貴重な四マナ枠は《黙示録、シェオルドレッド》を入れざるを得ないので、市川×治郎こと《開花の亀》も懲役三年・執行猶予五年の判決を言い渡しました。その後の調整で、『コントロールの方が勝率良いな、クリーチャー戦に関してはアグレッシブサイドボーディング後の構成で行くか』となりまして・・・いつもながら二転三転する構築になりがちだぜ。以下に『新生・西芳寺観光案内』の全貌をお届けするぞ!

 先ずはアグロな構成を主軸にして紹介だ!手札破壊に《コジレックの審問》四枚、サイドには《思考囲い》も四枚でコントロールでは八枚体制。二マナ除去には《無情な行動》を一枚に、三枚採用の《暗殺者の戦利品》!万能パーマネント除去は黒緑なら確実に入れておきたいよな。そして、今や呪禁持ちや護法持ちにほぼ必須と思われる《シェオルドレッドの勅令》を四枚、プレインズウォーカー対策も出来る器用なカードだよね。サイドボードには指輪やヘリオッド対策に頼れる追放除去の《羅利骨灰》を四枚!キッカーでクリーチャーやPWにも対応できるからありがたい。もちろん、ライバルのShoがイゼット・ウィザードや忍者デッキみたいな軽量クリーチャーの数で押してくる可能性があるから、このデッキにはしっかりと全体除去の《危難の道》がメインから四枚採用だ!何色でも捻出できる土地《マナの合流点》が四枚入っているから、六マナの全体除去としても運用可能で、ランク戦で二十ターン以上に延びてもしぶとくデュエルが続けられるんだ。

 さぁ、お次はアグロなのに対コントロール戦でも頼りになるクリーチャーの面々をご覧いただこう!言わずもがな、ゴルガリカラー期待の新人《苔森の戦慄騎士》は既に紹介済だよな!このカードが無ければ『西芳寺観光案内』が成立しないんだからね。・・・ま、コントロール型になると単体除去の《無情な行動》とすげ替えられてサイドアウトしちゃうんだけど(笑)で、こっからが初期型から大きく変更されたポイント!

 《勢団の銀行破り》が登場、問答無用の四枚採用だ!大きな声じゃ言えないが、三月のバトルって新規デッキの構築じゃなくて、今までのデッキを持ち寄った総力戦だったんだよね、だから三月用に構想していた黒単はお蔵になっちゃったってわけ(爆笑)だから、この黒緑デッキに推参したクリーチャー軍団はもともと黒単用の傭兵達が多いんだ。さて、この銀行破りの凄い所ってね、二ターン目に場に出してから、続く三ターン目で《苔森の戦慄騎士》や次に紹介する三マナクリーチャー達を搭乗させることで、実質三マナ4/4速攻クリーチャーみたいな挙動が出来るってこと。半年くらい前にこの挙動を対戦相手の黒単に披露された時にはHustle食らっちゃったもんな!

 俺に大きく影響を与えたそんな懐かしいバトルの際に《勢団の銀行破り》に搭乗したクリーチャーが《ヨーグモスの法務官、ギックス》だ!三マナ3/3で、クリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えるたびに、ライフを一点支払いさえすればワン・ドローが可能になる常在型能力を持っているぞ!だから、このデッキがアグロにブン回る展開は、二ターン目《勢団の銀行破り》召喚、三ターン目《ヨーグモスの法務官、ギックス》召喚して銀行破りに搭乗して殴ってライフ支払ってドロー、四ターン目《苔森の戦慄騎士》召喚して搭乗してギックスも殴ってドロー二枚・・・こんなんやられたら相手は投了モンだよな(実際、半年前にやられてゲンナリしたと共に感動しちゃったね)。ドローした余剰の手札は、ギックスが所有する七マナの奥義、捨てた手札の分だけ対戦相手の山札の上から呪文を全て踏み倒して唱えることに費やせる。この奥義が決め手で三十ターンくらいに渡ったバトルを相手が投了したって展開もあったくらいだ。

 いやいや、四ターン目まで無事土地が続いたなら《黙示録、シェオルドレッド》を召喚して搭乗させたら良い訳だよなあ!ドローの度に二点ライフ回復出来るから、ギックスと法務官同士の激アツ共闘が発生すれば、差し引き一点回復してドローが出来るってわけだな。四マナ以上の枠にはこのカードのみ、三枚採用でアグロなマナカーブの理想を追求した構築にしているぞ。

 さ、法務官の共演に見惚れて忘れちゃいけない、三マナクリーチャーの紹介に戻るとしよう。単体除去と墓地利用に強い《墓地の侵入者》、他のカードとの兼ね合いでメインに二枚、サイドに一枚。コイツが持っている護法は「カードを一枚捨てる」だから、確定除去を一枚使うにもさらに一枚必要で、一対二交換を強いているってワケ。さらに殴りつつ墓地からカードを追放できるから、再利用されたら困る呪文やフラッシュバックも封じる事が出来て助かる局面が多いんだよね。

 そして、ゴルガリカラーのクリーチャーの華とも呼ぶべき《グリッサ・サンスレイヤー》が三枚!Shoも接死毒デッキに搭載してきた三マナクリーチャーだね。先制攻撃と接死の組み合わせで、どんなにタフネスが大きいクリーチャーも討ち取れる、ブロックを躊躇わざるを得ない戦闘員なんだけど、コイツも攻撃が通った時に誘発する能力が強烈で、一点ライフでワン・ドロー、エンチャント破壊、パーマネント上のカウンター三つまで取り除くというかなり幅広い性能を持っているよ!単純にドロー源として優秀なんだけど、PWに乗ってる忠誠カウンターを取り除いたり、+1カウンターで強化された絆魂クリーチャーを妨害してライフ計算を狂わせたりってのがニクい動きなんだよね。ギックス、グリッサ、シェオルドレッドのスーパースター達は伝説のクリーチャーだから三枚ずつ採用にしてあるんだけど、どれも対処を強いる性能だから除去されても引き込める枚数を心掛けたね。

 コントロール型になると、《墓地の侵入者》を三枚にしてそれ以外は全部サイドの除去とすげ替えちゃうんだけどな!!クリーチャーがたった三枚しか無くても大丈夫なのが、デッキに六枚入れられているミシュラランドなんだよね。戦場には土地だけ、双方手札は空っていう泥沼を打開するためのクリーチャー化出来る土地の採用は初期型とほぼ一致。《眠らずの小屋》四枚、《目玉の暴君の住処》一枚、さらに新規採用《ハイドラの巣》が一枚。さらに黒単用に準備した《ロークスワイン城》が二枚。この土地は計四マナでワン・ドロー可能な黒の土地。相手が黒いデッキを使っててこの土地が入ってないことはほぼ無いよね。黒単なら四枚採用でも良いくらいだ。アグロ型になるとサイドに入っちゃうんだけど、《ヴェールのリリアナ》も三枚採用してあるから、泥沼上等、こっちはドロー源万端ってなってるよ!

 『今月の裏Hustle』メインもサイドも採用カードは土地以外一気に全部紹介しちゃったよ。そんなわけでやっぱり裏Hustleとしては、昨年末に苔寺こと『西芳寺』にまでこのデッキ『西芳寺観光案内』の必勝祈願に行っちゃったくらいだからさ!こんなにスケールの大きなHustleはそうそう無いよね!これで負けるとすれば・・・そりゃ対戦相手であるSho対策に特化できているかどうかだよね。現時点(2024年元日)での検討事項はクリーチャー実質十九枚体制のアグロ型か、クリーチャー実質三枚体制のコントロール型か、どちらをメインボードとして採用するかだな・・・。多分、Shoを殺すには後者が適切かつ打倒いや妥当だろうと思っているよ。次回のバトルは六日土曜の予定だから、一回戦の勝敗が決してからこの記事が公開されているはずだ。

 それじゃあ、今年もKeep Hustleing!四月からはUncommon Low Skirishの第二シーズンが新ローテーションで始まる予定だからお楽しみにね。今年も我々TechnoBreakを宜敷お願い申し上げます。新年の抱負はもっと健康になること!

デッキ(最終形態バランス型)

4 苔森の戦慄騎士 (WOE) 231

2 ロークスワイン城 (ELD) 241

4 コジレックの審問 (STA) 31

3 致命的な一押し (KLR) 84

3 暗殺者の戦利品 (GRN) 152

1 目玉の暴君の住処 (AFR) 258

2 勢団の銀行破り (NEO) 255

3 無情な行動 (IKO) 91

2 墓地の侵入者 (MID) 104

2 開花の亀 (WOE) 163

1 耐え抜くもの、母聖樹 (NEO) 266

1 ハイドラの巣 (AFR) 259

4 花盛りの湿地 (KLR) 280

4 闇孔の小道 (KHM) 254

1 死天狗茸の林間地 (VOW) 261

4 ラノワールの荒原 (BRO) 264

4 眠らずの小屋 (WOE) 258

3 マナの合流点 (JOU) 163

4 危難の道 (VOW) 124

3 ヴェールのリリアナ (DMU) 97

1 思考囲い (AKR) 127

2 羅利骨灰 (DMU) 183

1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

1 グリッサ・サンスレイヤー (ONE) 202

サイドボード

1 致命的な一押し (KLR) 84

4 進化した潜伏工作員 (DMU) 93

1 シェオルドレッドの勅令 (ONE) 108

1 思考囲い (AKR) 127

2 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

2 グリッサ・サンスレイヤー (ONE) 202

1 羅利骨灰 (DMU) 183

1 執念の徳目 (WOE) 115

1 開花の亀 (WOE) 163

1 墓地の侵入者 (MID) 104

【2024冬号】第九回戦 崩壊 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

たかが一勝に気を良くしてはならない。

先月の二連勝から再度期間が空いたが、十二月の戦い。

錦糸町82にて時間通りに開始。

今月のUncommonガール

【十二月一回戦第一試合】

先攻Sho、万能土地《閑静な中庭》を忍者指定で場に出し、攻撃時にブロックされなくなる《未来派の調査員》を召喚、この日持ち込んだのは青黒忍者部族デッキだった。

その後、《銀毛の達人》、《毒血勢団に口封じ》、二枚目の《銀毛の達人》、《千の顔の影》と立て続けに展開され、満足なブロッカーも除去も無いJunは敗北。

Sho側はあっけなく一勝を掴んだ。

【十二月一回戦第二試合】

Jun先攻、二ターン目に二段攻撃の《双刃の霊》召喚。

ターンもらってSho、《バルターズゲートのクライドル》召喚。

三ターン目Jun、クライドルに強気のアタック、これはスルーで二点ダメージ。

この後、クライドルに対し《魂の仕切り》で追放、Shoの召喚した《裕福な盗人》は《瞬唱の魔術師》から再利用した《魂の仕切り》で再度追放。

Jun、《警備の抜け道》を《双刃の霊》にエンチャントし、ブロック不可の二段攻撃が何度もアタックを通していく。

Shoからの除去はことごとく《渦巻く霧の行進》によって躱されJunが殴り切る。

【十二月一回戦第三試合】

Sho、青黒二色土地をセットしてエンド。

Jun、白青二色土地から《エスパーの歩哨》を召喚してエンド。

「ソイツも居るのかよ」最初に唱えたクリーチャー以外の呪文に対応してドローが誘発してしまうから、確かに出されると嫌なカードではある。

ターンもらってSho、土地を出して《大群の妨害工作員》召喚、攻撃が通ると手札破壊能力を持った《ウイルスの甲虫》というクリーチャーを手札に創出するヤツだ。

ターンもらってJun、《魂の仕切り》で妨害工作員を追放、1/1の歩哨でアタック。

三ターン目Sho、三枚目の土地を出して《銀毛の達人》を素出しで召喚。

ターンもらってJun、歩哨に《圧倒的洞察》をエンチャント、さらに《農家の勇気》で追加の強化するものの、Shoの《致命的な一押し》で除去されてしまう、ここはマナを立てて我慢しておくべきだった。

これにて趨勢は決し、その後Shoは順調に忍者団を並べ二枚目の《銀毛の達人》、《月の賢者の養子、ナシ》、《月回路のハッカー》、《巧妙な潜入者》で波状攻撃を連打してあっけなく勝利。

全体除去を搭載しなかったJunの慢心、マリガン基準の厳格化が求められる。

【十二月二回戦第一試合】

負けられない戦いに臨むJun、最強の赤黒デッキを持参する裏をかいて前回同様の白青巨匠。

対するSho、Junをあざわらうかのように前回同様の青黒忍者デッキ。

こうなると全体除去を搭載していないJun側はかなり苦しい。

二ターン目後攻のSho、《大群の妨害工作員》、これに合わせてJun《瞬唱の魔道士》。

ターンもらってJun、魔道士の攻撃が通り、《双刃の霊》を召喚。

ターンもらってSho、妨害工作員でアタック、二段攻撃の霊がブロックして双方死亡、戦闘後に《銀毛の達人》《千の顔の影》を召喚。

ターンもらってJun、《双刃の霊》を降霊で魔道士にエンチャント、二段攻撃が通る。

ターンもらってSho、忍者二体でアタックし忍術発動、《毒血勢団の口封じ》の効果によりJunの魔道士が破壊される。

これにより、除去もないJunは手詰まり、Shoは戦場に忍者が三体だが、Junの手札にある魔道士二枚ではクリーチャー戦が不利。

ゲーム終了。

【十二月二回戦第二試合】

Jun先攻、土地一枚マリガン、土地四枚クリーチャー無しマリガンのダブルマリガン、この時点で敗色濃厚。

Sho、《千の顔の影》召喚。

四ターン目のドローでようやくJunにクリーチャーが入る、《瞬唱の魔道士》。

エンチャントした《圧倒的洞察》でのドローや、Shoからの《致命的な一押し》を《渦巻く霧の行進》で躱したりなどしても、Jun側はリソース切れ。

最終的にSho側の展開はトークン込みの《大群の妨害工作員》三体、《バルターズゲートのクライドル》、《千の顔の影》、《ウイルスの甲虫》。

バランス型の忍者デッキ対特化型の二段攻撃デッキが二週にわたって当たり、Junにとっては最悪の月であった。

デッキ相性とか対Jun対策など、不愉快なので終える。

今月のUncommonガール

【2023冬号】糞Jun 今月のHustleデッキ #005【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun(10/7執筆)

 何かから逃げている時って、どうしてあんなに夢中になれるんだろう。俺もShoも学業から逃げていた時期があった。俺は小林秀雄の文章を読み漁り、Shoは早稲田松竹で名画を観賞していた。奇しくも新宿区の徒歩圏内で二人は邂逅していた可能性もある訳だな。アイツの場合、幸か不幸かそのまま大学を中退する羽目になってしまったと言う事だが。

 確か五月頃、旧型赤緑デッキのイマイチ感にがっくり来ていた俺は、気分転換に青単パーミッションを作ってみたんだ。一ターン目に《秘密を掘り下げる者》を召喚して後は打ち消し呪文で守りに徹する、『デルバー』と総称されるクロック・パーミッションをね。で、プレイしていると勝率は半々未満でも楽しいんだよね、これが。ぜひ仕上げたいって思ったよ。いつか、青単デッキをULSにぶつけるんだ、ってね。その刻が、満を持して来た。月々の色調整の都合で、どうしても十月にぶつけなきゃいけなかったってのもあるんだけど(笑)

 初期型は凄いHustleな青単だったんだ。瞬速持ちの《オークの弓使い》を相手のターンエンドに召喚してみたり、アドバンテージの塊である《鏡割りの寓話》をとりあえず出してみたり、フィニッシャーにはこれまた瞬速持ちでパーマネントのマナコストを2も増やしてしまう妨害能力が地味に嫌らしい《ナイトクラブの用心棒》を据えて、さらにソイツを明滅させてETB能力を使い回すための《一瞬の瞬き》を入れて…青単なのにパワーカードを黒、赤、白から四枚挿しっていう『歪んだ三位一体』の名に恥じないHustleなデッキを仕上げていたんだよね!最初期には《夜群の伏兵》の採用まで検討していたし、レア土地には今回もだいぶワイルドカードを割いたよ。

 で、これが勝率イマイチで泣いちゃいそうなんだな。封殺or《ナイトクラブの用心棒》が間に合わずに惜敗で、後者の割合が多くて負け越しちゃったんだよね。相手は現在二連勝中のShoだから、絶対に十月は負けられない。そんなわけで、調整と微調整とを重ね続けた挙句、上記のジャンク型パーミッションは、すっきりシンプルな形へと大幅な路線変更したのが前日夜。当日は土地とサイドボード調整をザックリやって、実戦はほぼ無いままにULS十月一回戦へ挑んだんだ。

デッキ名『青単報復者』

 上手くいけば2ターン目から3/2飛行で殴っていける《秘密を掘り下げる者》に《執着的探訪》をエンチャントして、4/3飛行に加えて一枚ドローし続けて妨害カードを切り続けるのが理想。これが除去されると投了なんだけど、そこを《復讐に燃えた犠牲者、ドロテア》の高マナレシオカードで補填しようとしてある。このクリーチャー、なんと2マナ4/4飛行っていうHustleカード。攻撃かブロックに一度でも参加してしまうと生贄に捧げなければいけないんだけど、その後は墓地からの降霊によりオーラとして復活!エンチャントしたクリーチャーが攻撃するたびに、飛行を持つ4/4トークンがスタープラチナばりにブン殴りに来てくれる(このトークンも戦闘後に生贄に捧げられる)。

 となると、相手のターンエンドに《瞬唱の魔道士》を2マナで素出しして、ターンを貰ったら3マナの《ドロテアの報復》(降霊カード裏面)をエンチャントして殴りに行く。手札破壊相手に対して動くすごく極端な理想形だけど、3ターン目から6点以上のクロックを刻めるのはHustleアグロだよな。アグロデッキの勝敗の分かれ目はおおむね5ターンって言われているから、それまでに殴り切るのがこのデッキの信条ってわけ。青単なのにアグロ、この取り合わせの妙がHustleポイント激推し如何でしょう。

