【2023春号】序 Uncommon Low Skirmish-珍法小競合-【キ刊TechnoBreakマガジン】

玄き腐敗の言語術師-ロゴスマンサー-Jun、彼の怒りは頂点に達した。 一年間というのは短いようで長い、いわば半永久の極限とも言える期間だ。 Junは、自分自身をバラバラの切れ端(それこそ木の葉一枚々々)に刻んで情報の薄っぺらな束また束へと刻

【三月号】環状赴くまま #017 新大久保—新宿 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

新宿へ向かうと言うのは年甲斐もなく浮ついた気分になる。 そのため、選んだのは月末の月曜にした。 何だか気合が入ろうってものじゃないか。 日の長くなった十八時三十分、辺りが暗くなるのを待って、出発。 パチンコ店の脇にある路地を南下していく。

【三月号】ヨモツヘグリ #013 浦安 三ぶちゃん【キ刊TechnoBreakマガジン】

宇ち多゛に入るから、宇ち入りと言う。 このお店は一寸怖いな、と改めて思った。 土曜なぞ朝十時の開店に向けて、八時過ぎから並び始めると言うのだから。 仕事明けに誘っていたモツ煮込みで一杯やる会、最終回は休日にそのお店へと思っていたが、未来のカ

【三月号】棒切れ #011 台無しの詩【キ刊Technno Breakマガジン】

道から外れて法を犯す 社会に対する叛逆だ 理系の頭に偏った 社会に対する叛逆だ カバンの中には文庫本 空手が上々半端者 ガリ勉インテリ大嫌い 教養失くした基準以下 逆転するなら勉強だ 溜まり場行くのは止めにした 暴力連打の一夜漬け 暴風染み

【三月号】酒客笑売 #011【キ刊TechnoBreakマガジン】

桜の季節がやってくる。 私は大学二年生の頃、四月上旬にくしゃみが続くようになり、自分が花粉症になった事を思い知った。 あれから時が経ち、今では地球環境のせいもあるだろうが、一ヶ月も早く目が痒くなる。 つまり花粉の飛散が、桜の開花をちょうど追

【三月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #011神楽坂龍朋【キ刊TechnoBreakマガジン】

昼間っから飲酒するのだと、いつに無く意気込んでいた。 酒気帯びの方が気楽にやれる事もある、などと何かに影響を受けていたのかも知れない。 実際そうだ、勤務中に酒気帯びでいると日常が上向くという筋の映画を観た。 この日、僕は十二時半からの勤務で

【三月号】特集 黒と青と白-MTGアリーナ雑感-【キ刊TechnoBreakマガジン】

沼が象徴するのは屍臭と渇望。 変化の静と動を端的に表している。 私、TechnoBreak Junは死の黒マナを欲する。 湖が象徴するのは知識と停滞。 水面は浮かぶものだが、水深は図り知れぬものだ。 彼、TechnoBreak Shoが智の

【二月号】環状赴くまま #016 高田馬場ー新大久保 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

夕闇の訪れが少しだけ遠のいた二月末。 地下鉄東西線の高田馬場駅を地上に出て、一駅歩いた。 恐ろしく寒いというわけでなく、飲み歩きには助かる。 十七時五分、出発の乾杯だ。 山手線外側は高架下の向こう、そちらへ進む。 前回の飲み屋街はすぐそこの

【二月号】酒客笑売 #010【キ刊TechnoBreakマガジン】

朝っぱらに飲む酒よ。 宿酔の渇いた喉を潤すビールの香しさ。 ウィスキーをロックで飲み干し気炎を上げた昨晩の夢を忘れさせよ。 ひび割れた舌の隅々に染みわたれ酒よ。 一晩の享楽と引き換えにこの日一日を台無しにさせてくれ。 熱く熱く煮えたぎる胃の

