究極と至高の対決、いや対立のようにも見えるが、それらは全国選りすぐりの食材たちの饗宴であり、料理人の粋を結晶化したものだ。
私の様な食い道楽の一般人にはなかなか手の出せない領域である。
高くて美味いは当たり前であり、そのような世界であっても玉石混淆だからだ。
私は、今こそ彼らの対立の端々を両手で鷲掴みにし、真ん中から膝で折り、其処へ新たなる価値を突き立てたいと思う。
それは、非凡のメニューである。
そこらで手に入る食材に、可能な限りの時間と労力をかけることを心がけ、できることならそこそこに手を抜きながら料理を拵えよう。
コロナ禍で私が夜な夜な、たまに朝っぱらから、せっせと作った手料理を紹介したい。
先日、中秋の名月にあわせて振る舞ったしゃぶしゃぶとすき焼きの合いの子。
京都で食ったすき焼きより美味いという評価をいただき、得意になった。
今号の幕開けをこの記事にするきっかけとなった料理。
すき焼きといえば、牡蠣すき。
一番高い割下を買って、半生ではなく、半々生に火が通るようにした。
葱の焼き目もこだわりだ。
湯豆腐でしゃぶしゃぶ。
湯温が下がったら再加熱しに行く。
面倒な時は、ガスコンロで立食形式(家でやるとこの上なく貧相になる)。
味ぽんが見えるが、この頃は
味ぽん:めんつゆ=1:1に化学調味料とタバスコを適量加えたものを好んでいる。
自己責任だが、素材そのままを頂くこともある。
こういう時、先述のたれが非常に美味い。
たいてい、翌日は腹を下すが。
しゃぶしゃぶやすき焼きに飽きたら、牛丼の頭を作ってみるのも良い。
玉葱はレンチンして、しんなりさせておく。
玉葱は常備しておきたい。
親子丼の頭にも必須だ。
みじん切り器の中で自家製サルサを作れば、コスパ抜群。
店ではここからスプーンひと匙で百円以上取るのがザラである。
チーズと一緒にサラダ状にして食べても良い。
もちろん、サルサとして添えるのが定番。
私が作るのは、薄味なので、お肉に合わせる時には調整が要る。
初挑戦だった豚バラの生姜焼き。
一生バラを食べていたい。
片栗粉をお肉にまぶしたのでとろんとしていた。
真面目に調理するのって楽しいし、美味しいし、嬉しいね。
玉葱シリーズは終わり。
仙台で目についた、気仙沼さんのオイスターソース炒め。
こっちの方が美味しいだろうと思って、玉葱を大きく切ったが、この半分で良かったな。
オイスターソース炒めは茄子でも試した。
白菜でも試した。
強く火を入れた白菜やキャベツは美味い。
そうこうしていたらオイスターソースも切れたので、近々買いに行くか。
仙台は何度行っても良い。
きのこ汁を作った。
ここからは鍋物の紹介。
これもきのこ汁ですか?
なんだ、とん汁か。
いやいや、個人的には里芋を多めに入れたので、仙台風芋煮のつもりです。
とん汁はこういうの。
お揚げを忘れずに買った自分を褒めたい。
鍋物は手がかからないから大好き。
白菜をとろとろにするから、時間はかかるけれど。
とか言って、手のかかる鍋物を作ることもある。
ラムチョップが安かったので、アイリッシュ・シチューなるものを。
香草類が高くついたのには笑えた。
羊の臭みをハーブが隠していて面白いとは父の談。
たしかに、あれ以上になれば鼻につくギリギリの線だったと言える。
でも高いよね、調味料。
塩に課税するのも頷ける。
言ったそばからすぐ手抜き。
これもまた、鍋のかたち。
小籠包は乾いたり破れたりが気に食わないのでこうする。
これは煮込みハンバーグの概念。
ここで、取ってつけた様に肉豆腐のお披露目。
高いお豆腐は自重を保つか保てないかのギリギリ。
ブラックペッパーを振って変わり種感を演出した。
早い、美味い、肉豆腐。
最近、電気圧力鍋を買ったので、手抜きに拍車がかかる。
とはいえ、豚バラ軟骨は最大調理時間の一時間四十分を二回転させないと食べられないので手が掛かる。
一緒に入れておく丸のままの玉葱から良い色が出る。
これをタレにつけて食べるだけで十分なのだが。
地獄みたいな、ニンニクのみじん切り。
カチャトーラソースの元で火を入れて。
手抜きしてません。
牛テールの方が楽だし、ウケも良い。
加圧調理一時間四十分。
そこへ醤油だけで味付け、スープをぐいぐい飲める様に結構薄味で十分だ。
一日寝かせて召し上がれ。
手抜きといえば、漬けも忘れてはならない。
これは車海老で作ったカンジャンセヨ。
手と口をべたべたにして食べる。
中トロの塩漬け。
柵に塩振って、水分出して、水洗いするだけ。
わさびだけで頂く。
最後は、松茸の土瓶蒸し土瓶無し。
季節を感じるのも料理のいいところ。
以上、メインとなる食材の全ては値引きされているものを使用している。