 上記クリーチャーをあっさり除去されて「投了」宣言とならないようにするため、中期戦を見越して採用してあるのが《帳簿裂き》。2マナ1/3飛行持ち、使われて初めて厄介さに気付く悪いヤツ。そのターンにプレイヤーが二番目の呪文を唱えるたびに謀議する(カード一枚を引き、その後カード一枚を捨てる。あなたが土地でないカードを捨てたなら、このクリーチャーの上に+1/+1カウンター一個を置く)。つまり、サイズアップを期待しつつ、手札の不要カードを今欲しいカードへの摺り替えも期待できるんだ。ゲーム中盤で召喚し、続けて《消えゆく希望》で対戦相手の邪魔なブロッカーを手札に戻す、たったこれだけのムーヴで謀議ができるのはHustle通り越してチョットオカシイ。対戦相手のターン中に《瞬唱の魔道士》を召喚して、再度《消えゆく希望》をフラッシュバックしても謀議。この能動的な効果に加えて、対戦相手が二つ呪文を唱えたら謀議できる攻撃的受動性も強い、4/7飛行になって殴りかかれるのも十分あり得る。

 《瞬唱の魔道士》は2マナ2/1瞬速持ちなんだけど、戦場に出たターンに墓地のインスタントかソーサリー一枚を対象にして使いまわせる能力があるんだ。正規のマナコストを支払う必要はあるけれど、単純に手札が増えてるようなもので、《旋風のごとき否定》のようなカウンター呪文でも《ゼロ除算》のようなバウンス呪文でも必要なものを引っ張ってきて対応できるのが中盤戦に活きるね。前者はスタック上にある対戦相手の呪文やら能力やら全てに4マナも支払い要求をするから、果敢や魔技みたいな誘発型能力もすっきり打ち消し。後者はサイドボードから講義カードを履修できるから、ハンドアドバンテージを失わずに妨害できる。採用している講義カードは、終盤にもつれこんでまで使いたく無いけど《マスコット展示会》、使わずに決めたいけど大事なドローの《アルカイックの教え》、短時間の調整でよくこれに目をつけたなって自分を褒めたい《謹慎補講》。《謹慎補講》は五枚目の《消えゆく希望》相当で、こちらのクリーチャーの攻撃をゴリ押しで通すのに役立つよね。

 初期型の構えて守るジャンクなタイプのパーミッションから、毎ターンガンガン殴る明快アグロなパーミッションへガラッと様相を変じた十月の青単デッキ。終始頭を悩ませたのはクリーチャーとそれ以外の呪文の枚数の割合だった。極端な話、《傲慢なジン》と《トレイリアの恐怖》をそれぞれ四枚挿しクリーチャー八体型で行くか、《隆盛するスピリット》や《怪しげな密航者》のような軽量優秀クリーチャー二十体前後型で行くか。結局は、白黒赤と各色の軽量パワーカードをジャンクに詰め込んだ後者型にするはずだったんだけど、その構築当時に色々なパターンを考えていたお陰で最終型にパッとメタモルフォーゼすることが出来たよ。さながら《秘密を掘り下げる者》みたいにね。彼は対ミッドレンジ用に、サイドボードの《傲慢なジン》との交換も考えてあるよ。

 さて、1マナの《秘密を掘り下げる者》、2マナの《瞬唱の魔道士》、《帳簿裂き》、《復習に燃えた犠牲者、ドロテア》低コスト高打点のクリーチャーたちを抑えて、『今月の裏Hustle』をご紹介しよう。二枚採用の《迫撃鞘》だ!これはULS十月一回戦第二試合を劇的に締めくくった生体武器の飛び道具。十月一回戦は二試合ともJunのデッキがShoを封殺、俺以外の全ての人が、Shoすらもその展開に感嘆したに違いない名勝負だったな。俺が勝つ試合はどれも名勝負に認定するんだけどさ(笑)一方で、肝心の俺は綱渡りの連続、トップデッキにも何度も助けられる上に、対戦相手のクリーチャーにブロック制限があったから攻撃が通ったっていう相性もあって非常に精神的にはしんどかったんだよね。おっと、本題の《迫撃鞘》を忘れちゃいけない。コイツの能力で、Shoの残りライフ一点をきっちりもぎ取ることが出来て、本当に心からグッドゲームだった。

 それじゃ、歪んだ三位一体ことJunお得意の、調整を重ねたデッキを直前で大幅改変はまだまだ続きそうな予感がする。来月のデッキお披露目までKeep hustle!四枚交換しちゃった《鏡割りの寓話》どうしよう!

デッキ

4 瞬唱の魔道士 (SIS) 23

2 ゼロ除算 (STX) 41

4 A-復讐に燃えた犠牲者、ドロテア (VOW) 235

1 皇国の地、永岩城 (NEO) 268

2 アーテイの嘲笑 (DMU) 48

2 旋風のごとき否定 (STA) 23

4 ジュワー島の撹乱 (ZNR) 64

4 秘密を掘り下げる者 (MID) 47

3 かき消し (SNC) 49

4 消えゆく希望 (MID) 51

4 帳簿裂き (SNC) 46

1 天上都市、大田原 (NEO) 271

4 アダーカー荒原 (DMU) 243

1 金属海の沿岸 (ONE) 258

4 連門の小道 (KHM) 260

4 マナの合流点 (JOU) 163

2 冠雪の島 (KHM) 279

3 冠雪の平地 (KHM) 277

2 迫撃鞘 (MBS) 115

4 執着的探訪 (JMP) 148

1 送還 (ANB) 36

サイドボード

1 アルカイックの教え (STX) 57

4 本質の把捉 (NEO) 52

1 マスコット展示会 (STX) 5

1 謹慎補講 (STX) 7

4 傲慢なジン (DMU) 52

4 本質の散乱 (DMU) 49

【2023冬号】糞Jun 今月のHustleデッキ #004 緊急速報版【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun(11/20執筆)

 いよぉぉぉっし!Hustleカムバック!俺だ。11月は圧巻の二連勝を決めて、Shoに半ベソをかかせてやったZE!そんなわけで、デッキ紹介行ってみようか!手応えのあるデッキは自慢したくてしょうがないNE!

デッキ名『紅葉狩り-狂信楽-』

 黒を愛する言語術士ロゴスマンサーの俺としては黒単は最後の最後に仕上げたい、そんなわけで黒を中心に据えた二色デッキの構築は悲願である。そうして生まれたのが8月のディミーア・ハイブリッド(青黒)だったわけなんだけど、あのデッキには色々と詰め込み過ぎたせいで、各種キーカード三枚体制という非常に不安定なものになってしまったんだ。折角好きな色の二色で揃えたのに、できる事なら組み直したいくらいだよ。そんな中、エルドレインの森で大注目された例のカードが出たんだ。《鏡に願いを》はもうこのデッキの顔と言えるね!

 デッキから四マナ以下のカードを探し、コスト無しで唱えられる。《黙示録、シェオルドレッド》やら《ファイレクシアの抹消者》やらを引っ張ってこようって安直な発想なら俺にだってできる。だから、当然デッキには一枚挿ししてある。それぞれワイルドカードで四枚集めたのに、《鏡に願いを》は俺自身の環境をも様変わりさせてしまったってわけ!さらに、ライフレースを有利に持ち直させるために《不笑のソリン》も一枚採用。奥義を放ったことはまだ一度も無いけど、−2能力の絆魂トークン生成のみならず、+ 1能力の擬似ドローが地味に強いんだよな。コイツにだけはHustleって言葉は似合わないぞ。いや、奥義が13点ダメージだから、その時だけは不笑と言いつつも爆笑Hustleだろうね。

 一枚挿しのソリン(こう書くとプレインズウォーカーみたいだな笑)の相棒として採用しているのがお馴染み《ヴェールのリリアナ》、こちらは四枚挿しだ。三ターン目リリアナ、四ターン目鏡経由のソリンがこのデッキの一つの理想形だな。リリアナは+1能力でお互いの手札を捨てさせるんだけど、バンバン捨ててもソリンで引けるのが絶望的に強い。リリアナの奥義はかなりの頻度で発動させるけど、コントロールデッキのキーカード、例えば《九つの命》のみ指定とかニンマリHustle多いんだよなあ(ニンマリ)。

 リリアナと同じく三マナ枠、デッキ唯一の赤カード(他の二枚は土地枠に含められる《棘平原の危険》)、言わずと知れた英雄譚《鏡破りの寓話》が四枚。三ターン目にリリアナとどちらを先に出すべきかと言われれば、なんとしても除去しておきたいクリーチャーでもいない限りまず先に寓話からだね。三ターン目寓話を唱えてゴブリントークン生成、四ターン目トークン攻撃で宝物生成、この時に四枚目の土地が戦場に出せていなくても《鏡に願いを》を協約で唱えることができるのが強みだね。その時には《ファイレクシアの抹消者》を持って来たいもんだ。《鏡割りの寓話》二枚連続パターンになると、最終的にマナがある限りキキジキの鏡像のコピーを並べまくれるのも勝ちパターン。

 《ヴェールのリリアナ》の手札破壊で試合の展開をグダグダにさせつつ、《鏡割りの寓話》でアドバンテージに差をつけて、《鏡に願いを》で状況に応じたカードを戦場に出す。このデッキ『紅葉狩り-狂信楽-』の基本的な動きはこうだ。そして、三マナ域に到達するまでの序盤は豊富な除去呪文でしのぎ切る。大抵負ける時は、初期手札に除去が二枚以下って時だね。

 採用している除去カードは《致命的な一押し》二枚、《冥府の掌握》二枚、《無情な行動》三枚、《シェオルドレッドの勅令》三枚、何故かパックから豊富に出てきた《ランクルのいたずら》三枚、《鏡に願いを》経由用に根こそぎ追放《一巻の終わり》と全体除去《衰滅》それぞれ一枚ずつ。さらに手札破壊が協約用に《望み無き悪夢》四枚、《思考囲い》二枚。四枚持ってる《思考囲い》をもっと入れるスロットは、もう捻出できなかった…。《衰滅》は全てのクリーチャーに−4修正なんだけど、主力の《ファイレクシアの抹消者》も《黙示録、シェオルドレッド》もタフネスが5あるから、シレッと生き残って《鏡割りの寓話》とのシナジーで悪さ出来るぜ。

 『今月の裏Hustle』コンボやシナジーを期待するのにデッキ四枚挿しではどうしても事故るからせめて八枚は必要だよな。それは、《鏡に願いを》の協約に必要な素材が多いに越したことは無いという話だ。そこで採用したのがコイツ、《鉱滓造の橋》だ!タップインが気になるものの、1〜2ターン目ならば除去呪文のマナコストと相談しながら戦場に出せるコイツ、何と土地・アーティファクトということで、四マナ捻出できる状態で協約のコストに充てちゃっても全然問題無し、ほぼタダ状態。都合よく《望み無き悪夢》を唱えられないことの方が多いけど、《鉱滓造の橋》のおかげで黒赤二色の不安も協約コストの不安も大幅減。このデッキで負けるのは大抵、三枚目の土地が引けないって場合だけだから、出来ることなら土地は初手に三枚欲しいね。

 では、興奮冷めやまぬ会心のデッキ『紅葉狩り-狂信楽-』の紹介はこれまで!来月に向けて構築しているデッキは今回の長期戦泥沼とは打って変わって、五ターンキル上等のこれまた痛恨のデッキだ。ここだけの話、久しぶりに、かつ早々にミシックランクに到達しているから、今後の調整に気合が入るぜ!それじゃあ、イクサランのパックも開けつつ、Stay foolish, keep hustle!来月も二連勝目指すぜ!

デッキ

4 鏡に願いを (WOE) 82

4 黒割れの崖 (ONE) 248

4 鏡割りの寓話 (NEO) 141

2 棘平原の危険 (ZNR) 166

4 ヴェールのリリアナ (DMU) 97

1 不笑のソリン (VOW) 131

4 望み無き悪夢 (WOE) 95

2 致命的な一押し (KLR) 84

3 無情な行動 (IKO) 91

2 冥府の掌握 (MID) 107

1 一巻の終わり (WOE) 87

3 シェオルドレッドの勅令 (ONE) 108

2 思考囲い (AKR) 127

3 ランクルのいたずら (WOE) 102

1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

1 ファイレクシアの抹消者 (ONE) 105

4 荒廃踏みの小道 (KHM) 252

2 硫黄泉 (DMU) 256

4 鉱滓造の橋 (MH2) 246

1 ボジューカの沼 (WWK) 132

1 沼 (DMU) 269

4 マナの合流点 (JOU) 163

1 目玉の暴君の住処 (AFR) 258

1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 (NEO) 278

1 衰滅 (JMP) 246

サイドボード

3 台所のインプ (MH2) 89

3 癇しゃく (SIR) 154

1 思考囲い (AKR) 127

1 思考囲い (AKR) 127

1 ファイレクシアの抹消者 (ONE) 105

1 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107

4 危難の道 (VOW) 124

1 ランクルのいたずら (WOE) 102

【2023冬号】第八回戦 反抗 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnnoBreakマガジン】

日曜の業務、比較的ラクな部類ではあったが人前に出るので多少はピリピリして準備していた。それ以上の準備を前回からの二週間をかけて行っていた。勝ったり負けたり、負けたり調整したり、負けたり構築したデッキを放棄してみたり。色々とストレスの溜まる日々だったと言える。だが、負けられないのだ。いつものパブで小麦香るヴァイツェン、Shoはハイボール。

先に書いておくが、Shoは記事なぞ読んでいないらしい。これは《見捨てられた碑》なのだ。奴は一ミリもバンドの事をしていない。だから書いておくが、彼奴の構築はトーナメントを意識していない、徹底的に俺対策で来ている。ならば、だ。

今月のUncommonガール

【十一月一回戦第一試合】

先攻は三連敗中のJunが選択、土地が無いためマリガン後《目玉の暴君の住処》、とうとう黒いデッキで参戦だ。

Sho、山を出してエンド、イゼット・ウィザードが懸念される。

二ターン目、Jun黒赤の二色土地から《望み無き悪夢》をエンチャント、Shoが捨てた手札は二マナ四点火力の《抹消する稲妻》。

Sho、Junのエンド前に《火遊び》を撃ち込んでターンをもらう、《ラムナプの遺跡》を場に出し《無謀なる衝動》、追放されたのは山と《稲妻の一撃》。

三ターン目、Junは両面土地を黒側で出し満を持して《ヴェールのリリアナ》、+1能力を起動し双方手札を一枚捨てる、Junは今引きの黒い土地《見捨てられたぬかるみ、竹沼》、Shoは一マナ二点火力《火遊び》。

ターンもらってSho、山を出して「しまった」のエモート、《稲妻の一撃》を《ヴェールのリリアナ》に打ち込むも、さっき捨ててしまった《火遊び》を追加で撃ち込むことが無いため除去しきれない。

四ターン目、Junは沼を出して《鏡に願いを》を唱える、協約コストは《望み無き悪夢》、山札からバーンに対して無敵の《ファイレクシアの抹消者》をサーチして来て戦場に出す。リリアナを起動して双方手札を捨てる、Junこれで手札ゼロ、Shoは《焦熱の交渉人、ヤヤ》をディスカードして残り手札三枚。この四ターンの展開は完璧な理想形だ。

ターンもらってSho、二マナ火力の《静電気の放電》を唱えリリアナに三点ダメージで除去、残り二マナは《無謀なる衝動》の同型再版《レンの決意》による衝動的ドロー。

この後、Shoは《勝負服纏い、チャンドラ》を召喚するも、抹消者のワンパンチであしらわれ、劣勢を挽回できない。

Junは《鏡に願いを》から《不笑のソリン》をサーチし次のターンに召喚、《鏡割りの寓話》を唱えるなどで盤面を確実にして押し切った。

【十一月一回戦第二試合】

Jun慢心の初手土地二枚スタート、これが完全に裏目となり三枚目の土地が来ない。

Shoはマリガン一回で先攻、山から《僧院の速槍》で速攻アタック。

ターンもらってJun、《思考囲い》でハンデスを仕掛け、Shoの手札から大物《ウラブラスク》を捨てさせる。しかしながら「あの時に《レンの決意》を捨てさせておけば後続のカードを引かれる事はなかった」と後になって指摘を受けた。

二ターン目Sho、山を出し《レンの決意》で衝動的ドロー、果敢により2/3になった《僧院の速槍》でアタック。Junの残りライフ14。

ターンもらってJun、《棘平原の危険》を土地の面でタップイン、《望み無き悪夢》を唱える。

三ターン目Sho、クリーチャー化できる土地《バグベアの居住地》をタップイン、《棘平原の危険》を唱えてJunに一点ダメージ、速槍アタックで二点。

ターンもらってJun、土地を引けず身動きが取れ無いままターンエンド。

四ターン目Sho、青赤キャノピーランド《焦熱島嶼域》から引いて来た《ウラブラスク》召喚、《僧院の速槍》はJunが《シェオルドレッドの勅令》により除去。

ターンもらってJun、《棘平原の危険》を引く、土地の面でタップイン、展開が遅すぎる上に手札には除去も無い。

五ターン目Sho、《僧院の速槍》召喚、《静電気の放電》でJunに三点ダメージ、フルアタックで合計十ダメージで勝利。

双方怒涛の応酬合戦で第三試合へ。

【十一月一回戦第三試合】

先攻Jun、赤黒破壊不能のアーティファクト・土地をタップイン。

ターンもらってSho、青赤土地から《僧院の速槍》アタックで一点。

ターンもらってJun、同じ土地を再度タップイン、一マナのカードは手札に無くエンド。

ターンもらってSho、《棘平原の危険》を土地の面でタップイン、速槍でアタック。

三ターン目Jun、土地を出して英雄譚《鏡割りの寓話》をエンチャント、2/2クリーチャーが場に出る。

ターンもらってSho、《無謀なる衝動》から引いて来た《絞殺》をJunが出したクリーチャーに撃ち込んで除去、速槍が殴って二点。

四ターン目Jun、《鏡割りの寓話》第二章が発動し手札交換一枚、引き込んだ《ヴェールのリリアナ》を召喚、−2能力を起動してShoの《僧院の速槍》を除去。

ターンもらってSho、《無謀なる衝動》から引き込んだ《棘平原の危険》による一点ダメージで《ヴェールのリリアナ》を除去。

五ターン目Jun、《鏡割りの寓話》第三章が発動しエンチャント裏面のクリーチャーに変身、万能土地《マナの合流点》を出して四マナ費やして《鏡に願いを》、アーティファクト・土地を協約コストに充ててサーチしたのは勿論《ファイレクシアの抹消者》、対応してSho《火遊び》で変身したクリーチャーを除去。

ターンもらってSho、五枚目の土地を出して四マナから大物《ウラブラスク》を召喚。

「君の衝動的ドローには相性悪いんで《黙示録、シェオルドレッド》はサイドインで、法務官対決は辞退させていただきました!」

六ターン目Jun、《ファイレクシアの抹消者》でアタック、ペナルティがあるため当然《ウラブラスク》ではブロックせず、Sho残りライフ9。

続いて《ヴェールのリリアナ》を再度召喚、−2能力で《ウラブラスク》を除去。

ターンもらってSho、《僧院の速槍》を召喚の後、《静電気の放電》、さらに《稲妻の一撃》、パワー修正された速槍が速攻で殴ってJunのライフを13から4まで九点も削り取る爆発的な奇襲。

これでJun、次ターンに火力呪文二枚も撃ち込まれて仕舞えば敗北。

七ターン目Jun、《ファイレクシアの抹消者》でアタック、Shoは土地からマナを引き出す際のダメージが蓄積しており残りライフ1。

さらにリリアナの+1能力起動、双方手札を捨て、Junの手札は四枚、Shoはプレイヤーに撃てない火力の《絞殺》を捨てて手札一枚。

そして戦場の《僧院の速槍》へ《一巻の終わり》を唱えて追放、この効果で墓地と手札とライブラリーから同名カードを探して追放できるのだが、その手順をうっかり飛ばしてしまう。

ターンもらってSho、先ほどの手札に保持していた《稲妻の一撃》をJunに撃ち込み残りライフ1対1、今引きは有効な一枚ではなさそうなのだが《焦熱島嶼域》を生贄に捧げて一枚ドロー、Junは火力が引かれないように祈るのみ。

長い沈黙、Junは焦れている、Shoは動かない、それが競り勝った勝利への歓喜のためなのか、はたまた接戦を征しきれなかった深い悲しみのためなのか、その沈黙がJunにはたまらなく長い。

そして、かすかな声で短く

「クッソ…」

Shoが唱えた呪文は《火遊び》、Junに二点ダメージ、なのだがSho残り唯一だった土地からマナを引き出すのにライフ1点を失う!

