規約説明と本戦準備
初期美味しんぼは、幼稚園児に読み聞かせたって、どれほどの名作か彼らが理解する。
その目は力強く見開かれて、こう言うだろう。
「パパ!将来こんなクレーマーになりたくない!」
その通りだ。
あるべき物は、あるべき場所に、そうあらん事を。
手垢がつきすぎたというより最早、手垢でできた握り飯のような美味しんぼ評論。
私はこれに新たな可能性を見出そう。
私が主催し審判を下す、新たな究極対至高の対決によって。
俺と僕とが繰り広げる一騎打ち…。
初期美味しんぼ第三巻までのエピソードで。
東西、紅白、源平に別けての十二番勝負。
一勝負につき、一万円のささやかな賞金付き。
名付けて
「スーパー美味しんBONUS」
説明はここまでだ、私たちにこれ以上の説明は必要あるまいな。
俺「結局賞金ってのは、俺の財布から出るんじゃねえか」
僕「誘ってくれて嬉しいよ、ちょうど退屈してたんだ」
では、各自の陣営にエピソードを召喚してくれたまえ!
ただし、第一巻9話、第二巻8話、第三巻9話。
この中から、第1話「豆腐と水」は別格としてプロローグに使用した。
すると、残り25エピソードは奇数となり対戦に余りが生じてしまう。
よって、第一巻第9話をエピローグに使用すると前もって断っておこう。
俺「ふぅん、ババアの回ってワケね、俺たちにとっちゃまさに切り札だ」
僕「最強カードを一枚、合意の上で封じるのは競技に普遍性が増すかな」
運命のコイントスが私の手により執り行われる。
2007年のワーテルロー土産である。
ナポレオンの図柄、表。
先行は僕。
俺と僕はそれぞれ、光なき闇の問わず語りの主役をしていた人格だ。
無論、統合しているの主宰者はTechnoBreak Jun。
上手にやりさえすれば、人格の分裂は有効だ。
私から簡単に紹介しておこう。
先攻となった僕は、TechnoBreak Junのウルトラポジティブな面。
詩や文学、芸術一般を好む、相手の良さを褒める公正さが売りの聞き上手。
平日昼間の稼業では九割がた彼が担当するが、人前でお道化て見せることもある。
光なき闇の問わず語りでは、ブログを不在にして主にnoteで執筆していた。
後攻となった俺は、TechnoBreak Junのハイパーネガティブな面。
ブラックジョークを好む攻撃的な性格で、猜疑心の塊のような破滅系。
基本的に、気心の知れた関係に限ってしか現れないが、敵対者と喧嘩するときには矢面に立つ頼れる人格だ。
光なき闇の問わず語りでは、闇としてメインのブログ更新をしていた。
では、陣営にエピソードを迎え入れる、召喚フェーズに入ろう。
このフェーズでは、先攻がエピソードを一つ、次に後攻がエピソードを二つ、以降は二つずつ交互に陣営に引き入れていく。
先攻、僕は、まず第二話味で勝負を召喚。
二枚のジョーカーを抜いた今、スペードのエースを選んだというわけだ。
後攻、俺は、応じて十一話活きた魚、続けて第五話料理人のプライドを召喚。
エース級とまでは言えないが、強い絵札を二枚選んでいる。
最終的な召喚順は以下の通りとなった。
先攻 赤い究極陣営(僕) | 後攻 黒の至高陣営(俺) | |
第一選択 | 味で勝負 | 活きた魚 |
第二選択 | 日本の素材 | 料理人のプライド |
第三選択 | 接待の妙 | 寿司の心 |
第四選択 | 幻の魚 | 手間の価値 |
第五選択 | ダシの秘密 | 料理のルール |
第六選択 | 炭火の魔力 | 野菜の鮮度 |
第七選択 | 油の音 | そばツユの深み |
第八選択 | 平凡の非凡 | 包丁の基本 |
第九選択 | 肉の旨味 | 土鍋の力 |
第十選択 | 醤油の神秘 | 和菓子の創意 |
第十一選択 | 美声の源 | 思い出のメニュー |
最終選択 | 昼メシの効果 | 中華そばの命 |
上記は、召喚フェーズの選択順であって、本戦の対戦表を表すものではない。
… もうこんな時間か…………寝足りないなァ。