【2023年冬号十一月分】環状赴くまま #025 大崎ー品川【キ刊TechnoBreakマガジン】

この日は事情により日曜、明日の業務のため少々早めの集合となった。

生憎の空模様だったが、雨に降られていなかったのには救われた。

ここは先月も通ったのだが、ともかく品川へ向かう。

今回、山手線が下に凸となっている最下限をぐっと上に向かうのだという感じは、事前に察知していた。

それにしても曇り空の午後というのは、絵にならない。

そういう回が差し挟まれているというのも悪くは無いか。

大崎は、駅ビルに商業施設が集約されているらしく、早速街らしさが無くなった。

街と街とを道がつなぐ。

ここは堂々たる道だ。

目を引く大きな広告。

昔、さわ〜のつる、というCMがあったのを思い出した。

調べてみると灘の酒製造業で長い歴史を持っているようだ。

現在地から前進するのは湘南新宿ライン。

この先の歩道橋を渡って、山手線に沿う必要がある。

歩道橋が架かっている。

さっきの広告がこちらを向いている。

「あのタワーマンションの下層民は、真夜中でもあんな電光でビカビカやられて大変だな」

「いや、下層民は酒浸りだから、かえってそれが幸せなんだろ」

そんな下らないことを話した。

横須賀線と東海道新幹線の高架。

第一三共さんの施設は、当時は分からなかったが、この先一帯を占めている。

まさにこの道沿いが山手ループの最下限となる。

ここから先はぐっと、北へ北へとなるわけだ。

山手線の下部はきゅっとすぼんでいるような形だ。

JFTD、花キューの本社だ。

知ってる企業の名称が散見されて面白かった。

建物には射出口のようなものも見られるが、あれは一体何なのだろうか。

すぐ目の前に目黒川が流れている。

橋を渡る。

これが目黒川だ。

おや、

花キュー薄!

この橋の名を三嶽橋(みたけばし)という。

みたけの由来が、読む限り三通りほどあるようで面白い。

線路沿いの道が無いようなので少しずれつつ、そこの歩道橋を渡る。

そう言えば、今回の大崎ー品川間は、地図で見た感じだと間隔が長いんだった。

それなりの時間を歩いている気がしている。

見えないが、そこに路地があるので左折すれば良さそう。

ズームして見えるようになった。

コーンが置かれている所だ。

が、ここまで来て地図を見ると、先にあるのは寺社のみで行き止まり。

島倉千代子の墓もあるそうだ。

沢庵和尚、賀茂真淵も眠っているようだ。

高架をくぐって左回りに進行する。

先に行くと小学校が左手にあった。

グラウンドでサッカー部が活動を終えたところで、解散していた。

児童も指導者もお疲れ様です。

品川区立品川学園。

中の様子までは写さなかったが、照明設備が充実していた。

山手線路沿いから少々外れたのだが、路地へ入って駅の方へ向かう。

なるほど、目黒川を越える前は企業の施設が目立ったが、こっち側は住宅街って感じなんだな。

向かっているのは品川、こういうイメージってあんまり無かった。

ゆるやかな坂道を登っていくと公園がある。

子供たちが遊び終えて帰ろうとしていた。

公園があるのは嬉しい、我々もたまに飲酒のために立ち寄る。

権現山公園という、二等辺三角形に近い形の小さな公園。

坂の上は鋭角の頂点。

ひらけていて、急に見晴らしが良くなった。

住宅街の終焉だろうか。

この先は北品川だが、御殿山という地名がつく施設が多い。

山手線と再び合流できた。

が、線路沿いの道は再度無くなっているので、また迂回する。

線路に背を向けて前進。

最初の路地を左折して迂回。

そこの突き当たりで、また線路に接近した。

こんな警告、目についた方が真似するのが増えそうに思うが。

それ以前からよほど、迷惑行為を行う連中が多かったのだろうか。

また迂回。

この先の明るさが先ほどまでとはちょっと違う。

いや、やっと夜の帳が下りて来たのか。

京急北品川駅。

駅の規模に駅前の規模が準じているかのようで面白い。

ここは国道15号の途上。

地元に国道14号があるので、それの次がここというのが驚きだ。

日本橋から神奈川県横浜市までの30キロ弱を結ぶ。

15号を直進すると、環内に侵入してしまうので右へ逸れる。

この周辺には品川宿を紹介するような掲示が多いようだ。

八ツ山通りの歩道橋から。

コの字状に渡って向こう側へ。

さっきまでとは打って変わって、ビルだ。

品川らしさが、イメージ通りのらしさが感じられてくる。

品川の、街、道、住宅地が混然となって去来する。

切り取られた一側面が全て、この街を形成している。

そういうことに気付けるのが、この環状赴くままの良さだ。

ビルからすぐに出て、ようやく線路沿いへ。

この辺りが史跡、旧品川駅。

駅は目前なのだが、この周辺は旧街道然としている。

街の灯りはビルが一手に引き受けているのだろう。

洒落たホテルが街路樹をライトアップさせている。

歩いているのも我々くらい、静かな所だ。

駅の表示、ここでゴールとしても良い。

だが、駅前らしさってのが全然無いのが面白い。

この中が城塞なら、外観は堅牢そのものである。

こちら側は港南口と称されているようだ。

品川セントラルガーデンという細長い敷地はクリスマスムードのイルミネーションで装飾されていた。

港南口交通広場、やっと駅前感が出た。

小心者の私はホッとしている。

広場の先にある通りが飲み屋街。

どこにするかブラブラ歩く。

小池袋然としており、客引きが散見された。

で、そこのさらに路地裏。

と言うか裏路地。

何処を如何間違えればこんな所に這入り混むんだという風な隠し通路だ。

Shoの以前の勤め先が近くだったそうで、その案内が無ければ完璧に見落としていただろう。

小池袋と言ったが、ここは小新宿、思い出横丁みたいだ。

で、這入ったお店、その名も路地裏。

店頭には数々の取材の記事を張り出しており、それならばと入店した。

辛い牛すじ煮込みが名物らしい。

牛のたたき風、これはナカナカ優秀なつまみだった。

我々の入店後に続々と来店があり満席に。

店先でタバコを吸っていると、まさかの邂逅があったのは先月末の記事の通り。

長居したくて余計な酎ハイを最後に追加。

味はリポD、効果は全く感じられなかった。

次回、いよいよ高輪ゲートウェイへ。

地図を見る限り徒歩五分程度の距離。

駅前は公園だから、飲み屋の類は全く見当たらない。