手に汗握る白熱の激戦、勝ちをもぎ取ったのはJun。

【十一月二回戦第一試合】

先攻Sho、白黒二色土地から《魂の管理人》召喚、前回の試合後に飲みながら言っていた、対Jun黒赤に最有力の白黒トークンデッキを引っ提げて参戦。

後攻Jun、敢えて今週も赤黒デッキから変更せず、たった二枚挿しの《思考囲い》がShoの手札を直撃、《ポータブルホール》、《夢の巣のルールス》、《太陽冠のヘリオッド》を確認し、ヘリオッドを捨てさせる。

三ターン目Sho、引いて来た《苦花》をエンチャント、先ほどの手札に在ったならばヘリオッドより優先して捨てさせていたかもしれないが、後にしてみればやはりヘリオッドで良かった。

《苦花》は毎ターン1ライフ失って1/1の飛行クリーチャートークンを生成するが、《魂の管理人》はクリーチャーが場に出ると1ライフ得られるので、このシナジーにより毎ターン飛行クリーチャーがリスクなしに得られる強固な場が整う。

しかしJun、《ヴェールのリリアナ》、《鏡割りの寓話》、《ファイレクシアの抹消者》、今引きの《鏡に願いを》経由で《不笑のソリン》と立て続けに展開する理想形を披露。

対するShoは白黒デッキお得意の万能パーマネント除去が引けない、さらにライフ回復シナジーに絶大な効果を有する《太陽冠のヘリオッド》や《祝福されし者の声》なども引けない。

フィニッシュは《ファイレクシアの抹消者》を《キキジキの鏡像》でコピーした後、《鏡に願いを》経由で撃ち込んだ《衰滅》で、Shoが大量に展開したトークン群を一掃し殴り勝ち。

【十一月二回戦第二試合】

序盤はJunが土地を出すのみ。

Sho、四ターン目には《魂の管理人》、《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》、《アジャニの歓迎》、《苦花》と堅実な盤面を構築、これらのシナジーで毎ターン2ライフ回復しながら飛行クリーチャーが一体ずつ生成される。

ようやくJunが英雄譚《鏡割りの寓話》を唱え、翌ターンには手札から捨てた《台所のインプ》をマッドネスコストで召喚、エラスに除去を撃ち込むなど遅れを取り戻そうとしていく。

六ターン目、Shoの総攻撃に焦れたJun、虎の子である《一巻の終わり》を《魂の管理人》に撃ち込む、どうせならもっと早くすべきだったが一枚挿しであるためShoの主要クリーチャーに使いたい所だった。

副次的な効果で、Shoは手札にクリーチャー除去を温存していることが分かったので、Junは豊富な宝物トークンにより《鏡に願いを》経由でプレインズウォーカー《不笑のソリン》、同様にして《ヴェールのリリアナ》とダブル召喚。

そこから二ターンほど後、Shoはライフ回復シナジーを頼みに防御無用の大胆な戦闘を仕掛けており、またJun側は《不笑のソリン》から生成された絆魂トークンでライフ減を立て直しており、Sho残りライフ6対Jun残りライフ16。

現在Shoの展開は《アジャニの歓迎》二枚、《苦花》二枚で2ライフ得ながら飛行トークン2体が生成される勝利秒読みの盤面、1/1とは言え飛行トークンが毎ターン二つと言うのは決定的である。

ここからは長引くほどにSho有利、だがJun《危難の道》で戦場のクリーチャーを一掃してからトップデッキ《黙示録、シェオルドレッド》満を持して召喚。

ターンもらってSho、トークン一体目生成でライフロス一点、《アジャニの歓迎》で回復二点、トークン二体目生成でライフロス一点、《アジャニの歓迎》で回復二点、その後ドローで《黙示録、シェオルドレッド》の能力が誘発しライフロス二点、ライフは目まぐるしく変動したがプラスマイナスゼロで残り4。

ここでShoもトップデッキ、《祝福されし者の声》召喚、ライフ1×2回復し誘発して《祝福されし者の声》に+1カウンターが二つ乗り4/4に。

召喚する際に土地からダメージもらって、Sho残りライフ5。

ターンもらってJun、後が無いので動く、《ヴェールのリリアナ》の-2能力起動でShoは飛行トークン一体を生け贄に捧げる、さらに《目玉の暴君の住処》をクリーチャー化して《黙示録、シェオルドレッド》と共に攻撃。

防御Sho側は残りライフ5、1/1飛行トークン一体、4/4《祝福されし者の声》。

攻撃Jun側は残りライフ19、4/5接死のシェオルドレッド、3/3威迫の目玉の暴君。

このターンを生存するためにShoは、二体のクリーチャーで接死クリーチャーと相討ちせざるを得ず、暴君の三点を受けて残りライフ2。

ターンもらってSho、《苦花》から飛行トークン二体、ライフ回復して残り4、ドローは土地、それを戦場に出してエンド。

ターンもらってJun、《ヴェールのリリアナ》の-2能力起動でShoは飛行トークン一体を生け贄に捧げる、さらに手札からリリアナを召喚し同様の動きでShoはブロッカー不在、そこをクリーチャー化した目玉の暴君が攻撃して三点、Sho残りライフ1。

ターンもらってSho、《苦花》のトークン生成にライフが自動で1支払われて試合終了。

ULS史上二番目に長い、泥沼の十八分間をJunのコントロールデッキが終始押し切った。

三ヶ月ぶりの勝利、三ヶ月ぶりの敗北。

俺は平静を装ったが、Shoの落胆はひときわだった。

内心笑いが止まらなかったが、気の毒なのでしないでおいた。

今月のUncommonガール

【2023秋号】糞Jun 今月のHustleデッキ#003【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 やぁ、みんな!Hustleおじさんさ、ハハッ!エルドレインの森、楽しんでるかい?アレはもうMtGの多元宇宙じゃなくて、ディ◯ズニーユニバースビヨンドって感じがするよね。穴イキ?みたいなのとか居るよね。この仮説を検証しようと例の男を探してみたんだけど、早速見つかったよ。コイツだ。

 じわじわネズミが増えていくコントロール志向とも、軽快に殴っていくビートダウン志向とも合いそうな、器用なネズミだね。コイツはティボルトみたいに、いずれはプレインズウォーカーとして目覚めそうな気がしないでもないんだが、『彼は地上から二足歩行生物どもを一掃し、げっ歯類の帝国へと作り変えるという恐るべき野望を抱いていた』って背景がまさにウォルチズムに溢れているよな。

 さて、本題に入ろう。Uncommon Low Skirmishにおいて、カカシことShoの「カカシが戦ってるわけじゃねえからな」(記事未収録)の発言通り、Junは苦戦を強いられている。現状で二連敗、十月で勝てなければ勝敗の差が絶望的になってしまう。そんなわけで、不本意ながら今月はカカシ・ジジイことShoが作ったデッキを(いつもより書く気はノらないものの)紹介しよう。

デッキ名『アンクル・リファイアー』

 再解雇を名に冠する通り、ジジイ不在のこのデッキは七月にお披露目だった。この対戦では、双方が五月のデッキのリニューアル版を持ち込んでHustleしたという点が非常に劇的だったという事を思い出してほしいね。Jun側は『完成化されたSho』をぶつけた回だ。

 まずは1マナクリーチャーとしてこのデッキの顔とも言える《敬慕される腐敗僧》から紹介しよう。あなたがコントロールしているクリーチャー1体が呪文の対象になるたびに対戦相手に毒カウンターを与えるという、自身の毒性1がオマケにしか見えないような飛び道具を持っている。対象は腐敗僧以外であっても有効なのが強烈だ。コイツとのお供で採用されているオーラが《屍気の拝領》。毒性2を付与しつつ、エンチャントされているクリーチャーが死亡した際に戦場に戻すことができるから、対戦相手としてはうんざりだよな。《腐敗僧》に《拝領》をエンチャントする際にも対象に取るから毒カウンターが飛んでいくんだよね。

 今、見返してたけど、Shoの『アンクル・リファイアー』って他の小粒な毒性持ちクリーチャーが軒並み微妙なんだよね、デッキが強くなりすぎるからこれで良いのではあるけど。《伝染させる吸血者》、《頭蓋穿ちの虻》ここら辺は毒性1の飛行持ちでちょっとした生き物って感じだ。しかしそんな中でも、《ファイレクシア病の甲虫》は攻撃が通ると全領域にいるすべての昆虫クリーチャーが毒性1を永久に得るから、ちょっとでも油断すると猛毒クリーチャーがほんの数回殴っただけでゲームを終了させてしまいかねない、危険なヤツだ。Shoはコイツの攻撃を通し続けるために、ブロッカーを毎ターン除去し続けていったんだよな。

 Shoが採用した除去呪文は《シェオルドレッドの勅令》!これは布告系除去と言われている呪文で対象を取らないため、護法持ちクリーチャーに対して有効だ。以前敵対した《策謀の予見者、ラフィーン》が持っていた護法が余程イヤだったんだろうな。他には《胆液まみれ》も確認したぞ。−4という中々の修正値を誇り、毒デッキにうってつけの増殖付きだから、採用しない手は無いよな。不愉快ながらこのデッキの笑える所は、自分がコントロールしている《敬慕される腐敗僧》に向けてこの《胆液まみれ》を撃ち込んでしまっても、対戦相手が毒カウンターを得ることになるって飛び道具がある点がHustle極まりないね。軽減できない毒カウンター一個で致命傷ってタイミングで最後の一押しを食らうと悔しいよな!

 ではそろそろ、このデッキ『アンクル・リファイアー』の恐るべきHustleギミックを紹介しよう。ここに《強引な養成者》という緑の4マナクリーチャーがいる。コイツは手札に土地カードが無いなら2マナで唱えることが可能だから、早々と戦場に召喚した次のターンで《新生化》を撃ち込むと5マナクリーチャーが戦場に出てくるという訳。デッキ内の5マナクリーチャーは唯一、《荒廃のドラゴン、スキジリクス》だけなので速攻を付与された毒性5相当の空中アタックはゲームエンド級の強烈さだ!

 じゃ、他人のデッキ紹介はこれくらいにしておこう。もしかしたらデッキオーナーのShoがもっともっと魅力盛りだくさんにして構築してあって、俺が紹介し切れて無かったかもなんて事もあるかもな!さっさと勝負が決まりかねないこのデッキは、俺の嫌いなデッキの一つだったぜ。さて、そんな事を言っているうちに、今月つまり十月の俺のデッキも完成したんだ。紆余曲折、またしても十通り位の試作の末に、原型とは全く異なるデッキに仕上がって嬉しいよ。今日この後の第一回戦が楽しみだよ(10/7執筆)!

デッキリストはShoのものであるため割愛。

【2023秋号】第七回戦 希望  Uncommon Low Skirmish -珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

三週間の激闘から、半月が経った。

争乱から離れた半月だったが、準備は着実に行っていた。

この日も錦糸町、82エールハウスで15時開店の時間キッカリに二人は落ち合った。

今月からShoの提案で、先攻後攻は前回の敗者が選択し、じゃんけんで決めることは廃止となった。

よって、先月敗者のJunが先攻を取った。

【十月一回戦第一試合】

Jun、配られた手札には土地が五枚で過飽和のためマリガン、さらに次の手札には土地が無い、絶望のダブルマリガン、初期手札五枚で開始、これにはShoニンマリだったに違いない、島を場に出してエンド。

ゲーム中盤に差し掛かり、Shoは《スクレルヴの巣》に続いて《太陽冠のヘリオッド》を早々に展開、パワーカードを難なく出していく。

Junは《帳簿裂き》と《瞬唱の魔道士》の合計3クロックの打点でコツコツとダメージを稼ぐ。

ここでSho《アジャニの歓迎》をエンチャントして即《祝福されし者の声》を召喚、これで白の信心が五となり《太陽冠のヘリオッド》がクリーチャー化。

しかし対応してJun、二体目の《瞬唱の魔道士》を召喚、さらにフラッシュバックで《消えゆく希望》を《祝福されし者の声》に唱えて手札に戻す、これにより白の信心が減少したため《太陽冠のヘリオッド》はクリーチャーからエンチャントに戻ってしまう。

《スクレルヴの巣》が毎ターン生み出すダニトークンはブロック制限があるため、Junのクリーチャー三体からの攻撃素通り状態が続き、Sho残りライフ2。

さらにエンチャントされた《執着的探訪》の効果でJunが手札に引き込んだ一枚が、打ち消し呪文の《かき消し》で、先ほど手札に戻されたShoの《祝福されし者の声》がもう一度召喚さそうになるものの、これを打ち消して押し切ることに成功。

【十月一回戦第二試合】

先攻Sho、双方マリガンから開始するが、序盤はShoがJunのクリーチャーを丁寧に除去していく。

Shoがエンチャントした《スクレルブの巣》から生まれるダニトークンを追加コストに捧げることにより、《忘却の儀式》をほとんどデメリット無しの万能除去として運用することに成功している。

《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》はダニトークン生成に必要な1ライフを帳消しにしてくれるShoのデッキタイプに合致したシステムクリーチャーだったが、これはJun《瞬唱の魔道士》からフラッシュバックした《消えゆく希望》で手札へバウンス。

ターン貰ってJun、《瞬唱の魔道士》に《執着的探訪》をエンチャントしてアタック、ダニたちはブロックできないため素通りでワン・ドロー、この時点でShoライフ9対Junライフ17。

ターン貰ってSho、フラッシュバックコストで再び《忘却の儀式》を唱え《瞬唱の魔道士》をも除去しようと試みるも、応じてJunは《送還》を唱えて手札へと救出、さらにこれをShoのターンエンドに素出しして臨戦態勢を整える。

ターン貰ってJun、《瞬唱の魔道士》でアタックしてエンド、手札三枚を構えて動かず、Shoライフ6対Junライフ14。

ターン貰ってSho、手札に戻された《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》を召喚、さらに二枚目の《忘却の儀式》を《瞬唱の魔道士》へ撃ち込んで追放を試みる、これに応じてJun《ゼロ除算》を唱えて《瞬唱の魔道士》を自身の手札へ再度救出、サイドボードから履修する講義カードは《謹慎補講》を選択。

このターン、Shoがダニ二体で攻撃を仕掛けてJunが気付く、ダニトークンが絆魂を持っているのだ。

これは《スクレルブの巣》の効果で対戦相手が毒カウンターを三個以上持っている時に付与されるものであり、最後のライフレースの詰めをしている現状では非常に苦しい。

Sho残りライフ5、Jun残りライフ11だが毒カウンター6。

ターン貰ってJun、土地を出して何もせず、手札四枚構えてエンド。

Sho、戦場に《苦花》をエンチャントの後、ダニ二体でアタック。

これを通してしまうとライフ回復が誘発して最後に削りきれなってしまうので、Jun《瞬唱の魔道士》を召喚し誘発したフラッシュバックの《ゼロ除算》を唱えて《スクレルヴの巣》をShoの手札へとバウンス。

攻撃は通してJun残りライフ9で毒カウンター8、Sho残りライフ4。

ターン貰ってJunに勝利の女神が微笑んだ、トップデッキ《執着的探訪》を《瞬唱の魔道士》にエンチャント、唯一のブロッカー《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》は《謹慎補講》で一時的に無力化してアタック。

Sho残りライフ1。

「グッドゲーム」思わずJunがエモートを送信。

《迫撃鞘》を召喚、即細菌トークンを生贄に捧げてShoに1点ダメージ、ゲームエンド。

対応力の高いカードを引き込んで状況に応じて使いこなす事ができたJunが、デッキぶん回り勝負を制した。

Shoのデッキもパワーカード揃いだったが、自在な対応力が光ったJunの引きの前には崩れた。

ブロッカー不在の状況が向かい風で、相性の悪さに苦戦したと思われる。

【十月二回戦第一試合】

前回敗北のShoが先攻を選択、案の定イゼット・ウィザードを持参していた。

せめてJunはクリーチャー除去を搭載したデッキで当たりに行きたかったが、除去呪文八枚挿しの白赤緑で参戦、九月にはこれで敗北している。

最終的には戦場に

Sho、《対称の賢者》、《戦闘魔道士の隊長、バルモア》、《損魂魔道士》、《ドラゴンの怒りの媒介者》

Jun、《執拗な仔狼》、《不吉な首領、トヴォラー》

クリーチャー出し損のJun、ことごとく除去された結果である。

手札に二枚の除去呪文を抱えて敗北。

【十月二回戦第二試合】

《対称の賢者》に《無謀なる突撃》のコンビネーションであっという間に、ShoがJunのライフを10点ももぎ取る。

展開する狼はことごとく除去されてJunを護るクリーチャーの無いままゲームエンド。

思い出すのも不愉快な試合だった。

【十月三回戦第一試合】

二回戦はSho必殺のイゼット・ウィザードをタダ勝ちさせたような形になったが、いよいよこの日に雌雄が決する。

Junが先攻を選択、島から《秘密を掘り下げる者》、青単クロックパーミッション。

「うげぇ、それ使ってくんのかよ」トラウマ気味のShoが露骨にイヤな顔をした。

緑黒二色土地をアンタップイン、《敬慕される腐敗僧》、接死毒デッキ。

ターンもらってJun、デッキトップはインスタント・ソーサリーではなく《秘密を掘り下げる者》は変身せず、平地から《復讐に燃えた犠牲者、ドロテア》を召喚、4/4飛行が二ターン目は早い。

