【2023夏号七月分】環状赴くまま #021 渋谷ー恵比寿【キ刊TechnoBreakマガジン】

夕方過ぎになっても蒸し暑い日だったが、耐えられないほどではなかった。

渋谷駅での待ち合わせというのは慣れないものでモヤイ像がどこにあるかなど見当もつかず、とりあえず南口改札でShoと合流。

駅前のコンビニを探すのも容易ではなかったのが、この街の広大さを思い知らせてくれる。

18:41、駅前とは呼べない所にあるコンビニで買ってから、駅前に戻って乾杯。

山手線沿いの外環を南へ、この先は地図上では入り組んだ様子となっていた。

線路沿いを単純に進めそうにないのだ。

缶ビールを買ったのはそこのファミマで、誰かとコンビになった気分である。

写真を撮るためにここまで行ったり来たり、笑える。

そこへまた降り立ち、右手の坂道を上る。

ここが桜坂。

桜坂と聞けば、桜よりも金の匂いがする。

ここを左に折れると、飲食店がいくつか見られそうだった。

この界隈も、れっきとした渋谷の一部。

足を踏み入れたのは初めてだったので、この道を辿れたのは環状赴くままをやっていて良かったと言える。

突き当たりを右へ。

さて、ここいらから街の様子が変わる。

桜坂を途中で逸れたので、上へ向かう道は続くが。

また左折して、路地へ入った。

ここで突然の本格派カレー店、こういうのが地元にあったら愛してしまう。

アパートだらけの渋谷住宅街を縫って歩く。

住み心地は良くなさそうだけど、家賃は高いのだろうか。

ここら辺は道がうねっているのだが、我々は線路沿いの道へ抜けるために進んだ。

左へ行って、右へ行って、これを何度も繰り返す。

ここの先へ出れば、そろそろ線路沿い。

あの白いガードレールがそれだ。

と、その手前に洒落た建物が、ホテルに併設されたブックカフェのようだ。

あっ、「神殿」の間違いだった。

そそくさと先へ。

渋谷の落書きには閉口するが、こちらは名所レベルに仕上がっている。

洒落たピザ屋さん、マジかよって値段が表示されているが。

調べてみると、大ぶりにカットした一切れが出てくるらしい、近所なら毎日通っちゃうね。

ここを抜けると、どうやら代官山となるらしい。

代官山って、ビタイチ行った事ないぞ。

あ、そういや、何なら恵比寿も、一回くらいしか行った事なかったわ。

さっきまでの雑多な感じから、途端に閑静な雰囲気に様変わり。

さきほどの高架を、今回の境界に認定しよう。

申し訳程度の山感を演出する起伏。

オシャレな街の表層へ踏み込む事なく、先へ。

すぐそこの塀の前に、電動キックボードが貸し出されていた。

「アレのナンバープレートってことごとくひん曲がってるんだってな」

確認してみると、なるほどその通りで笑った。

ここはヤ◯クザ屋さんの装甲車置き場かな?

夜通し旗を振り続ける、勤勉な日本人の代表みたいな電光表示板。

僕もこう在りたいと真剣に思う。

最強伝説黒沢の太郎を彷彿とさせた。

黒沢のアジフライの話をしながら先へ進む。

そこの手前を左へ逸れる。

ここの裏手で男女が抱き合っていた。

遠くの街並みが恵比寿だろうか。

ここを左へ行ってしまうと環内へ入ってしまうので、道を横断する。

またも通りに差し掛かり、ここも横断。

すると。

渡った先に、良さげなお店。

豆腐食堂と書かれている。

夜は豆腐酒場になるようだ。

豆腐料理店といえば鶯谷が連想されるが、こういうのも良いな。

いよいよここの一番向こうを抜けると。

ほっ、飲み屋街だ、もう駅前だろうか。

この時19:20、どんな因果か集合から小一時間経っていた。

すると、この先の駅前が。

あれは、盆踊りだ!

にわかにテンションが上がる。

鳴り響く太鼓、舞台で踊る人々、それらを眺める圧倒的な数の人々。

非日常の顕現に、狐にでもつままれたような雰囲気に包まれて、単純に嬉しかった。

その舞台に書かれている「たつや」さんが、この夜のゴールだった。

恵比寿を代表する店舗ということなのだろう。

盆踊り会場からすぐの場所にあった。

地下の席へ案内していただいた。

こちらは「やきとり」とあるのだが、とりとは鶏ではなく肝裏でとりと読ませる、つまりはホルモンの串焼きを意味しているのだという。

これがそのやきとり、乾杯。

通じて楽しい夜だった。