【二月号】棒切れ #010 幸せDAYS【キ刊TechnoBreakマガジン】

釜山で焼肉食べたい MIKIMOTOパールでウハウハ、ハハッ 成程々々穴掘るぞ 両性具有でグフグフ、グヒッ 地殻と海洋が 激突しないよう ハデスとポセイドン 闘い合わないよう 夢が溢れるDAYSに 幸せつなぐDAYSに 燃えてるお城は、安土

【二月号】ヨモツヘグリ #012 山手線某駅 牡丹屋【キ刊TechnoBreakマガジン】

さっきも都合良く其処に触れて、気紛れに腹に入れた駅蕎麦を吐いて来たばかりだ。 食券機の仕組みを逆手にとって、二倍盛りざる蕎麦+大盛りという、まあ口頭で言うには少々抵抗があるような注文が可能だった。 さりとて、提供された商品の量が果たしてそれ

【二月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #010 催事の551蓬莱【キ刊TechnoBreakマガジン】

地域と人とに張り付いている事を生業としていたから、飛行機にも新幹線にも乗らない。 何なら東京駅を使うという事もない。 崎陽軒のシウマイ弁当がジェットだとか知らない。 何世代も昔に販売中止になったとは言え。 先日、関西の同業者と雑談していて、

【二月号】巻頭言 苦くて甘くて香り高い-週に一度、美味しい珈琲を-【キ刊TechnoBreakマガジン】

世界中で石油に次ぐ取引量であるという。 コーヒー豆のことだ。 私は、習慣的に珈琲を飲むという事がない。 だからこの一年以上、週に一度は珈琲を淹れる時間を設けた。 ハンバーガーと言えばマクドナルド、だからスーパーサイズミーになる。 それならコ

【一月号】環状赴くまま #015 目白ー高田馬場 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

年明けに高田馬場か、と言うことで大学の同期を誘って新年会を兼ねた環状赴くままをした。 我々は、一年次の化学実験班の三人で、いつもつるんでいた。 当日はジマ氏の仕事が長引いたので、私とグチ氏の二人で歩き出した。 目白駅、前回に続いて下車するの

【一月号】ヨモツヘグリ #011 東十条 新潟屋【キ刊TechnoBreakマガジン】

こちらはにいがた、あちらはさいたま、なぁんだ? 有名ななぞなぞである。 東十条二丁目、北区保健所交差点を挟んで、狛犬の様に店を構えた串焼き店だ。 川口ノワールもとい北区ダークトライアングルと呼ばれる王子、十条、赤羽で、僕は十年弱活動していた

【一月号】棒切れ #009 真夜中は酔いつぶれて【キ刊TechnoBreakマガジン】

真夜中は酔いつぶれて、終えたはずの予定も覚えていられず。 あしたの呆けた重い足取りで、思い起こせる保証無く。 食うというのはこれほど惨めで浅ましいのかと嘆いている。 こんなもんだ人生は、と達観した気で仰向けになる。 図々しさが空を支えている

【一月号】総力特集 なぎスケ【キ刊TechnoBreakマガジン】

謹賀新年。 目出度い新年の総力特集に、一時期連日連夜観ていたアマゾンプライムビデオの『なぎスケ』を据える。 その前身は言わずもがな、テレ朝の『『ぷっ』すま』だ。 世紀末、一九九八年から二十年続いたレジェンド級の番組である。 Wikipedi

【一月号】もう付属の餃子のタレをつかわない(かもしれない) #009 高田馬場 餃子荘ムロ【キ刊TechnoBreakマガジン】

禍原先生の酒客笑売、高田馬場という地名を久し振りに聞いて、少し懐かしくなった。 機会があれば行ってみたいと思っていた餃子店があるためだ。 餃子荘ウロ、気紛れに其処へ行ってみよう。 調べてみると、一九五四年創業だというから驚いた。 歴史の長さ

【一月号】酒客笑売 #009【キ刊TechnoBreakマガジン】

たった今、次の日曜のプレゼンの担当者であると連絡があった。 今年度は十月末の一度きりと伝えられており、日曜は司会を任されていたため、非常に憤慨している。 怒りに身を任せるのは全くの快感である、と言うことに気付くまで色々な試行錯誤があった。