Sho、《牙持ち、フィン》を召喚。

序盤から双方ノーガードの殴り合いといった様相。

攻撃後生贄に捧げられた《ドロテア》がオーラと化して殴る。

Sho残りライフ11、Jun残りライフ18で毒カウンター四。

《牙持ち、フィン》に《屍気の拝領》がエンチャントされ、毒カウンター五の即死級ワンパンチを《瞬唱の魔道士》を瞬速で召喚してチャンプブロック、《腐敗僧》の攻撃は通ってJun毒カウンター六。

Shoのクリーチャー三体を、Junは《ドロテア》をエンチャントしたデルバーこと《秘密を掘り下げる者》一体では捌けず、妨害呪文も無いまま投了。

【十月三回戦第二試合】

Jun、先攻選択、白青二色土地をアンタップイン。

ターンもらってSho、《多汁質の頭蓋住まい》召喚。

ターンもらってJun、平地を出してエンド、構える。

《消えゆく希望》と《瞬唱の魔道士》を波状に繰り出し、Shoのクリーチャーを都度手札に戻す妨害戦術が効果的に決まっている。

《執着的探訪》をオーラにまとった《瞬唱の魔道士》が攻撃、《消えゆく希望》でブロッカーをバウンスしてドローにつながる。

ターンもらってSho、四枚目の土地を出し《グリッサ・サンスレイヤー》、《多汁質の頭蓋住まい》それぞれ召喚してターン・エンド。

ここでJun長考、実に二分弱、しかし予定通りと言った風に《帳簿裂き》を召喚してから《消えゆく希望》を《グリッサ》に打ち込んで再度バウンス、飛ばない《魔道士》で突撃し接死持ちの《頭蓋住まい》と相討ち。

ターンもらってSho、クリーチャー二体《フィン》と《腐り腹のネズミ》を召喚、待ってましたとばかりに《帳簿裂き》の謀議が誘発して3/5。

ターンもらってJun、《帳簿裂き》のアタックは飛行で通り、Sho残りライフ9に対し、Jun残りライフ13かつ毒カウンター無し。

ターンもらってSho、二体でアタック、応じてJun、《瞬唱の魔道士》を場に出して《消えゆく希望》をフラッシュバック、《フィン》が手札に戻され《ネズミ》の攻撃は通す、誘発した謀議はShoの土地が全て立っているため警戒して土地を捨てる。

第二メインでSho、《牙持ち、フィン》を召喚してから《チーム結成》を唱える、これで再度謀議。

Jun『グッドゲーム』のエモート、返しのターンで謀議で捨てた《ドロテア》を《帳簿裂き》にエンチャントしてアタック、ペインランドで失われた残りライフ8を丁度削り切った。

【十月三回戦第三試合】

Shoは《敬慕される腐敗僧》を二体連続で展開、その後はJunの召喚するクリーチャーをことごとく《胆液まみれ》で除去し、土地が二枚しか立っていないにもかかわらず四分弱五ターンで毒殺に成功。

Junは頼みの綱であるバウンス《消えゆく希望》も《瞬唱の魔道士》も不在であっけなく陥落、文字通り希望は消えた。

もう十分だ、来月のデッキを構築しよう。

現在Junが三ヶ月連続で敗北中である。

【2023秋号】第六回戦 鬼謀 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

8/12に決した前回の戦いから、丸三週間が空いた。

その間に何をしていたのか記憶が定かでないのは忙殺されていたからか。

一回戦は駒込駅前の広場で幕を開けた。

コンビニの缶ビールで乾杯し、一口飲むなり対戦の準備を始める。

今月のUncommonガール

【九月一回戦第一試合】

先攻Jun、手札には土地が豊富で赤緑二色土地をアンタップインし《執拗な仔狼》。

Shoは渋い顔だが、青赤の二色土地をアンタップインし《対称の賢者》。

「チッ、イゼットウィザードか」

「ずっと組みたいと思ってたデッキだったんや」

これで、四月にShoが持ち込んだイゼットジジィこと『アンクルファイアー』はデッキとしても解雇がほぼ決定した(最終戦では同色デッキの使用を禁じているため)。

Jun《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》を召喚、《仔狼》の強化をパワーカードに手渡してエンド。

Sho《損魂魔道士》を召喚してエンド。

Jun3/3の《ラヒルダ》で攻撃するも、Shoが手札から《火遊び》を放つ。

見落としていた《損魂魔道士》の効果により、2点のダメージが−1カウンター二つに置換され、《ラヒルダ》は1/1サイズになってしまう。

さらに、《対称の賢者》は3/3にサイズアップして《ラヒルダ》を迎撃。

これ以降、運悪くJunは土地以外のカードを引き込むことができず、Shoはクリーチャーを毎ターン展開し続け六分かからず快勝。

【九月一回戦第二試合】

先攻Jun、手札に土地が一枚でマリガン、その後もクリーチャーは《結ばれた者、ハラナとアレイナ》一体しかないのだがやむなくマリガンせず。

Sho《対称の賢者》、《戦慄衆の秘儀術師》の相互作用で速攻ビートダウン。

土地四枚から《静電気の放電》を《結ばれた者》に打ち込んで排除、唱えられた呪文に誘発した《対称の賢者》の能力で《秘儀術師》が3/3にサイズアップ、Sho《魔術師の稲妻》を唱えJun本体に3点、唱えられた呪文で再度誘発した《対称の賢者》の能力で今度は自身を3/3にサイズアップ、二体の攻撃から《秘儀術師》の能力が誘発し墓地の《静電気の放電》が唱えられJunに4点、攻撃が素通りして6点、合計13点を一挙に奪ってゲーム終了。

Jun、《ドゥームスカール》による全体除去をなぜか渋って墓穴を掘る形。

五分かからずShoの快勝。これで二連覇に王手。

【九月二回戦第一試合】

後攻Junの手札が最上の揃い具合。

青黒二色の土地三枚、一ターン目《よろめく怪異》、Shoの二ターン目終わり際に《命取りの論争》、三ターン目に二つの宝物トークンも使用して《碑出告と開璃》を召喚。

だがここで肝心のキーカード《爆発的特異性》までもは二枚挿しのため引き込む事は出来ず、《オークの弓遣い》が三枚全部引き込めたのはせめてもの救いか。

この間Shoは《対称の賢者》、《損魂魔導士》、《戦慄衆の秘儀術師》と展開。

《魔術士の稲妻》を《碑出告と開璃》に打ち込むと−1カウンター三つ分として置かれ、果敢持ちの《損魂魔導士》は2/3、《秘儀術師》は《対称の賢者》の魔技の誘発で3/3に。

続いて《導師の導き》はドローがコピーされ、誘発された魔技は《損魂魔導士》を対象に取りコピーされた分の果敢も含めて5/4、コピーされた魔技は最後に《対称の賢者》を対象にして3/3。

これら三体のクリーチャーで総攻撃、《戦慄衆の秘儀術師》の能力が誘発して《魔術士の稲妻》が再度《碑出告と開璃》に撃ち込まれて撃墜。

3/3、6/5、3/3により12点ダメージを与えてJunは一発で残りライフ8。

細々と書いたが、双方三ターンでブン回りしたものの、Junの引きが一歩及ばず窮地。

Sho土地三つ、クリーチャー三体、手札三枚、ライフ20。

Jun土地三つ、クリーチャーなし、手札ドローして八枚、ライフ8。

この劣勢を覆せず、《無謀なる突進》で強化された二体のクリーチャーたちの攻撃で敗北。

遂にSho二連覇にチェックメイト。

【九月二回戦第二試合】

Jun先攻、しばし沈黙の後に初手でゴーを決心したShoへ《コジレックの審問》、これによりSho手札に唯一のクリーチャー《戦闘魔道士の隊長、バルモア》を落とされてしまう。

Shoは四ターン目までクリーチャーを引き込むことができない。

その間Junは、《真っ白》による二枚ハンデス、《よろめく怪異》、Shoのキャノピーランド起動に対応した《オークの弓使い》と展開し盤面を固める。

雌雄を決した瞬間は、Shoが《ドラゴンの怒りの媒介者》に加えて《バルモア》を召喚した後に《魔術師の稲妻》をJunに撃ち込んだ返しのターン。

Jun土地五枚フルタップにして渾身の《絶望招来》、Sho手札一枚でライフ7、Jun手札四枚でライフ12。

Junのクリーチャー二体に対し、どちらでも止められるように立っているShoの《バルモア》に向けて、Jun《しつこい負け犬》を奇襲コストで召喚して三体でアタックが最後の一撃であった。

【九月二回戦第三試合】

先攻Sho、Junはマリガンでこれだけでも幸先が悪い。

三ターン目、Shoの盤面には《損魂魔道士》二体と《対称の賢者》、Junは先ターンに《命取りの論争》で追加コストに《よろめく怪異》を生け贄に捧げたため宝物トークン二つのみ。

四ターン目にShoが総攻撃を仕掛ける、《よろめく怪異》に《絞殺》を撃ち込むと魔技が誘発して《対称の賢者》が3/3、さらに《損魂魔道士》の果敢が誘発し二体とも2/3に、そして極め付けのJun本体への《魔術師の稲妻》二連発により魔技二回と果敢二回が誘発、最終的にライフ12のJunに向かって6/5、6/5、3/3のクリーチャーがアタック。

しかしながら豊富な宝物トークンの内から一つを使用し、Jun《オークの弓使い》を瞬速で召喚、二体の《損魂魔道士》をオークトークンと共にチャンプブロックで凌ぐ、ライフはSho17対Jun9。

ターンもらってJun、ここぞとばかりに《ギックスの命令》を唱える、Shoのクリーチャーたちは一掃され、墓地から二体のクリーチャーが手札に収まる。

Shoはその後《レンの決意》で引き込んだ三枚目の《損魂魔道士》や《戦闘魔道士の隊長、バルモア》二体、それぞれ《絶望招来》、《ヴェールのリリアナ》の−2能力、《ギックスの命令》などにより次々に捌かれロック状態から抜け出せない。

最後は《ファイレクシアの抹消者》が殴ってグッドゲーム。

展開が噛み合ったことに助けられ、Jun辛くもShoの連勝を食い止めた。

【九月三回戦第一試合】

先攻Sho、マリガンして青赤の二色土地をアンタップイン、《損魂魔道士》を召喚。

今月は余程の自信があるのか、一貫してイゼット・ウィザードを使っている。

後攻Jun、赤緑の占術土地をタップイン。

今月は白赤緑→青黒→赤緑の流れで現状最強のデッキへと繋げるということを二ヶ月前から画策していたのだった。

Sho《戦慄衆の秘技術師》、ターン貰ってJun《辺境地の罠外し》。

これを除去したいShoは三ターン目《棘平原の危険》を《罠外し》に撃って1点ダメージ、さらに《秘儀術師》の攻撃に際して能力が誘発、再度《棘平原の危険》が撃ち込まれ《罠外し》死亡。

ターン貰ってJun《不吉な首領、トヴォラー》を召喚するも、次ターンに《静電気の放電》が撃ち込まれ《トヴォラー》死亡。

さらに《無謀なる突撃》を《秘儀術師》に唱えることにより、《静電気の放電》を墓地から唱え直す条件が満たされる、《損魂魔道士》と《戦慄衆の秘技術師》が4/5と4/3になってアタック、誘発した能力による《静電気の放電》はJunへと撃ち込まれ残りライフ3、投了して終了。

【九月三回戦第二試合】

Shoが三体展開したクリーチャーたちを、Junの《ナヒリの怒り》が一掃するものの、この時点で残りライフ8。

Sho《対称の賢者》の召喚に成功し《無謀なる突撃》で《賢者》に速攻を付与、さらに魔技が誘発し6/3で攻撃、第二メインで《魔術師の稲妻》をJunに撃ち込んで終了。

鬼謀は潰えた。

Jun二連敗、今月はShoのイゼット・ウィザード連打にやられてしまった。

レシピのあるデッキに負けるのは非常な不愉快で、さらなる連敗を止めたいJunは、次月のデッキ構成を大幅に変更することを決めた。

歪んだ三位一体の汚名挽回だ。

ちなみに、Shoのイゼット・ウィザードは『イゼット・ウィザード』という名らしい。

『アンクル・』なんちゃらじゃねーのかよ、ダメだろもう(笑)

今月のUncommonガール

【2023秋号】糞Jun 今月のHustleデッキ #002【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 ただクリーチャーで殴るのが気に食わないから、手札を破壊したくなる。相手の呪文を打ち消したくなる。それを一緒にしたくなる。だから、青黒デッキには夢がある!まぁ、相手からすれば悪夢かもしれないな。そんなわけで、前回紹介した赤緑人狼コントロールの翌月は、青黒ディミーアカラーのデッキでULSのバトルに殴り込んだぜ。戦果はこちら側の敗北で、悪夢を見たのは俺の方だったんだけどね!

デッキ名『ディミーア・ハイブリッド』

 先ず黒い方から見ていこう。手札破壊の担当は序盤に強い《コジレックの審問》が4枚、1対2交換が可能で墓地対策まで付いて破格の《真っ白》これは2枚、以上だ。オイオイ《思考囲い》も4枚挿しHustleしろよって声が聞こえてきそうだけど、このデッキのキーコンセプトを盛り込むために泣く泣く枠を譲ってもらったんだ。ワイルドカード4枚使って交換してあるから、黒単デッキには絶対入れたいよ。

 さて、《思考囲い》の分まで働いてもらうのが《ヴェールのリリアナ》だ。プレインズウォーカーなのに3マナで召喚できちゃうんだから、おっそろしい女の子(?)だよね。+1能力で、相手も自分も手札を捨てる、これがメインの使い方。自分も手札を捨てるデメリットがあるんだけど、そんなの関係ねぇ!って気持ちでブッ放してるよ。−2能力の布告系除去は、単純に3マナの除去のオマケにパーマネントが付くって、こんなの認められ無いでしょレベルのパワーカード(体言止め)。

 そして−6能力が、対戦相手が展開したパーマネントをこちらが半々に分けて選ばせるというHustle極まりない奥義だ。3ターン目に順調に召喚できた《ヴェールのリリアナ》が無事ここまでゴール出来ると、大概は相手の手札がゼロで、土地が戦場に2〜3枚しか残らないことになるんだよね。この能力を起動して対戦相手のパーマネントを選別している時間って、めっちゃ気の毒で時間が過ぎるのをとても遅く感じるよ。ほら、視点を変えるのに慣れてるからさ!もちろん、砂時計一本分は時間をかけて選別してるからっていうのもあるケド。

 肝心の殴り役は、《ファイレクシアの抹消者》君に決めた!黒4マナのクアドラプルシンボルってのが尖っててHustleだけど、5/5トランプルの基本性能に加えて対戦相手がこのクリーチャー自身にダメージを与えちゃったらその点数の分だけパーマネントを生贄に捧げなければならないって、どんだけ優遇されちゃってるのよコイツ。俺はデッキ構築を細々考えるタイプなんだけど、ゲームの展開と回鍋肉は大味なのが好きです。他にはお馴染み《しつこい負け犬》。コイツは墓地から唱えてもそのターンだけは仕事が出来るから、《リリアナ》の能力で手札から捨ててしまってもあんまり罪悪感が無い、深夜に食べるおでんのこんにゃくみたいな存在だ。

 1マナ枠に《よろめく怪異》が4枚。殴り役では無いけれど、死亡時の誘発能力が−1/−1修正or宝物トークン1つ生成か選べて小回りが効くニクい奴だ。2ターン目に《命取りの論争》を唱えるコストに充てて宝物トークン合計2つから、3ターン目の《ファイレクシアの抹消者》召喚に上手く繋がれば理想だね。しかしながら、召喚したい本命クリーチャーは別にいるので後で紹介する事にしたい。

 それじゃあ、お次は青のカード紹介。なんだけど、青の枠は完全に打ち消しに割いている。3枚ずつ《かき消し》と《旋風のごとき否定》だ。《かき消し》は序盤に頼れる不確定カウンターで、呪文を唱えるために追加の2マナを要求し、支払えなければ打ち消すもの。《旋風のごとき否定》も不確定カウンターだが、要求するマナは4マナと増えており、スタック上の呪文や能力全てに対して支払いを要求する。ガンガンスタック上に誘発して行くヘリオッドカンパニーに対して打ち込みたいキャンセル呪文だね。ULSでは《リリアナ》の効果で打ち消し呪文をバンバン捨ててたから、ホントに黒単デッキみたいな動きだったけどな!

