【2023秋号】糞Jun 今月のHustleデッキ #002【キ刊TechnoBreakマガジン】

糞Jun

 ただクリーチャーで殴るのが気に食わないから、手札を破壊したくなる。相手の呪文を打ち消したくなる。それを一緒にしたくなる。だから、青黒デッキには夢がある!まぁ、相手からすれば悪夢かもしれないな。そんなわけで、前回紹介した赤緑人狼コントロールの翌月は、青黒ディミーアカラーのデッキでULSのバトルに殴り込んだぜ。戦果はこちら側の敗北で、悪夢を見たのは俺の方だったんだけどね!

デッキ名『ディミーア・ハイブリッド』

 先ず黒い方から見ていこう。手札破壊の担当は序盤に強い《コジレックの審問》が4枚、1対2交換が可能で墓地対策まで付いて破格の《真っ白》これは2枚、以上だ。オイオイ《思考囲い》も4枚挿しHustleしろよって声が聞こえてきそうだけど、このデッキのキーコンセプトを盛り込むために泣く泣く枠を譲ってもらったんだ。ワイルドカード4枚使って交換してあるから、黒単デッキには絶対入れたいよ。

 さて、《思考囲い》の分まで働いてもらうのが《ヴェールのリリアナ》だ。プレインズウォーカーなのに3マナで召喚できちゃうんだから、おっそろしい女の子(?)だよね。+1能力で、相手も自分も手札を捨てる、これがメインの使い方。自分も手札を捨てるデメリットがあるんだけど、そんなの関係ねぇ!って気持ちでブッ放してるよ。−2能力の布告系除去は、単純に3マナの除去のオマケにパーマネントが付くって、こんなの認められ無いでしょレベルのパワーカード(体言止め)。

 そして−6能力が、対戦相手が展開したパーマネントをこちらが半々に分けて選ばせるというHustle極まりない奥義だ。3ターン目に順調に召喚できた《ヴェールのリリアナ》が無事ここまでゴール出来ると、大概は相手の手札がゼロで、土地が戦場に2〜3枚しか残らないことになるんだよね。この能力を起動して対戦相手のパーマネントを選別している時間って、めっちゃ気の毒で時間が過ぎるのをとても遅く感じるよ。ほら、視点を変えるのに慣れてるからさ!もちろん、砂時計一本分は時間をかけて選別してるからっていうのもあるケド。

 肝心の殴り役は、《ファイレクシアの抹消者》君に決めた!黒4マナのクアドラプルシンボルってのが尖っててHustleだけど、5/5トランプルの基本性能に加えて対戦相手がこのクリーチャー自身にダメージを与えちゃったらその点数の分だけパーマネントを生贄に捧げなければならないって、どんだけ優遇されちゃってるのよコイツ。俺はデッキ構築を細々考えるタイプなんだけど、ゲームの展開と回鍋肉は大味なのが好きです。他にはお馴染み《しつこい負け犬》。コイツは墓地から唱えてもそのターンだけは仕事が出来るから、《リリアナ》の能力で手札から捨ててしまってもあんまり罪悪感が無い、深夜に食べるおでんのこんにゃくみたいな存在だ。

 1マナ枠に《よろめく怪異》が4枚。殴り役では無いけれど、死亡時の誘発能力が−1/−1修正or宝物トークン1つ生成か選べて小回りが効くニクい奴だ。2ターン目に《命取りの論争》を唱えるコストに充てて宝物トークン合計2つから、3ターン目の《ファイレクシアの抹消者》召喚に上手く繋がれば理想だね。しかしながら、召喚したい本命クリーチャーは別にいるので後で紹介する事にしたい。

 それじゃあ、お次は青のカード紹介。なんだけど、青の枠は完全に打ち消しに割いている。3枚ずつ《かき消し》と《旋風のごとき否定》だ。《かき消し》は序盤に頼れる不確定カウンターで、呪文を唱えるために追加の2マナを要求し、支払えなければ打ち消すもの。《旋風のごとき否定》も不確定カウンターだが、要求するマナは4マナと増えており、スタック上の呪文や能力全てに対して支払いを要求する。ガンガンスタック上に誘発して行くヘリオッドカンパニーに対して打ち込みたいキャンセル呪文だね。ULSでは《リリアナ》の効果で打ち消し呪文をバンバン捨ててたから、ホントに黒単デッキみたいな動きだったけどな!

