Junの環状赴くまま【第六夜】

HateからVoidへ。

とは言ったものの・・・。

感情に任せた怒り以外に、自分の詩作の水源が見当たらない。

無に問いかけると言うのは難題である。

ともすると、俺はこれでTechnoBreak廃業か。

自信を失いそうになっていた。

無から生み出せなくてもいい。

こんな生産性の無い自分を受け入れてくれる懐の広さを持っている。

この円く歪な山手沿線は。

「今夜久しぶりに赴いてみよう。」

2分前の絶望と打って変わって、今日の仕事を頑張れそうな気がしてきた。

前回第五夜から三ヶ月経過していた。

外回りを上野から鶯谷へ向けて歩く。

開業からその面影を変えていないファサードに生憎の空模様。

スタート地点から缶ビール飲み歩きなのに、傘を持たなければならないというのは不自由だ。

梅雨の不安定な天候のせいで、これでは満足に写真も撮れない。

ただ、今夜の道連れに誘った男の到着までまだ一時間以上も先なので、それまでに雨が止んでいれば良いのだが。

さてさて、待っている間は駅構内を散策だ。

そういえば、環状赴くままはターミナル間の街並み観察はするが、駅ナカの様子は疎かにしていたことに気づく。

上野ほど大きな駅となると、それはそれは見所が多い。

ほら、これが商業ロックというものだ。

まるでロックの監獄ではないか。

ロックと監獄の取り合わせの妙。

残念ながらこの比喩においては全く逆だ。

気を取り直して、駅ナカ商業施設の一覧。

たまに見かけるブリティッシュパブ。

この店でフライドチキンにメープルシロップをかけることを知った。

でも割高感ある。

早く歩き出したい、早くきてくれ道連れよ。

ここは池袋で飲み食べ放題やってた。

どファック!!

二年前から池袋はブッフェスタイルやめたんだってよ。

あー、記事書いててどっかの食い放題繰り出してぇぇ。

イサーンって文言見て胃酸過多になってんのかな。

成城石井の異常版でしょうね。

成城に対して自由が丘ですって。

自由すぎてアナルファックまで可。

ソドムが丘ですよね。

美味しそうな駅弁とか眺めながら待ちました。

本日の道連れ、TechnoBreak Shoメンバーです。

「や〜、お疲れお疲れ!よろしくお願いします。」

「鶯谷はね、一時期よく降りてたんですよね。定期があってね。」

「おっ、それじゃちょっと御指南お願いしますね!」

「久しぶりに行きたい店あるんで、そこでも。」

19時15分、出発です!

奇しくも雨が止み、足取り軽く出発。

振り返って前回歩いた方の写真です。

ここまでは夜の上野も煌びやか。

本日歩いて行く前半戦のメインストリートに入ります。

しょーもないチェーン店ばっかりなんだろうと侮っていると。

あら、随分と外部からの目を意識した作りのビルね。

「おい、そこ。」

「ここだけみるとパリの街並みだねえ。」

ホテルサンルートの看板がもう少しパリ感の演出に寄与できるはずなんだが。

ここのロティサリーチキンは文化メシ。

「SL飾ってる学校って洒落てんな。」

私立鉄道学校が前身。

岩倉具視公が鉄道界の発展に貢献した遺徳に因んだ校名とのこと。

さて、メインストリートも閑散として参りましたが。

おや?

「Shoさん二手に分かれてますが、メインは右ですよね?」

「いや、左。」

え!?一人で行ってたら右だったなあ。

しかし、左手のこの雰囲気・・・。

「ションベン横丁ですか、行きましょう(笑)」

ウッソ、マジであった(笑)

そしてションベン横丁は、進むに従ってどんどん狭くなり。

いよいよ人とすれ違うのもしんどいくらいに・・・。

ここら辺では男二人並んで歩いてないです。

幸い向こうから来る人は居なかったのですが。

そしてこの通りの先にあったのが。

パープルグリーンのサイケなトンネル。

これが今回のベストショット。

今回からiPhone11Proのナイスなカメラで撮ってます。

このトンネルを抜けると・・・。

あ、ここ知ってる!

鶯谷来ちゃう時は大抵酔っ払ってて土地勘分からないのですが、この左手の階段から降りてくることが専らです。

てことは、この奥に・・・。

やっぱりあった!

鶯谷来ちゃったらここで食って収容所入ります。

「今夜ここで〆て帰ろや。」

で、先ほどの階段下に戻りまして。

「そこにかぶら屋は静岡おでんでスゴく良い。」

ここから右へ向いて・・・。

「で、そこのささのや、先ずはここ行こう。」

店先には立ちの方々居ますが、店内にはまだ席に余裕ありました。

スタートから30分。

19時45分、一軒目着席!

くぉぉ・・・。

都内で一串八十円の衝撃・・・。

「前まで五十五円だったんだよ。」

!!!

完全に見落としてたし、一人で来てたらもっと駅寄りの店這入ってたわ。

Shoメンバー曰く

「タレ串はカウンターにあるから持ってきて良い。」

そりゃ待たなくて良いねぇ。

レバ、ネギ間、向こうにカシラを持って来たShoメンバー。

そして女将さんに塩串の注文を告げます。

俺の我が儘で濁酒に付き合ってもらってます。

このタレ→塩の時間差さえ把握すれば、この場の居心地は格段に上がりますな。

さっき見に行った時に無くてShoメンバーが落胆していたウィンナーが出ていたそうで、持って来てくれました。

「フツーの飲み会になってきたな(笑)」

なんだかんだ一時間弱で二千ベロくらいでしょうか。

安い。

続きまして。

静岡おでんのかぶら屋さん。

黒おでん廃止!

Shoメンバー落胆ひとしお。

「まぁまぁ、刺身串でもいきましょや。」

こちら手前がアブラ刺し、奥がホルモン刺し。

一本百二十円で酢味噌が乗っています。

この後も串物、フライなど頼んでもう一杯また一杯のサワーなど頼んで夜は更けて。

〆のラーメン長山さんには一人で這入った!

うん、コンディションといい、いつもの味だ!

路地の先には。

収容所。

コンセプトずれちまったじゃねーか!(笑)