 このデッキの涙ぐましい努力の一旦は、切り詰めた土地を《ジュワー島の撹乱》1枚でやりくりしている点に確認できる。これは青の土地として戦場にタップインするか、2マナの不確定カウンターとして使用するか選べる柔軟性のある両面カードだ。柔軟性ゆえに支払い要求が1マナのみと最小限だから、お守り程度の1枚挿し。さらに別の土地兼用両面カードが《ゾフの消耗》、これはデッキに2枚。

 どうしてこの、6マナの4点ドレインを2枚採用したかの理由を紹介しよう。それが『ディミーア・ハイブリッド』のキーカード《碑出告と開璃》だ。このクリーチャーは、戦場に出た際にカードを3枚引いた上で手札の2枚を選んで山札の上に戻せる。そして、死亡した際に山札の一番上のカードを追放し、そのマナ総量に等しいライフを対戦相手から失わせ、さらにそのカードがインスタントかソーサリーならタダで唱えられるというもの。つまり《ゾフの消耗》を追放してやれば、マナ総量の6点+呪文の効果で4点で合計10点のライフロスを発生させつつ、自分は4点回復という高パフォーマンスを発揮するぞ。

 このムーヴを最大限に悪用するため、さらに2枚《爆発的特異性》を採用しているのがHustleの真髄だ!《爆発的特異性》は10マナの10点火力だから、Hustleラッキーが決まれば一発で20点致死量のダメージを叩き出せるぜ!この瞬間がたまらねぇんだ!(蒼天2)このデッキが『ディミーア・ハイブリッド』の名を冠しているのは手札破壊と打ち消しのみならず、このギミックを無理矢理組み込んであるからってワケ。

 全てはこのために、4枚挿したい《リリアナ》や《抹消者》を泣く泣く3枚に減らし、手札破壊や打ち消しも10枚以下の採用にせざるを得なかった。そしてULSの勝負に負けてマジ泣きするって言うね。俺はHustleに殉じるんだ!構築に悩んでプレイングは大味な糞Junと、試合中もうんうん唸って決断するShoとが対照的です。しかし、この青黒ディミーアカラーの強みはデッキ自体のポテンシャル以上に、この前後に使用可能になるデッキ展開との総合力で勝負しているという事に刮目していただきたい。(Shoに二本先取された八月の一回戦や激闘の九月の展開を参照)

 『今月の裏Hustle』このデッキは61枚目のカードを擁している。《否定の契約》だ。何と0マナで唱えられる打ち消し呪文で、格安メリットの代償に次のターンで5マナ支払えないとゲームに敗北してしまう。お守り程度に入れてはいるが、終盤のマストカウンターを土地フルタップの状態から奇襲的に無効化できるのはとても心強い。土地を引く確率が下がるのは《致命的御愛嬌》という事で。

デッキ

1 否定の契約 (AKR) 73

1 天上都市、大田原 (NEO) 271

4 コジレックの審問 (STA) 31

4 よろめく怪異 (HBG) 167

3 命取りの論争 (HBG) 150

1 ジュワー島の撹乱 (ZNR) 64

1 ストーム・ジャイアントの聖堂 (AFR) 257

3 かき消し (SNC) 49

3 旋風のごとき否定 (STA) 23

3 ヴェールのリリアナ (DMU) 97

3 しつこい負け犬 (SNC) 97

2 真っ白 (STX) 72

3 碑出告と開璃 (MOM) 228

3 ファイレクシアの抹消者 (ONE) 105

2 爆発的特異性 (NEO) 140

1 目玉の暴君の住処 (AFR) 258

1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 (NEO) 278

4 清水の小道 (ZNR) 260

4 闇滑りの岸 (ONE) 250

3 難破船の湿地 (MID) 267

3 マナの合流点 (JOU) 163

2 冠雪の沼 (KHM) 281

1 ボジューカの沼 (WWK) 132

2 ゾフの消耗 (ZNR) 132

3 オークの弓使い (LTR) 103

サイドボード

3 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61

1 絶望招来 (NEO) 101

2 巻き込み (SIR) 57

1 思考囲い (AKR) 127

2 不憫な悲哀の行進 (NEO) 111

1 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61

2 絶望招来 (NEO) 101

3 ギックスの命令 (BRO) 97

【2023秋号八月分】第五回戦 恐慌 Uncommon Low Skirmish -珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

熱狂の七月三回戦から二十一日が過ぎた。

それは、あまりに途方もない、次のSkirmishに十分すぎる時間だった。

その日、Junは業務で出張のため、錦糸町のいつものパブに十七時過ぎに集合した。

先に入店していたShoはこの日は暑いからとビールを、Junも同じ理由でシードルと黒ビールのハーフ&ハーフを買って着席。

【八月一回戦第一試合】

先攻Junは初手キープ、後攻Shoもキープ。

黒の両面土地から《よろめく怪異》、Shoもこのクリーチャーの厄介さを知っていた。

死亡誘発能力で、対象のクリーチャーに-1か、宝物トークンの生成かを選べるのだ。

ターンもらってSho、部族指定をクレリックにして土地を出し、《月皇の古参兵》召喚。

他クリーチャーの召喚で1点ライフ回復、死亡しても墓地から再度召喚し直せるという、こちらも厄介な一マナクリーチャーである。

Jun、三ターン目に《ヴェールのリリアナ》、四ターン目に《ファイレクシアの抹消者》とお手本の様な展開。

しかしながらShoも四ターン目の返し、《月皇の古参兵》が二体いる状態で《祝福されし者の声》を召喚、+1カウンターが2つ乗って4/4のパワー・タフネスとなっている。

さらに、Junの抹消者に《次元の撹乱》をエンチャントし、これを完全に無力化してしまう。

そのままJun、為す術なく敗北。

Shoは《太陽冠のヘリオッド》までも戦場に出していた。

これでも双方、デッキぶん回りの結果である。

【八月一回戦第二試合】

先攻Jun、《コジレックの審問》による手札破壊を初手から二ターン連続で決め、さらに《オークの弓使い》を三連打、《ファイレクシアの抹消者》も戦場に出すなど大攻勢。

しかしながら、Shoの《太陽冠のヘリオッド》により絆魂の支援を受けた《光明の幻影》がしぶとくライフ回復を繰り返し、逆転負け。

白単ヘリオッドの強烈さが光った。

二試合連続、デッキぶん回り。

そのどちらともJunが一歩及ばなかったという結果である。

【八月二回戦第一試合】

先攻Sho、平地セットから《魂の管理人》、《月皇の古参兵》、《太陽冠のヘリオッド》、《婚礼の発表》と毎ターン展開していく。

後攻Junは先月の赤緑デッキ、初期手札はビートダウンもコントロールも狙えるのだがクリーチャーを展開していく流れに判断(ここで土地破壊路線に舵を切っておくべきだった)、《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》から《無謀な嵐探し》と殴りつつ、《古えの遺恨》二枚を捨てて《ナヒリの怒り》を《魂の管理人》と人間トークンに撃ち込む(これも早計な判断だったと思われる)。

Shoはこの後、《スクレルヴの巣》や《セラの模範》などを召喚し、自陣にクリーチャーを呼び込むことで「ライフ回復→ヘリオッドの能力誘発」を計り+1/+1カウンターを増殖する盤面を強固にしていく。

Junは粘るのだが、Sho陣営にクリーチャートークンたちが大量生産され、十五分を越す長丁場を押し切られてしまう。

双方理想的な初期手札の様だったがJunの判断ミスで今月のULSにShoが王手をかけた。

【八月二回戦第二試合】

先攻Jun、《辺境地の罠外し》、《不吉な首領、トヴォラー》、《大いなる創造者、カーン》と毎ターン展開。

後攻Sho、《月皇の古参兵》、《スクレルヴの巣》、《祝福されし者の声》と展開。

ここはJun、《トヴォラー》で強気に殴りに行き、《祝福されし者の声》をチャンプブロックさせることに成功、《カーン》からは-2能力で《液鋼の塗膜》をサーチ。

ターンもらってSho、《次元の撹乱》を《カーン》にエンチャントすることで能力を封じる。

中盤に差し掛かった盤面は夜

Jun、《激情の罠破り》、二体の《執拗な仔狼》のうち二体目は強化されている、《液鋼の塗膜》、無力化された《大いなる創造者、カーン》はこのターンに二体目を召喚する事で交換されている。

Sho、《スクレルヴの巣》とそれにより生み出されたファイレクシアン・ダニトークンが四体、《月皇の古参兵》、《魂の管理人》。

双方手札は一枚ずつ。

ここでJunが仕掛ける、《液鋼の塗膜》で《スクレルヴの巣》をアーティファクトに変えて《激情の罠破り》が単独で攻撃、これにより《スクレルブの巣》は破壊される、《カーン》の能力で《ワームとぐろエンジン》を手札に。

Sho、この展開を打開できるカードを引き込めず、次第々々にリソースが尽きていく。

この試合は十五分弱となったが、Junが勝利。

【八月二回戦第三試合】

Jun、マリガンを忌避した反動で土地ばかりの逆事故、《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》以外にクリーチャー展開出来ず。

一方でShoは理想的な流れでどんどん盤面に布陣していく。

五分かからずShoの勝利。

「心の安定を早くに与えてくれてありがとう!」

とは勝者の言。

だが、Junの心も晴れていた、真正面からぶつかった、ならば結果はどうでも良いのだ。

次月のデッキは決まっているのだった。

【2023夏号】糞Jun 今月のHustleデッキ#01【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 みんなHustleしてるかい?糞Junだ。

 このコーナーでは、俺たちがMtGアリーナでバトルする『Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-』で活躍した各月のデッキを詳しく紹介していくぞ。

 食物連鎖の頂点に位置したと勘違いしがちな俺たち人類は、全般的に環境破壊を趣味の中心に据えて日々の生活を一喜一憂エンジョイライフしているよな!そんなわけで、俺は土地破壊を軸にしつつ優良クリーチャーで殴りに行く、ビートダウンとコントロールの良いとこ取りみたいな赤緑デッキを組んだ。七月の勝負では全週で一貫して使用して、Shoの最強デッキたちに辛くも勝利をおさめることができたのは記憶に新しいんじゃないだろうか。

 デッキ名『完成化されたSho』

 まずこのデッキに無くてはならないのはこれ、《液鋼の塗膜》だ。こいつはタップするだけで、パーマネントを何でもアーティファクトに変えてしまう2マナのアーティファクト。2ターン目に出して、3ターン目に《古えの遺恨》をアーティファクト化した対戦相手の土地に打ち込めば《石の雨》と同じムーヴが可能だ。さらに、4ターン目にもフラッシュバックで土地破壊ができるから、相手からすれば非常にイヤらしい展開だよな。

 この裏パターンとして、2ターン目に《辺境地の罠外し》を召喚するってやり方も見逃せない。返しのターンに対戦相手が何も動かなければ、3ターン目に戦場が夜になって《激情の罠破り》に変身!第一メインフェイズに《液鋼の塗膜》を出して即起動すれば、3/3が殴りに行くオマケでアーティファクト化されたパーマネントが破壊されていく。

 夜が昼になるためには、自分のターン中に2つ呪文を唱える必要があるから、序盤から土地が止まるともう手の施しようが無くなるのはULS七月二回戦第一試合で展開された通りだよな。実はこのデッキ、赤緑はクリーチャーの除去手段がダメージに頼りがちになるから、対戦相手の《ファイレクシアの抹消者》対策も兼ねてこの構成にしてあるのがHustleポイント高めと言えよう。

 ここでデッキ名の『完成化されたSho』に対応するプレインズウォーカーを紹介しよう。《大いなる創造者、カーン》だ。コイツは、+1能力でアーティファクトをクリーチャーに出来るんだが、その際のパワー/タフネスはそのアーティファクトのマナ総量に等しい。つまり、0マナの土地を《液鋼の塗膜》でアーティファクトにして、Shoことカーンの能力を起動すれば、毎ターン対戦相手の土地を破壊し続けることが出来るってわけ!野良試合でこれをかまされた時には戦慄したと同時に垂涎だったね、「俺も使うんだ!」ってさ。

 コイツの-2能力には、なんとサイドボードから好きなアーティファクトを手札に加えられるというものがあるので、メインに《液鋼の塗膜》3枚、サイドに1枚、さらに《大いなる創造者、カーン》をメインに4枚投入することで、キーカードの《液鋼の塗膜》を実質7枚体制で構成してあるぞ。さらに、メインクリーチャーは3マナ域までの軽量なのしかいないので、フィニッシャ―として《根導線の融合体》、《ワームとぐろエンジン》、《ファイレクシアの肉体喰らい》、《街並みの地ならし屋》、《瞬足光線の大隊》といったアーティファクトクリーチャーを各1枚ずつサイドボードに控えさせ、都度状況に応じて手札に持ってくることができるから、長期戦も視野に入れられてHustleだぜ。

 Shoに見立てたカーンを、俺の意のままに操って、対戦相手に土地破壊で嫌がらせしたりブン殴ったり、重量級パーマネントも簡単に除去したり・・・まさに槍対砲台だよな!

 それじゃあ、メインクリーチャーを見ていこう。種族は狼で5種類、どれも4枚差しだ。

 まずは唯一の1マナ枠、と言ったらもうだいたいコレしか無いかな、《執拗な仔狼》。後続のクリーチャーに+1/+1、トランプル、警戒を一挙に与えてしまう頼もしい、相手にとっては嫌らしいヤツだ。視点を変えるって重要だよな!環境問題とかね!

 後続の2マナクリーチャーには先ほども紹介した《辺境地の罠外し》。1マナと自身の生贄でアーティファクトかエンチャントを破壊できるのも、状況次第で即戦力だ。序盤から戦場が夜になるってことは、相手がパーミッションか事故ってでもない限りは難しいんだけど、手札初手の様子を見て3ターン目から積極的に土地破壊につなげたい。

 もう一体の2マナクリーチャー、強化するならこっちが本命だなってのが《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》!2/2先制攻撃持ちだが、攻撃が通れば対戦相手の山札からカードをランダムで一枚引っ張ってこられるのがHustle!夜になって変身すれば、パワー・タフネスこそ2/2のままながら、先制攻撃が二段攻撃になるから、引っ張ってこられるカード枚数も二枚になってHustle!Hustle!!《執拗な仔狼》から付与されるトランプルも、対戦相手へのダメージを通しやすくしてくれるから実に良い。得られたカードは、限定的とは言え実質的に自分の手札に加わるようなものだから戦術面に幅が出るし、プレンインズウォーカーを引っ張ってこられればスゴクイイゾ。ま、それがあるから、大抵は2ターン目に出てもその返しで除去されちゃうんだけどな!そのためにも四枚挿しって大事だね。

 さて、赤緑狼デッキで3マナと言ったら、これはもう《不吉な首領、トヴォラー》だよね。狼や狼男が対戦相手に戦闘ダメージを与えるたび、手札を一枚ずつドローできるって、やりすぎじゃね?3ターン目にコイツを召喚してから戦場に出ていた他の狼で強気な攻撃をすると、たいがいは相討ちを嫌って素通しさせてくれる事が多い。そして夜になれば、3/3から4/4にサイズアップしつつ、赤緑Xマナで対象の狼や狼男にターン終了時まで+X/+0の修正を与えると同時にトランプルを付与するから、攻撃が通りやすくなってドローにつながる。

 トヴォラーの能力で誘発するドローを活かしたハンドアドバンテージは《ナヒリの怒り》のコストを補填する事が出来るので、クリーチャー同士の殴り合いを打開するポテンシャルも秘めているね。《ナヒリの怒り》は3マナの火力呪文だけど、対象を一つ取るために手札を一枚捨てなければならず、その捨てたカードのマナ総量が与えるダメージになるから、対象を多くとるほどにダメージ量も上がっていく。ここで積極的に捨てていきたいのが、ダブついた《大いなる創造者、カーン》や伝説のクリーチャーたち、さらにフラッシュバックを持っている《古えの遺恨》だ。『衛星軌道からの核攻撃』を済ませた焼野原を人狼の群れが跋扈する様は、ULS七月二回戦第三試合の流れを決定付けたよな。

 そして、最後に紹介するのは《無謀な嵐探し》!自身のみならず後続のクリーチャーたちも速攻付与に加えてパワー修正、夜に変身していればトランプルまで与えてしまうHustleな相棒だ。身も蓋もない話すると、MtG Wikiで見かけて「これだ!」ってなったよね。それからはもう芋づる式に《執拗な仔狼》や《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》のシナジーも見つけちゃってね、前任のレア人狼たちを軒並み放牧しちゃったもんさ。飼っている動物を棄てるのは犯罪です!覚えておこうな。

 さて、この人狼デッキが円滑に展開できるためにはマナ基盤が重要だけど、このデッキで勝てないとULS三連敗しちゃうからレアのワイルドカードで二色土地いっぱい交換したよ。このデッキの影の主役はこのレア土地達だね(笑)

 Shoをして「未だに対策が練れてない」と言わしめた『完成化されたSho』をご紹介した。実はこのデッキの前段階として、完全ビートダウンの赤緑人狼デッキと、パーマネント破壊に特化した液鋼デッキがあったんだ。前者は《群れの希望、アーリン》や《結ばれた者、ハラナとアレイナ》で爆発力も持久力も備えていたんだけど、クリーチャー並べて殴るだけってのが個人的にHustleじゃないなと思って不採用。後者は5月に採用した初期バージョンで所々致命的な欠陥があったのを、7月に再調整したこのデッキで参戦したってわけ。結果的にデッキ三つ分くらいのワイルドカードを使う羽目になって手痛かったけど、良いとこ取りは出来たし勝負にも勝てたし、エルドレイン風に言えば《めでたしめでたし》かな。早くパック空けて《ネクロポーテンス》引き当てたいぜ!

それじゃあ、刻一刻と変わる環境の中でKeep hustle!It becomes night!