 このデッキの涙ぐましい努力の一旦は、切り詰めた土地を《ジュワー島の撹乱》1枚でやりくりしている点に確認できる。これは青の土地として戦場にタップインするか、2マナの不確定カウンターとして使用するか選べる柔軟性のある両面カードだ。柔軟性ゆえに支払い要求が1マナのみと最小限だから、お守り程度の1枚挿し。さらに別の土地兼用両面カードが《ゾフの消耗》、これはデッキに2枚。

 どうしてこの、6マナの4点ドレインを2枚採用したかの理由を紹介しよう。それが『ディミーア・ハイブリッド』のキーカード《碑出告と開璃》だ。このクリーチャーは、戦場に出た際にカードを3枚引いた上で手札の2枚を選んで山札の上に戻せる。そして、死亡した際に山札の一番上のカードを追放し、そのマナ総量に等しいライフを対戦相手から失わせ、さらにそのカードがインスタントかソーサリーならタダで唱えられるというもの。つまり《ゾフの消耗》を追放してやれば、マナ総量の6点+呪文の効果で4点で合計10点のライフロスを発生させつつ、自分は4点回復という高パフォーマンスを発揮するぞ。

 このムーヴを最大限に悪用するため、さらに2枚《爆発的特異性》を採用しているのがHustleの真髄だ!《爆発的特異性》は10マナの10点火力だから、Hustleラッキーが決まれば一発で20点致死量のダメージを叩き出せるぜ!この瞬間がたまらねぇんだ!(蒼天2)このデッキが『ディミーア・ハイブリッド』の名を冠しているのは手札破壊と打ち消しのみならず、このギミックを無理矢理組み込んであるからってワケ。

 全てはこのために、4枚挿したい《リリアナ》や《抹消者》を泣く泣く3枚に減らし、手札破壊や打ち消しも10枚以下の採用にせざるを得なかった。そしてULSの勝負に負けてマジ泣きするって言うね。俺はHustleに殉じるんだ!構築に悩んでプレイングは大味な糞Junと、試合中もうんうん唸って決断するShoとが対照的です。しかし、この青黒ディミーアカラーの強みはデッキ自体のポテンシャル以上に、この前後に使用可能になるデッキ展開との総合力で勝負しているという事に刮目していただきたい。(Shoに二本先取された八月の一回戦や激闘の九月の展開を参照)

 『今月の裏Hustle』このデッキは61枚目のカードを擁している。《否定の契約》だ。何と0マナで唱えられる打ち消し呪文で、格安メリットの代償に次のターンで5マナ支払えないとゲームに敗北してしまう。お守り程度に入れてはいるが、終盤のマストカウンターを土地フルタップの状態から奇襲的に無効化できるのはとても心強い。土地を引く確率が下がるのは《致命的御愛嬌》という事で。

デッキ

1 否定の契約 (AKR) 73

1 天上都市、大田原 (NEO) 271

4 コジレックの審問 (STA) 31

4 よろめく怪異 (HBG) 167

3 命取りの論争 (HBG) 150

1 ジュワー島の撹乱 (ZNR) 64

1 ストーム・ジャイアントの聖堂 (AFR) 257

3 かき消し (SNC) 49

3 旋風のごとき否定 (STA) 23

3 ヴェールのリリアナ (DMU) 97

3 しつこい負け犬 (SNC) 97

2 真っ白 (STX) 72

3 碑出告と開璃 (MOM) 228

3 ファイレクシアの抹消者 (ONE) 105

2 爆発的特異性 (NEO) 140

1 目玉の暴君の住処 (AFR) 258

1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 (NEO) 278

4 清水の小道 (ZNR) 260

4 闇滑りの岸 (ONE) 250

3 難破船の湿地 (MID) 267

3 マナの合流点 (JOU) 163

2 冠雪の沼 (KHM) 281

1 ボジューカの沼 (WWK) 132

2 ゾフの消耗 (ZNR) 132

3 オークの弓使い (LTR) 103

サイドボード

3 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61

1 絶望招来 (NEO) 101

2 巻き込み (SIR) 57

1 思考囲い (AKR) 127

2 不憫な悲哀の行進 (NEO) 111

1 覆いを割く者、ナーセット (WAR) 61

2 絶望招来 (NEO) 101

3 ギックスの命令 (BRO) 97