デッキ

4 指名手配の殺し屋、ラヒルダ (Y22) 42

3 液鋼の塗膜 (BRR) 28

4 大いなる創造者、カーン (WAR) 1

4 執拗な仔狼 (Y22) 56

4 辺境地の罠外し (MID) 190

3 冠雪の森 (KHM) 285

4 不吉な首領、トヴォラー (MID) 246

4 古えの遺恨 (ISD) 127

4 銅線の地溝 (ONE) 249

4 岩山被りの小道 (ZNR) 261

4 カープルーザンの森 (DMU) 250

2 落石の谷間 (MID) 266

1 根縛りの岩山 (XLN) 256

1 隠れた茂み (AKR) 330

1 踏み鳴らされる地 (RNA) 259

1 奔放の神殿 (THB) 244

3 タミヨウの保管 (NEO) 211

4 無謀な嵐探し (MID) 157

2 冠雪の山 (KHM) 283

3 ナヒリの怒り (SIR) 171

サイドボード

1 液鋼の塗膜 (BRR) 28

1 街並みの地ならし屋 (BRO) 233

1 ワームとぐろエンジン (BRR) 63

1 瞬足光線の大隊 (BRO) 165

1 影槍 (THB) 236

1 ファイレクシアの肉体喰らい (BRO) 121

1 根導線の融合体 (BRO) 203

【2023夏号】第四回戦 突貫 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

7/1

6/17に終えた闘いから、およそ半月と言う長い長い時間が過ぎた。

その日は、変則的に駒込に集合し、広場の椅子に座ってのデュエルである。

コンビニの缶ビールで乾杯。

今月のUncommonガール

【七月一回戦第一試合】

先攻はその日もShoだった、少年の日には思いもしなかったが、つくづくこのゲームは先攻有利だと思われる。

Junは一度マリガンするものの手札が弱い、Shoは二度目のマリガンをするか否か長考の末一度で決断。

黒緑の二色土地をアンタップインし、《ファイレクシア病の甲虫》を召喚、コイツは攻撃が通るほどにデッキ全体の毒性持ち昆虫の感染力が増加して行く。

Shoはまたも毒デッキである。

土地もクリーチャーも伸び悩むJun、Shoが展開する《ファイレクシア病の甲虫》二体と《バルターズゲートのクライドル》へ《ナヒリの怒り》を打ち込むがハンドアドバンテージは大きく損失。

Shoはその後もクリーチャーを引き込み、《グリッサ・サンスレイヤー》、《敬慕される腐敗僧》、《頭蓋穿ちの虻》と順調に召喚、虻は甲虫の能力により既に毒性3にまで増加されている。

これにJun、毒性無しのグリッサを除く二体に再度《ナヒリの怒り》を打ち込む。

しかしながら、その後もSho、立て続けに《頭蓋穿ちの虻》を二体召喚、飛行を持つ毒性3を止め切れずにJun敗北。

《バルターズゲートのクライドル》も《頭蓋穿ちの虻》も緑青のクリーチャーだ、Shoは黒緑青の三色毒デッキを組んで来ていた。

【七月一回戦第二試合】

Sho《頭蓋穿ちの虻》二体、Jun《嵐蓄積の斬鬼》《激情の罠破り》で双方ノーガードの殴り合い。

Junは赤緑の人狼デッキを持ち込んでいる、早くて重いクリーチャーを揃えてあるし、五月の赤緑デッキの不備は解消してある。

Shoライフ残り6、Jun毒カウンター五の状態。

Junからの二体をSho、《敬慕される腐敗僧》と一体の《頭蓋穿ちの虻》でチャンプブロック。

返すターンで《荒廃のドラゴン、スキジリクス》に速攻を付与して虻と共にアタック、一度に毒カウンターを五つ与えてShoが奇襲的勝利。

「『アンクル・リファイアー』ジジイ再失業って意味だ、《牙持ち、フィン》のジジイもいねえぜ。」

満を持して人狼部族で揃えたデッキが完敗を喫し、Junは苦々しい感情と同時に、自分自身はやり切ったのだと言う、憑き物でも落ちたかのような気分だった。

毒デッキはやはり下らないとも思っていたのだが。

「今月、まさか双方がリメイクデッキでぶつかるってのがウケるな」

勝者のSho、余裕の発言である。

【七月二回戦第一試合】

勝ち筋を見出したいJunと、この週で決着させたいSho。

いつもの錦糸町82エールハウスにて、ビールとハイボールで乾杯。

この日、Shoは間違いなく現在の手持ちで最強と言える、先週持参した『アンクル・リファイアー』こと黒緑青毒デッキで連勝を狙ってくるはずだった。

それに対抗できる手持ちはJunに何がある?

初戦の白青黒の三色デッキは三色の捻出に難があるのと、毒の速攻に追いつけないかもしれないと言う懸念があった…。

先攻Sho《敬慕される腐敗僧》、後攻Jun《執拗な仔狼》それぞれ召喚。

二ターン目Sho《バルターズゲートのクライドル》を召喚、腐敗僧でのアタックは仔狼でブロック。

「え、オイオイオイ」狼狽するSho、《バルターズゲートのクライドル》は攻撃クリーチャー一体がブロックされなくなると言う、毒デッキにとっては嬉しい能力を持っていたのだが、この能力に2マナ必要になっていたらしいのである。

滅多に無い事だが、野良試合と二人のバトルとで仕様が異なるという事が、あるにはある。

ターンもらってJun、《辺境地の罠外し》召喚、仔狼の効果で+1、警戒、トランプルカウンターが追加され、二ターン目に出るクリーチャーとしては過剰なスペックとなって場に出る。

三ターン目、Shoは土地を出し、クライドルの能力で2マナ支払って、腐敗僧の攻撃を通すが、残す土地一枚で出来ることは無かったのか呪文が唱えられる事なく、戦場は夜に。

ここからJunのギミックが始動、《液鋼の塗膜》を場に出し、Shoの土地《マナの合流点》をアーティファクトに指定、夜となり裏面に変身した《激情の罠破り》が攻撃し《マナの合流点》は破壊される。

五月の赤緑デッキにも搭載されていたギミックである、その時は最速でギミックが回転しても一歩及ばなかったが。

ターンもらってSho、手札から《マナの合流点》を出し、既存の土地二枚から《頭蓋穿ちの虻》を召喚、軽量クリーチャーで固めた速攻デッキの強みである。

だが、夜が明けるためには自分のターンで二つの呪文を唱える必要がある、土地を破壊してマナ基盤を拘束していくのは有効だった。

毒カウンターを十貯めさせるかその前に殴り切られるか、Shoのクリーチャーは軽量なのだがパワーが貧弱、一方で《激情の罠破り》は今や4/4、警戒、トランプル、攻撃するたびにアーティファクト破壊と言う、殴るも壊すも傍若無人のクリーチャーに仕上がっていた。

ここでJun、《深夜の災い魔、トヴォラー》を召喚して罠壊しでアタック、Sho側に立っている《マナの合流点》がアーティファクト化されてまたも破壊、さらにクライドルにチャンプブロックされたもののトランプルにより一点のダメージがSho本体に通ってトヴォラーの能力が誘発し一枚ドロー。

強固なロックが完成してしまった、トヴォラーは自陣に狼が三体居れば自動的に夜を迎えることが出来るので、Junが展開するクリーチャーは毎ターン軒並み強力な裏面に変身する事となる。

ターンもらってSho、森を出し《伝染させる吸血者》を召喚、飛行を持つ《頭蓋穿ちの虻》が攻撃し毒カウンターをJunに貯める。

ターンもらってJun、土地を出し《嵐蓄積の斬鬼》を召喚、能力により自身に速攻付与して5/4トランプルとなる、人狼三体でアタック。

Shoはトランプルを持たないトヴォラーを腐敗僧でチャンプブロックするも、応じてトヴォラーの能力起動、自身にトランプルを付与して、Shoに合計12点ダメージ、さらにJunの手札へ三枚ドロー。

この時点でSho残りライフ2で手札二枚、Jun残りライフ14と毒カウンター二つで手札六枚、土地はShoの二枚に対してJun五枚で差は歴然だった。

このままJun勝利。

【七月二回戦第二試合】

Sho先攻、《ファイレクシア病の甲虫》召喚。

このクリーチャーは攻撃が通るたびに、全領域の昆虫クリーチャーの毒性を増やして行くと言うものだ。

Junは土地を場に出して一ターン目を終えるが、以降召喚していく人狼たちはことごとくShoの除去呪文により破壊され続けて行く。

ブロッカーが居ないままに甲虫の攻撃が何度も通り、Shoの四ターン目には、毒性4になった甲虫に加え、《頭蓋穿ちの虻》も毒性4で召喚されてJun封殺。

Shoのデッキに対して有効に立ち回るためにどうすべきか示唆する貴重な資料となった。

つまり、先攻一ターン目に一マナクリーチャーを召喚しておかねばならないと言うことである。

【七月二回戦第三試合】

先週に続き、Shoのデッキの爆発力に苦戦必至のJun、慎重な展望で仕掛ける必要がある。

Jun先攻、土地を出して終わり。

Sho後攻、《敬慕される腐敗僧》召喚。

ターンもらってJun、《辺境地の罠外し》召喚。

ターンもらってSho、《シェオルドレッドの勅令》で罠外しを除去、腐敗僧アタックで毒カウンター付与。

三ターン目Jun、三枚目の土地を出し再度《辺境地の罠外し》を召喚。

ターンもらってSho、除去呪文は手持ちに無いのか《頭蓋穿ちの虻》召喚。

ターンもらってJun、ドローエンジンとなる《不吉な首領、トヴォラー》召喚、罠外し一体で強気のアタックがブロックされず一枚ドロー。

四ターン目Sho、《頭蓋穿ちの虻》二体目を召喚、さらに地上クリーチャーは最早不要と言わんばかりに腐敗僧を追加コストの生贄にして《新生化》を唱える。

これは生贄にささげたクリーチャーのマナコストより一つ大きなクリーチャーを探し、+1カウンターを置いた状態で戦場に出すという呪文だ。

場に出てきたのは、三枚目の《頭蓋穿ちの虻》、これらの攻撃が飛行によって素通りし続けるならば残り三ターンでJunの毒カウンターが十を超えてしまう。

ターンもらってJun、《ナヒリの怒り》をShoの虻三体を対象にして一斉除去、そのために消費した手札は合計四枚なのだが、続けて人狼二体でアタックしトヴォラーの能力により手札二枚を補填、結果的に二対三交換でJun側のアドバンテージ、いや《新生化》のコスト込みなら二対五交換か。

ターンもらってSho、トヴォラーを《胆液まみれ》で除去。

ターンもらってJun、他に何も無い戦場を《辺境地の罠外し》でアタック、呪文を唱えなかったため夜になる。

ターンもらってSho、《シェオルドレッドの勅令》で罠外しを除去、これにより夜の戦場に土地以外は何も無くなり、新たな局面に突入か。

ターンもらってJun《嵐蓄積の斬鬼》を召喚し、速攻付与でアタック。

この時点でSho残りライフ6で手札一枚、Jun残りライフ18と毒カウンター3で手札四枚。

ターンもらってSho、土地を出すのみでエンド。

ターンもらってJun、《残忍な無法者、ラヒルダ》を召喚、速攻を付与して二体でアタック。

先の読めない攻防が渾然としていたものの、最後の最後にはハンドアドバンテージを大きく保持したJunが危なげなく勝利した。

「君、今日の靴、洒落てるね。おろしたて?」

「ほ、君よく気付くね。こないだネットで安売りしてたからすぐさま買ったのよ」

Shoの足元は黒と赤の皮を組みわせた靴に包まれていた。

「デッキカラーの黒緑じゃなくて、黒赤を履いて来ちゃったから負けたのかぁ〜」

「君、どうせ来週もその毒デッキで来るんでしょ」

【七月三回戦第一試合】

新生赤緑デッキで何とか連敗を防いだJun、目論見としては最終の三回戦こそ同デッキで激突し雌雄を決する事になるはずだった。

先攻Sho、山から《僧院の速槍》で速攻アタック、六月の赤単で殴り込んできたのだ。

序盤は双方一ダメージずつの殴り合いから、Junの《大いなる創造者、カーン》に対し、Shoの《ウラブラスク》が睨み合うも、これはターンもらってJunがすぐに《液鋼の塗膜》から《古の遺恨》の万能除去で対処。

Sho負けじと《焦熱の交渉人、ヤヤ》から果敢持ちトークン一体生成、ターンもらってJun《根導線の融合体》召喚、これをターンもらってSho《静電気の放電》と《火遊び》で除去して果敢持ち二体から合計6点分のアタック。

体力差はSho14対Jun5、Sho側には《僧院の速槍》と《焦熱の交渉人、ヤヤ》が生成した果敢持ちトークン二体で合わせて三体。

瀕死のJunは《古の遺恨》を用いたギミックで《焦熱の交渉人、ヤヤ》を除去、さらに《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》と《辺境地の罠外し》を召喚しもとからの《執拗な仔狼》と合わせて三体のブロッカーを準備、そして《大いなる創造者、カーン》の忠誠度カウンターを使い切り《ファイレクシアの肉体喰らい》を手札に加えてターンエンド。

Shoは《僧院の速槍》とプレインズウォーカー《勝負服纏い、チャンドラ》を召喚、場に出ている果敢持ちクリーチャー四体がパワー2で総攻撃、Junは展開済みの三体中二体を潰されるも何とかブロックで凌ぐ、残りライフ2、《火遊び》一発でゲームが終わる。

ターンもらってJun、《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》は攻撃させずブロッカーとして立たせておき、カーンの能力で引っ張ってきた《ファイレクシアの肉体喰らい》を召喚してエンド、7/5絆魂持ち、一ターン何も起きなければ体力的には逆転できる。

Shoは《勝負服纏い、チャンドラ》の+1能力を起動し、ライブラリーの上を公開し呪文を唱えたが、Junに直接ダメージを与えられる火力ではなく《ウラブラスク》を場に出してエンド。

「グッ、これじゃねぇっ!」

《ウラブラスク》は《辺境地の罠外し》を召喚後即生贄に捧げて除去、肉体喰らいでアタックし双方のライフはSho7対Jun9となり、そのままJunの逆転勝利。

十六分を超える長丁場となった。

【七月三回戦第二試合】

Sho先攻、山から《僧院の速槍》が速攻でアタックしてエンド。

Jun後攻、二色土地をアンタップインし《執拗な仔狼》を召喚。

双方、理想的な一ターン目。

三ターン目の盤面は、

Sho、《僧院の速槍》、《勝負服纏い、チャンドラ》

Jun、二体目に召喚され警戒・トランプル持ちになった《執拗な仔狼》、さらに警戒・トランプル持ちの《無謀な嵐探し》。

直後にSho、かなり早い段階で《ウラブラスク》を召喚したものの、ターンもらってJun《大いなる創造者、カーン》を追加コストで捨てた《ナヒリの怒り》を撃ち込んで除去、さらに二体による攻撃でチャンドラも撤退。

頼みの綱のプレインズウォーカーがテンポ良く出ないとShoの展開は辛く、二体目の《僧院の速槍》や単体火力だけでは手札が息切れしてしまう。

身動きが取れないShoに対し、Junは《大いなる創造者、カーン》から《液鋼の塗膜》を交えた土地破壊ギミックも作動し始める頃に辺りは夜となり、そのまま快勝。

今月のUncommonガール

【2023夏号】第三回戦 波乱 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

6/3

嵐の翌日、錦糸町82はテラス席が閉鎖されていた。

先に店舗入りしていたJunは82エールで喉を潤していたが、後から来たShoとは乾杯だけして早々にゲーム起動。

何せ、一日千秋の思いで迎えた決戦の初戦だからだ。

今月のUncommonガール

【六月一回戦第一試合】

先攻Sho、山から《僧院の速槍》を召喚し速攻アタック。

この瞬間、白単低速コントロールのJunは敗北を覚悟、前回のゴルガリ・ジジイに続いて又してもアグロなデッキを組んで来たと言う事に腹立たしさすら感じていた、勝負を放棄して安易な戦術を取りやがる、とも。

Shoは順調に《勝負服纏い、チャンドラ》が三ターン目に場に出るが、Junサイドには《永岩城の修繕》くらいで展開が遅すぎる。

さらにSho、四ターン目には《焦熱の交渉人、ヤヤ》を召喚しプレインズウォーカーが並ぶ、Junは投了ムードでなるべく手の内は明かさずに敵の展開を見極めておきたい、《ドゥーム・スカール》を予顕してしまうのもバレバレで無意味だった。

果敢持ちクリーチャーを並べたShoが終始余裕で勝利。

【六月一回戦第二試合】

Jun先攻、マリガンで開始。

四ターン目、後攻のShoが仕掛けた召喚は《ウラブラスク》、ファイレクシアの赤の法務官。

Junの盤面は《エスパーの歩哨》一体に《永岩城の修繕》を二枚張っている、Sho側は《ウラブラスク》と早くから召喚してあった《僧院の速槍》、ライフは15対20。

応じてJun、先ずは《永岩城の修繕》の伝承カウンター三つ目の効果により3/4トークン一体生成、次いで二枚目の永岩城の二つ目の効果により《エスパーの歩哨》を手札から捨てた上で場に出す、そして召喚《エリシュ・ノーン》。

「うぉぉ、法務官対決かよ、熱ちい!」

一本先取のShoは余裕があるのか勝負を楽しんでいる。

ウラブラスクが第二面に変身できる算段があるのがShoの余裕の根拠だった。

無謀なる衝動》ウラブラスクの能力が誘発しJunに1点、《静電気の放電》はJunに4点と誘発1点、《稲妻の一撃》これは《エリシュ・ノーン》に3点とJunに誘発1点、これらによりJunの残りライフは8。

しかしながら、《エリシュ・ノーン》も負けてはいない、何らかの発生源がダメージを与える度に1マナか2点ライフを要求する、Shoは《ウラブラスク》変身のためにマナの支払いは拒否し続けたため、五回の支払い要求で合計10点のライフを失い残り10。

《ウラブラスク》第二面の英雄譚《大いなる業》に変身、Junとコントロールする各クリーチャーに3点のダメージ、Junが展開していた永岩城の3/4トークン以外全て焼き払われる。

しかし、《エリシュ・ノーン》の断末魔でクリーチャー四体とJun本体、再度五回の支払い要求が誘発。

Sho、残す山一つからの支払い以外、8点のライフを失って残り2。

これでJun残りライフ5対Sho残りライフ2。

しかし、このゲームは先に相手のライフを0にした方が勝つ、この程度は安い支払いなのである、双方にとって。

Sho、一時的に4/5に膨れた《僧院の速槍》でアタック。

「あっ!違う!!待った、間違えた!!」即座にShoが悲鳴を上げる。

その通り、Junはこの攻撃をブロックせずとも残りライフ1、返すターンにブロッカーのいない状態で永岩城トークンで殴れば勝ちなのだ。

法務官同士の意外な友情コンボ、勝因は手癖。

【五月一回戦第三試合】

もつれ込んだ最終戦、理想通りの展開で応酬すればまだJun側にも望みはありそうだが。

先攻Sho、四ターン目に《焦熱の交渉人、ヤヤ》、前のターンにJunは《婚礼の発表》をエンチャントした程度なので分が悪い。

さらに《ウラブラスク》が召喚される、理想的な展開はSho側にあった。

Jun、手札は悪くないのだが、低速コントロールとしての展開の理想であってやはり相手側が手に負えなくなりつつある。

手札にある《ドゥーム・スカール》をいまだに予顕せずにいるのは祈りとも諦めとも言えるのだが、生憎Shoが次ターンからインスタントを連続で唱えて《ウラブラスク》の変身が間に合い、状況を覆せないままJun敗北。

「因みに、今回のデッキ名は『フォーマー・ワークプレイス』、前の職場って意味だ」

Shoが嬉々として言い放つ。

Junのデッキ名は『赦し』、先月の負けを雪辱するために憎悪を込めた黒単を組んできたが、急遽白単に変更したためである。

【五月二回戦第一試合】

後がないJun対今週で決めたいSho。

Junには確信があった、前週の一回戦を終えて飲んでいる際、Shoがデッキのシステムを明かしたのだ、表面上は速攻デッキだが実質的な勝ち手段は《ウラブラスク》頼みなのだと。

何故手の内を明かすのか、それはSho自身が自分のデッキはイマイチだと認めているからではあるまいか。

間違いなく、この戦いにShoは先月の黒緑毒デッキのゴルガリ・ジジイこと『アンクル・ハイアー』で来るはずだ。

その読みは当たって、しかしあのアグロデッキに勝てるのか。

牙持ち、フィン》、《敬慕される腐敗僧》、《チーム結成》とShoのテンポはこれ以上ない良い動き。

一方、Junは《エスパーの歩哨》をフィンのチャンプブロックに当てざるを得ない。

Sho、MVP級クリーチャー《グリッサ・サンスレイヤー》を召喚し、盤上のクリーチャー数は三対零。

Junは何とか《ドゥーム・スカール》で一掃するも、返すターンでSho《死住まいの呼び声》を唱えフィンと腐敗僧を戦場に戻してそのまま勝利。

【五月二回戦第二試合】

Jun先攻、《エスパーの歩哨》、《獅子の飾緒》、《放浪皇》と順調に展開。

一方のSho、土地は問題なく伸びるのだが、クリーチャーの展開が無い、何とか《ミレックス》から毒性トークンを生み出す程度。

土地ばかり引く事故の続くShoをそのまま殴り続けてJunが勝利。

【五月二回戦第三試合】

混迷の二回戦、最終試合。

Jun、三ターン目に預顕した《ドゥーム・スカール》で二体除去。

Sho、返すターンで《グリッサ・サンスレイヤー》を再度召喚。

さらに次ターン《敬慕される腐敗僧》の召喚に対応してJun《行進》でグリッサを追放、Sho追加の《敬慕される腐敗僧》二体目も召喚。

この後、Sho長考。

Junの盤面には《エスパーの歩哨》とアンタップ状態の平地が四、Shoが腐敗僧二体でアタックすれば《放浪皇》による追放の可能性がある、長考の末一体の犠牲はやむなしと判断してアタック。

だがこの一体を、《放浪皇》の+1カウンターと先制攻撃を付与された歩哨で討ち取り、次のターンで残る一体を追放、Shoとしては二体を失う最悪の展開である。

Shoはミレックスからダニトークン生成、現在Junに毒カウンター三つ。

この後は、ミレックスからのダニトークン達との攻防で、《屍気の拝領》がエンチャントされたトークンからのアタックにより危うく八つまでの毒がJunに与えられたが、《エリシュ・ノーン》が即変身して何とか競り勝った。

【五月三回戦第一試合】

この日、Shoは今月初お披露目の『フォーマーワークプレイス』こと赤単ウラブラスクデッキ。

対するJunは、今月のコンセプト『赦し』こと白単ジャンクでは無く、先月完敗を喫したデッキ名未詳の赤緑で挑んだ。

双方土地を五枚並べて、プレインズウォーカー同士の勝負となったが、クリーチャーと除去のバランスが良いShoが終始押し気味で勝利。

群れの希望、アーリン》が5/5トランプルと化し、《勝負服纏い、チャンドラ》や《焦熱の交渉人、ヤヤ》などに何度も突撃を敢行したものの、テンポ面での遅れを取り、状況を覆す事が出来ずJun敗北。

二ターン目にJunが出したキーカードの《辺境地の罠外し》が、取り敢えずの感覚で《火遊び》により除去されてしまったのには警戒しておくべきだったか。

さらに、《大いなる創造者、カーン》によりサイドボードから引き寄せた《先駆のゴーレム》三体が火力一発で連鎖的な除去を許してしまったことも、対戦相手のデッキを全く考えていない悪手であり、勝敗の分かれ目だったと言える。

【五月三回戦第二試合】

正体不明だったJunのデッキがブン回った。

あらかじめ出しておいた《液鋼の塗膜》で対戦相手の土地をアーティファクト化し、四ターン目に召喚したプレインズウォーカー《大いなる創造者、カーン》の+1能力により0/0のクリーチャーにして自滅させる。

このデッキのコンセプトは土地破壊が主軸、カーンをShoに見立てた『Shoの精神支配』デッキである。

Shoが戦場に出した四枚目の山がこのギミックで潰され、以降毎ターン土地が破壊されてゆく。

はずだった。

返すターンでShoの《ウラブラスク》が間に合い、呪文を三つ唱えて第二面へ変身。

一歩及ばずJun惜敗。

ブン回ったのはShoのデッキも同様だったのだ。

「もし今日のデッキが、今月の白のデッキだったら墓地が消されるから不安だったけど」

などと言って、さも良い勝負が演じられたかのような口振りで、上機嫌に言っていたShoだった。

Junは危うく、次月に携えて行く予定のデッキを取り下げて、別のデッキで参戦しかねないほどに怒り心頭だったが、五月に作成した赤緑何でも破壊デッキが接戦を制することが出来なかったのもまた事実。

敗因は様々にあるのだ。

今月のUncommonガール

【2023春号】第二回戦 圧倒 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

5/6

四月は二週で決着したため間が空いたが、待ちに待ったUncommon Low Skirmish第二回戦。

会場はお馴染み錦糸町82エールハウス、この日も十五時ぴったりに到着である。

Today’sのKOEDOビール青碧とハイボールで乾杯し、早々にゲーム起動。

今月のUncommonガール

【五月一回戦第一試合】

先行Sho、Jun赤と緑のバランスが良い土地四枚で手札キープ。

悶絶しているSho、マリガンを連発してまさかの手札三枚スタート。

「そのリスクは俺も負っている」冷淡に言い放つJun。

Shoランドセット、黒緑がアンタップイン。《多汁質の頭蓋住まい》を召喚。

『毒デッキか、読みが外れた…』Junはアグロ系デッキとの相性が最悪だった。

二ターン目、《屍気の拝領》をエンチャントした頭蓋住まいがアタック、Junは毒カウンターを一気に三つも与えられてしまう。

毒カウンターが十溜まると敗北だ。

Junは二ターン目に《辺境地の罠外し》を召喚、Shoからの二度目のアタックを通し毒カウンターは六つとなるが、場は夜になる。

三ターン目に《不吉な首領、トヴォラー》も召喚し、罠外しの攻撃によりワン・ドロー。

理想的な展開である。

Shoが召喚した二体目の頭蓋住まいは、Jun《削剝》で除去し人狼二体がアタック。

Sho残ライフ10で手札無し、Jun残ライフ18かつ毒カウンター七で手札七枚。

どちらかに決着がつく、その目前だ。

Sho、《敬慕される腐敗僧》召喚、頭蓋住まいがアタックして毒カウンター八。

ターンもらってJun、人狼二体でアタック。

だが、未熟過ぎるプレイングミス、トヴォラーの攻撃力を上げていればライフを丁度ゼロに出来たのだった。

しかも、返しのターン用にブロッカーを召喚せず、一体だけ除去しようとしても腐敗僧の能力で毒カウンターを得てしまう事になるため、このターンをShoに渡した時点でJunは詰み。

直前までデッキ調整をしていたため、柔軟なプレイングに慣れることができなかった痛恨の未熟さ。

【五月一回戦第二試合】

Jun先攻、マリガン。

巨竜戦争》でShoの毒性クリーチャー二体を除去するも、《グリッサ・サンスレイヤー》は殺し切れず、エンチャント破壊により巨竜戦争も早々に葬られる。

さらに、二体の《敬慕される腐敗僧》を連続で召喚された直後に《屍気の拝領》がグリッサにエンチャントされた事による誘発で八個目の毒カウンターを与えられてしまう。

そのまま毒性2を得たグリッサがアタックし、敗北。

無謀なる衝動》で引っ張って来た《辺境地の罠外し》を召喚せずに追放してしまうという未熟な失態が今回もあった。

やりたい事が出来ぬまま押し切られた形である。

Junの存在を賭けたデッキは封殺された。

Shoは意気揚々とデッキ名を明かす。

「《牙持ち、フィン》のアンクル・ハイアー、ジジイ採用って意味だ。四枚挿しなのに《チーム結成》でも引っ掛からなかったのはジジイに問題ありそうだがな」

「ゴルガリ・ジジイかよ」

Junの口元が苦々しく歪んだ。

【五月二回戦第一試合】

デッキ相性の悪すぎるJunはこの週、先月の三色デッキで参戦(勝ったとしても、別デッキの色の連続重複は禁じられているので、赤緑に戻す必要がある)。

対するShoはアンクル・ハイアーを引っ提げて参戦。

Jun、マリガン一回で土地三色揃う。

だがShoの様子がおかしい。

「ぐっ、ぐぬっ…」

先攻Sho、なんとマリガン連発の手札四枚スタートで黒緑の土地をタップイン。

だが、先週は似た様な状況で別デッキのJunに勝っている。

Junも土地を出してエンド。

二ターン目、Shoは満を持して先週不発の《牙持ち、フィン》を召喚。

ターンもらってJun、悪さをしそうなジジイに《不憫な悲哀の行進》で3点ダメージ(追加コストは《しつこい負け犬》)。

「ジジイッ!(by Sho)」

三ターン目にJun、《策謀の予見者、ラフィーン》を順調に召喚するが、Sho未起動の土地を動員し《シェオルドレッドの勅令》を唱える。

盤面には双方三つずつの土地のみ。

四ターン目もトップデッキしたラフィーンを召喚するが次ターンに《胆液まみれ》により除去される。

結果的に、かなり順調な土地の運びから召喚された《永遠の放浪者》が二段攻撃のトークンを生成し、ハンドアドバンテージの分が悪かったShoのクリーチャー展開が防衛しきれず決着。

【五月二回戦第二試合】

Jun、今回もマリガン一回で土地三色揃う。

先攻Shoはマリガン二回で手札五枚スタート。

Sho六ターン目には、たった今Junがトップデッキした《策謀の予見者、ラフィーン》を《シェオルドレッドの勅令》で撃墜するファインプレーからのアタックで合計七つの毒カウンターをJunに与えている。

テンポの良いアグレッシヴな展開でShoの押しが強い。

盤面はShoの《敬慕される腐敗僧》とジジイこと《牙持ち、フィン》、Junは招待カウンターが一つだけ乗った《婚礼の発表》のみ、チャンプブロック用のトークンは生成できるのが幸いか。

その後二ターン目に動き、Junがプレインズウォーカー《踊る影、魁渡》をトップデッキして召喚、+1能力で悪さしそうなフィンを一時的に無力化してからラフィーンが空中からアタック、さらに誘発する魁渡の能力でラフィーンを手札に戻して能力を追加使用、Shoの腐敗僧も一次的に無力化。

しかし、Shoの盤面には《グリッサ・サンスレイヤー》が駆けつける。

クリーチャー数だけで見ればShoが三に対し、Junは零。

Junは手札からラフィーンと、トップデッキした《しつこい負け犬》を召喚、最も厄介なグリッサを魁渡で無力化。

明くるターンにShoは焦れ、攻撃できないグリッサ以外でアタック。

接死持ちのフィンは負け犬で相討ち、腐敗僧はラフィーンが討ち取った。

これで双方のクリーチャーは一体ずつだが、Jun側にはプレインズウォーカーの魁渡がクリーチャーを無力化すべく立ち続けている。

この後はJunが《婚礼の発表》を計三枚もエンチャントし、魁渡による巧妙な無力化で場をコントロールし、まさかの逆転。

長丁場となったが、その場その場での引きが常にShoの先を行くJunの勝ちとなった。

【五月三回戦第一試合】

二回戦はJunの三色デッキ、テクノブレイクが安定感のある展開で勝利したが、同色の連続使用は強い制限があるため赤緑に戻す。

Shoは黒緑のアンクル・ハイアーで三度目の参戦。

三回戦にもつれ込んだ五月期、いよいよ決着。

先攻Sho、《敬慕される腐敗僧》、《牙持ち、フィン》、《グリッサ・サンスレイヤー》と三ターンで順に展開。

Junは三ターン目までは土地しか場に出せず、ようやく《不吉な首領、トヴォラー》を召喚。

返すShoのターンでグリッサ以外のクリーチャーによる攻撃、Junはトヴォラーでフィンと相打ちせざるを得ないのだが、直後の第二メインフェイズで二枚目のフィンが召喚されてターンエンド。

この時点での盤面は、Shoのクリーチャー三体に対して、Junのクリーチャーは無し。

Jun、四ターン目にプレインズウォーカーの《群れの希望、アーリン》召喚。

大マイナス能力で狼トークンを二体生成。

だが、次ターンのShoからの総攻撃では、二体のトークンは無駄死にさせるしかない。

この時点でJunの毒カウンターは七。

ターン貰ってJun、アーリンの能力起動後に二枚目のアーリン召喚。

強化された狼トークン二体を生成。

しかしながら、Shoのターンでは《敬慕される腐敗僧》二体目から、自陣の《牙持ち、フィン》へ《胆液まみれ》を唱えることで、腐敗僧の能力による毒カウンター二つと《胆液まみれの》増殖効果により十個目の毒カウンターがJunに渡りゲームエンド。

【五月三回戦第二試合】

Sho、《多汁質の頭蓋住まい》、《牙持ち、フィン》と順に展開し、《胆液まみれ》によるブロッカー除去と三ターンのうちにJunに毒カウンターを九つ与えるこれ以上ないほど理想的な流れ。

Jun、全体除去は手札に三枚もあるのだが、土地が一ターン間に合わず投了。

二分強で封殺と言う格好である。

コントロール色が強めでミッドレンジのJunの赤緑に対し、Shoのゴルガリジジイもとい「アンクル・ハイアー」の速攻毒カウンターデッキの完封である。

Shoはデッキの勝利に向けてプレイングミスは許されないという緊張に手を震えさせていた。

Junはデッキ名すら秘めたまま屈辱の怒りに震えていた、もうこうなればあの色で構築するしかないと決めて。

今月のUncommonガール

【2023春号】第一回戦 激突 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

4/1

二月の「ファイレクシア・完全なる統一」実装からちょうど二ヵ月。

いよいよ、Uncommon Low Skirmish第一回戦が始まった。

会場は錦糸町82エールハウス、大の大人が十五時の開店前に並んでいた。

キリンの生とブラウンエールで乾杯し、二杯目のジェムソンハイボールを購入してゲーム起動。


今月のUncommonガール

【四月一回戦第一試合】

Junマリガン、これが功を奏する。

Shoは早速、赤青の土地をタップイン。

「お前、イゼットジジイだろそれ!ww」

(イゼットジジイとは、Shoが開始初期の二月から愛用していた《静電式歩兵》を中核としたデッキ。赤の軽量火力や青のドローで、ジジイこと《静電式歩兵》や《くすぶる卵》を育てる。)

返しの二ターン目、順調に《くすぶる卵》を召喚。

一方で、Junの展開は

平地→黒の伝説の土地→青黒の土地をアンタップイン

と、まさかの三色デッキでShoを驚愕させる。

ここで《婚礼の発表》を貼り、以降三ターンに渡ってトークン生成路線へ。

その後は、Shoのババァこと《気まぐれな呪文踊り》や人間トークンなどを双方が除去し合うが、五ターン目にJun《策謀の予見者、ラフィーン》をトップデッキ、六ターン目に手札から《永遠の放浪者》へとつなげて快勝。

「ジジイ出されてたらどうなってたか分からんわ~」

「ここで俺のデッキ名、『ジジイ・ファイアー』だ。ファイアーには火力って意味と、解雇って意味をかけてるぜ」

「は?」

「このデッキ、もうジジイ居ねえぜ!」

まさかの《静電式歩兵》失業、Shoのデッキに勝ち目はあるのか・・・?


【四月一回戦第二試合】

序盤は丁々発止の除去合戦。

ターンをもらってJunが《漆月魁渡》を召喚、トークンを生成し毎ターンドローの方針が固まるが、フェイズイン後に即《稲妻の一撃》で魁渡が退場。

「アイツはな、Sho、お前に見立てて採用したプレインズウォーカーさ。そして」

まだ三枚しか出ていない土地から

「コイツはShunに見立てたPWだぜ!」

時を解す者、テフェリー》召喚、Junは前に見かけた際よりもコストが1減っていた事を二度見したが。

そう、Junのデッキ名はエスパーフレンズこと「ザ・テクノブレイク」本人に見立てた《放浪皇》は四枚積みだ。

その後の見どころは、Shoの《ゼロ除算》によるShunことテフェリーをバウンスしてから《マスコット展示会》という王道コンボ、この時点で土地の開きがShoの7枚に対しJunは4枚である。

つまり、手札を保持しているのは圧倒的にJunが多く、Shoは逆事故気味とも見れる。

3体のマスコットはテフェリーのバウンス、《放浪皇》のトークンと相打ちして残りは飛行2/1の一体。

そして「ジジイ・ファイアー」の大本命がShoの「ジジイ!」と言う掛け声と共に召喚される…《傲慢なジン》何でも彼はこの炭鉱採掘企業の二代目という設定のようであるが、5/4で登場した彼は早々に《冥途灯りの行進》により退場、「ジジイッ!(by Sho)」

潤沢な土地を活かし、トップデッキした《ミシュラの命令》により飛行2/1トークンが10/1になってワンパンチ、《放浪皇》も除去される。

しかしながらSho既に手札は尽きJunは手札6枚、ここから2枚目の《放浪皇》で飛行トークンを除去するも、今度はShoが今引きしてきたこれまた2枚目の《ミシュラの命令》により魁渡のトークン(居たの忘れてたでしょ)と共に《放浪皇》が除去される。

一瞬まっさらになった盤面だが、Junが《しつこい負け犬》&《策謀の予見者、ラフィーン》、次ターン《華やいだエルズペス》と一転攻勢。

「何か来い!」という断末魔の《選択》から2枚目のジジイこと《傲慢なジン》が8/4で登場するも、《虚空裂き》により丁寧に対処された、「ジジイッ!(by Sho)」

四月第一回戦はJunが難なく勝利。

Shoのデッキが不調というよりは、プレインズウォーカーのアドバンテージが強いと言う事か。

自分自身の存在意義を超え、バンドの在り方をデッキに体現させたJunは負けられない。


【四月二回戦第一試合】

4/8

翌週はShunメンバーの企画により、まだ明かされていない都内某所へロケがあるため、今日中にケリをつけたいJun。

そして、もう後がないSho。

定例の錦糸町82エールハウス。

Junのハンドは、《策謀の予見者、ラフィーン》以外全て土地でゴー。

双方順調に土地が並び、盤面上の展開に乏しくコントロールの色彩を強く帯びた試合、延びれば延びるだけデッキの勝ち筋を狙える算段が現実的になる。

事実、この試合には二十分費やされている(記事の分量も非常に多いです)。

開始七分で動き。

Shoはババァこと《気まぐれな呪文踊り》、土地は5枚。

Junのラフィーンは退場したが、Shunに見立てた《時を解す者、テフェリー》忠誠度4、《華やいだエルズペス》忠誠度6、《しつこい負け犬》が二体で片方が4/3警戒カウンター付与、土地七枚。

Sho、X=4全力の《ミシュラの命令》がテフェリーを直撃、そして6/1になったババァがブロックされる事無くエルズペスを粉砕、ソーサリー一枚でプレインズウォーカー2体を屠るナイスプレーに思わず「やるな!」。

返すJunのターン、トップデッキされた《放浪皇》で黙っていられぬとばかりに-2能力を発動し、Shoのババァこと《気まぐれな呪文踊り》を追放。

さらに2体の負け犬で計7点ダメージ、このクロックが続けばShoの命はあと2ターン。

だが、二回戦第一試合は未だ残り十分弱続く。

Sho、《くすぶる卵》召喚からX=3の《ミシュラの命令》で《放浪皇》と警戒持ちの《しつこい負け犬》を除去し、再びのダブルプレー。

しかし、そこは負け犬のしつこさで墓地からアタック、Junは今後ライフ2を支払う必要があるものの卵でブロックしきれない方の三点クロックとワンドローは保証されている。

この時点でライフはSho10対Jun18。

続くターンでSho《無謀なる衝動》により卵の燃えさしカウンターが六、さらに上手く引き込んだ《選択》を唱え《灰口のドラゴン》が孵化。

イゼットカラーの強みを見せつけた。

このドラゴンは放置すると二点火力を好き勝手に撒き散らすので、使いたくなかったが即除去で《虚空裂き》、するとShoは対応してなんと《ゼロ除算》でドラゴンを手札に回収、誘発した二点火力を負け犬ではなくドラゴン自身に撃つという致命的プレイングミスが脱力ポイントだがこういうのはよくある(忠誠度が低く残したくない方のプレインズウォーカーを選んでしまうとか)。

サイドボードから履修してきた講義カードはもちろん《マスコット展示会》、Shoは現在土地が7枚並んでいるため、卵を出した次のターンで即時孵化が可能だ。

盤面はJunの《しつこい負け犬》のみ、双方マナ基盤である土地は潤沢。

そこへもう一体の負け犬が奇襲し、Sho残りライフ4、Junは16。

さらにShoに見立てた《漆月魁渡》も召喚し、ブロックされない1/1トークン生成。

これでShoはブロッカーを二体立てなければ敗北する事となった。

だが翌ターン、Sho《くすぶる卵》を二体召喚、《無謀なる衝動》で燃えさしカウンター二つの状態でターンエンド、ブロッカーが間に合って起死回生か、次のターンで《マスコット展示会》を唱えればドラゴン二体が誕生する。

Junドロー《婚礼の発表》をトップデッキし場に出す(ドローに利用)、負け犬はブロックされると分かっているがドロー効果のために奇襲、《漆月魁渡》の+1能力も起動し計3枚の追加ドローは《否定の契約》、土地、《永遠の放浪者》。

良い流れだが、Shoもまたワンパンチ圏内である、どちらが先に決めるか…。

ターンもらってSho長考、見えているハンドは《ミシュラの命令》、《発見への渇望》、《マスコット展示会》、それと伏せられているのが一枚。

…X=4で《ミシュラの命令》!これでドラゴン二体孵化!

それを受けてJunも長考、《ミシュラの命令》は対象をプレインズウォーカーの《漆月魁渡》とブロックされない1/1トークンに取っているが…ここは様子見で優先権をShoに渡し直す(+4修正のモードをShoが選択せず、8/4にしたドラゴンからのワンパンチが無かったのが不可解だが、盤面の整理に慎重だったのだろう)。

《発見への渇望》で誘発されたドラゴンの火力により負け犬退場、さらにJunにも2点

Sho が引き込んだのが《ショック》ならば一発で、ショック2点+ドラゴンの誘発火力2×2点+本体への攻撃2×4点と、Junのライフ14を奪い切るが…!それはならず、Shoまだ土地が1つアンタップ状態である。

負け犬が素通りしてしまうため、ドラゴンは攻撃せずにそのままターン終了。

Jun、満を持して《永遠の放浪者》召喚、+1能力でドラゴン一体を一時追放、さらにトップデッキした《冥途灯りの行進》により2体目のドラゴンも追放。

「えっ、何で居なくなったの??」状況を把握しきれないSho。

しかしターンもらってSho、ずらりと並んだ土地からなんと3枚目の《くすぶる卵》召喚、さらに《マスコット展示会》で即時孵化させるのだが、応じてJun一枚刺し虎の子の《否定の契約》で展示会を打ち消してボードアドバンテージは握らせずに済ませる。

ターンもらってJun、《永遠の放浪者》の+1能力で孵化したばかりのドラゴン一体を再度一時追放。

ライフ4のShoに1/1トークンと負け犬の二体でアタックし、卵で防ぎきれない1点を与えつつ、《婚礼の発表》と負け犬の効果で2枚ドローしてターンエンド。

試合の残り時間は二分を切っているが、この時点での盤面。

非アクティブプレイヤー、Jun。

《永遠の放浪者》、《婚礼の祭典》、2/2人間クリーチャー・トークン、土地12枚、ライフ12。

ロー団アクティブプレイヤ―、Sho、ライフ3。

《くすぶる卵》、土地10枚と殺風景だがここで一気に展開。

先ずはババア!そして、ジジイ!この《傲慢なジン》は自身の能力で今や16/4飛行というフィニッシャーとして育っている、これがジジイ・フレンズこと「ジジイ・ファイアー」だ!ファイアーには解雇という意味も含ませてある!

ジジイが飛んで殴ってゲーム・エンド目前。

Junターンをもらって、《永遠の放浪者》の−4能力起動。

2/2の人間クリーチャー・トークンとShoの卵を一つずつ残して全てのクリーチャーを破壊!

《しつこい負け犬》二体で奇襲をかけ、Shoのブロッカーは飽和、押し切っての勝利であった。

コントロール色の強い長い戦いだったが、双方のデッキがゆっくりと着実に戦略に乗れていた結果と言えよう。


【四月二回戦第二試合】

先攻Sho手札キープ、王手のJunは軽快にマリガンスタート。

試合時間は十分であったが、ここで双方の土地が四枚ずつ並んだ際の盤面を見てみよう。

Shoは《くすぶる卵》に《気まぐれな呪文踊り》二体ずつ、卵とババァがニコニコで攻守共に非常な硬さ、ライフは22。

一方Junは《婚礼の発表》にカウンターが二つ乗りトークン二体と貧弱だが次のターンで2/2が三体に転ずるだろう、辛うじて《踊る月、魁渡》がアタッカーの足止めをしている、今ババァに殴られてライフは16。

Jun、《華やいだエルズペス》召喚、トークン一つに+1/+1カウンター並びに飛行カウンター付与。

Sho「華やぐね〜」実際厄介である。

ターンを渡し、強化されたトークンが三体にプレインズウォーカー二体の硬い盤面。

Sho、信じられない引きの《メフィットの熱狂》二発でエルズペスを撃破、自陣の各クリーチャーにカウンターが複数乗る。

Shoは土地4枚からマナを引き出し切ったので、ターン・エンド。

Jun、《策謀の予見者、ラフィーン》をトップデッキして召喚、魁渡の能力で孵化寸前の卵を攻防不可指定。

飛んでるトークンがラフィーンの能力で6/6になってアタックし、計8点ダメージ、Sho12対Jun14でそろそろ双方平等に勝機が訪れそうである。

その後Shoはババァの能力でコピーした《ゼロ除算》により、魁渡とラフィーンをバウンスしつつドラゴンを孵化させるものの、4枚の土地からマナを引き出し切ってしまう。

ターンもらってJun、満を持して《永遠の放浪者》、ドラゴン一体を一時追放、またもこの展開でShoとしては分が悪い。

飛行6/6トークンのアタック、ドラゴンではチャンプブロックせずに通す。

エンド。

運命の最終ターン。

ブロックされない《気まぐれな呪文踊り》2/1、飛行ブロッカーの居ない《灰口のドラゴン》4/4がそれぞれ通って、Jun残りライフ6。《稲妻の一撃》による3点ダメージ、ドラゴンの誘発能力で追加の2点ダメージ、Jun残りライフ1。マナを使い切って《無謀なる衝動》、ドラゴンの火力誘発で最後の2点ダメージを削り切り。

とはならなかった。慎重派のSho、プレインズウォーカーやトークンを丁寧に対処し、Junの陣地には6/6飛行トークンとエンチャントを一つの状態にしてターン・エンド。卵が追放領域から帰還、残りライフ6。

応じてJun、《踊る影、魁渡》召喚、+1能力でドラゴンをブロック不可指定。

Sho「エッ?」

飛行トークンの6点が勝負を決めた直後の断末魔であった。


Uncommon Low Skirmish四月期、決着!

堕ちたる奴隷商人Shoに、目覚めた義の言語術師Junの鉄鎚が下った!

だが、Shoのイゼットジジイこと、「ジジイ・ファイアー」はデッキのポテンシャルは十分であり、振り返ってみてもShoの勝機は、特に二回戦に於いて十分だった。

それでもJunは負けられない、バンドの想いを一身に背負った覚悟は、数多のワイルドカードがデッキのキーカードへと姿を変えて顕現しているのだから。

…二ヶ月同じカラーでデッキを持ち込むと、そのカラーは使用禁止となる。

次回、五月期のデッキは、Jun赤か緑か、どちらも本人が好きなカラーでは無い。

Sho、大好きな黒でリベンジに来るか、Junのメタなデッキ構築が冴えるか否か。

乞う、ご期待。

今月のUncommonガール

【2023春号】序 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

玄き腐敗の言語術師-ロゴスマンサー-Jun、彼の怒りは頂点に達した。

一年間というのは短いようで長い、いわば半永久の極限とも言える期間だ。

Junは、自分自身をバラバラの切れ端(それこそ木の葉一枚々々)に刻んで情報の薄っぺらな束また束へと刻み込むという、時の牢獄からいよいよ抜け出す事ができた。

それは果てしないように思える、真っ暗で決して平坦ではない道のりを当て所なく旅するのに似ていた。

それで得られたものは、ちっぽけな、まるで棒切れのような勇気。

つまり、道を征く者に『物は来る』のだという危うい実感だけである。

そんな彼が、とある些細な事件により、身に余る黒マナを怒涛のように放出したのだ。

堕ちたる蒼き量子術師-クォンタマンサー-Sho、彼もまた怒りを沸々と堪える日々を過ごしていた。

しかし、それは只々、日々の生活のためにしていた、やむを得ない罪なき事だったのかもしれない。

それを、ある人ならば徒然なるままにと表現するかもしれないし、別のある人ならば川の流れの如くと見るかもしれない。

だが、Shoと近しい人々の眼には、彼の寡黙な無表情や冷淡な沈黙が、攻撃的な消極として捉えられていたのだった。

すなわち、彼はこの一年間をただただ無為に、仮想量子空間における性奴隷の調教だとか新たな女商品の調達であるとかに浪費するのみだったのだ。

「貴様、すぐにその薄汚いその手を地面にへばり付けて、命乞いして見せろ!さもなければ、永遠に貴様の両目を潰して、男も女も無い暗黒へ叩き落としてやる!」

「へっへっへ!生活から逃避して高みにいた気になっていただけで、結局その生き様に飽いただけの自惚れ屋がこの俺とやり合おうとは呆れたぜ!!」

今ここにUncommon Low Skirmish、戦いの火蓋は切って落とされた。

玄と蒼、二人の吽己者がその全存在を賭けて衝突する。

【三月号】特集 黒と青と白-MTGアリーナ雑感-【キ刊TechnoBreakマガジン】

沼が象徴するのは屍臭と渇望。

変化の静と動を端的に表している。

私、TechnoBreak Junは死の黒マナを欲する。

湖が象徴するのは知識と停滞。

水面は浮かぶものだが、水深は図り知れぬものだ。

彼、TechnoBreak Shoが智の青マナを求める。

平地の白には猫がたくさんいる。

TechnoBreak Shunにぴったりだ。

白と言ったらサバンナ・ライオン!

そんなわけで、Shoメンバーに勧められ、MTGアリーナを開始してからひと月経った。

懐かしい神河やイニストラードは健在らしく、驚いたことに先月はファイレクシアが隆盛していた。

環境の変化、サイクルの流転はめまぐるしいようだ。

今や、人物を主軸に物語を描くのではなく、次元と次元がひしめき合うような共鳴が響き渡っているのか。

ギャザ世界の今を把握するにはプレイを重ね続けるしか今できる事は無い、随想は過去へ遡る。

小平市にある祖母の家へ週に一、二度遊びに連れて行ってもらっていた頃。

今調べたら、あった。

あぁ、懐かしい、ホビーショップFUJIと言うお店だ。

マジック・ザ・ギャザリングとの出会いはそこでだった。

ホビーショップと言うと、憧れの念と共にホビーショップに通っていた事があるなら誰もが、あの雑多な感じにピンと来るはずだ。

あそこは、きっと店長の純粋な遊び心を詰め込めるだけ詰め込んだ結果、全国各地で必然的に顕れる意匠なのだろう。

店内の息苦しさは、そこが聖域である事の証か。

ひっくり返った図書館ように積まれたプラモデルの箱、フィギュアは当時アメコミのが多かった(あれで海外文化の一端を垣間見ることができた)、ショーケースのエアガンやナイフ、塗料、モーター、レジの脇にカード類。

重々しいオーラを放つ、アンティークの木箱。

のような紙箱に入った、たしかポップに「世界最古のトレーディングカード」と書かれていた気がする。

十歳に私には、英語を見るのも無知を思い知らされるようで嫌だったから、日本語版のケースを手に取った。

第四版、恐る恐る手にとって、勇気を出して会計した。

千五百円と言う値段は、桁が違うのだ。

三枚封入されているレアの中から飛び出したシヴ山のドラゴンは、たまたま夕方の情報番組で見知っていたので嬉しかった。

ドラゴンが嬉しくない子供はいないだろうが、有名なカードが出たのには畏怖すら覚えた。

次に停滞、まろやかな筆致の抽象画に眼が向くが、カードの効果は理解が及ばなくて眼を剥く。

アンタップ・ステップを飛ばす?

まず、ルールなぞ全く知らずに買っている訳だから、小さな文字がびっしり書かれた説明書きを読むことになる。

読書に慣れていない子供には酷だった。

父に傍にいてもらいながら試験遊戯をしてみるも、色々カードが出てくるものの、現在理解している仕組みで考えればこんな多色デッキ機能するわけが無い。

そもそも対戦相手が居ないのだから、スターターデッキ一箱ではスタートできないではないか、今思えば失笑を禁じ得ない。

そして、ネビニラルの円盤。

「アーティファクトとクリーチャーとエンチャントをすべて破壊する。」

単純で純粋で馬鹿だった自分は、こんなの弱いと思っていた。

せっかく展開した自陣まで巻き込んで何も残らないだなんて。

そうではなく、数ターン先のリセットを見据えて展開しておくのだ。

数ターン先を見据える、そんな事ができる頭になったのもMTGのお陰だ。

アンタップの訳語が「曲げる」で、カードを横向きに寝かせるのではなく、折り曲げる事だとしか思えなかった自分にとって、このカードは触れ得ざる物に早変わりし、引き出しの奥に仕舞われた。

それから数年後、中三になってようやく、学年内の一部愛好家たちが水面下でプレイしているのを受け、本格的なプレイに参じた。

対抗呪文を打たせる前に暗黒の儀式、ファイレクシアの抹殺者なんて持ってはいない、何を展開していたか覚えていない。

ただ、黒使いでありたいがためだけに沼をタップしていたのだろう。

黒で6マナくらいのレアカードが出れば即デッキ投入、他の色のカードは見向きもしなかった。

確率的には五分の四以上でハズレを買う事になる、視野の狭さが良く言えばあどけないが、悪く言えば人として小さい。

稲妻も怨恨も嫌いだった、使わない色、ゴブリンにエルフ、何もかも。

好きなのは手札破壊、タッチ青で打ち消し。

私の歪んだ少年時代をモロに反映しているみたいだ。

ネメシスのパックを開封して、墜ちたる者ヴォルラスが出てきた時は歓喜した。

Kev Walker氏の美麗イラストに見惚れたものだ。

使ってみると断然弱い、このカードで勝ちたいのに。

だけど六十枚のデッキに一枚きり、そもそも引けない。

ヴォルラスで勝負を決めたい、お前のヴォルラスつえーよって言われたい。

回避能力の付与とか、エンチャントとか、そういうアタマは全然無かった。

消散カウンターは、カウンターの概念がわからず忌避していたので、ブラストダームも弾ける子嚢も理解できなかった。

緑だし。

時は経ち、社会人になって小遣いが増えてからもしばらく再開していた。

都合が付くなら昔のゲーム仲間も誘って秋葉原へ、フライデーナイトマジックに息せき切って馳せ参じた。

ゴシックホラーの色彩が強いイニストラードへ“帰還”したような気がした。

日本を舞台とした神河は学生時代直撃でプレイしていたから知っていたが、MTGを離れていた際の時のらせんブロックというのを知った瞬間は、現役でいたかったと強い衝撃を受けたものだ。

私はラヴニカからゼンディカーまでを知らない。

だからプレインズウォーカーカードも知らなかった。

そしてまた、ラヴニカへの回帰からストリクスヘイブンまでも知らない。

因果なものではあるまいか。

マジック・ザ・ギャザリング三十年の歴史の中で、私がプレイしていた期間はのべ五年程度なものだが、この一ヶ月MTGアリーナで黒マナに浸りながら実感した事がある。

中学生の頃の自分は典型的なティミーだったのだ。

黒のレアカードで勝つことが快感だった。

大人になった私は、今、ジョニーに変わりつつある。

自分らしさをデッキのコンセプトに据えたい、欲を言えば自分らしくなさも。

そして好敵手のShoメンバーと、在りし日のドミナリアや迫り征くファイレクシアなどに思いを馳せながらプレイを重ねる事により、スパイクになるのだろう。

そんなトーナメントが待っている。

最後に、1995年の第四版まで赤の呪文の顔役だった稲妻が再録されなくなってから久しい2010年、五年ぶりに基本セットに再録された際のフレイバーテキストで、私の雑感を終えたい。

火花魔道士は叫び、彼が若かった頃の嵐の怒りを呼び起こそうとした。驚いたことに、空はもう再び見られないと思った恐るべき力で応えた。