【七月号】環状赴くまま #011 駒込ー巣鴨 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

駒込は、山手線で我々の拠点に最も近い駅である。

職場がここから二十分程度の所なので、私自身乗り換えによく使う。

今回は、ここからほとんど初上陸の巣鴨へ行く。

18時52分、黄桜の黒ビールで乾杯してスタート。

午前中の雨は午後には止んだが、ここでも小雨に少々打たれた。

それもすぐに止んだのでホッとした。

濃いめの黒ビールはよく冷えており、蒸し暑い夏の夕暮れにぴったりだった。

この一本はまた買いたいと思う。

ここを駅前のここを真っ直ぐ、線路沿いに歩く。

前回のルートの延長だ。

実は前回のゴールと今回のスタートの間に若干の開きがあるのだが、そこにも名店は数多くある。

外環右回りの周回で紹介できれば良いが、いったいいつになるだろうか。

一度だけお邪魔したことのあるカフェ、クックさん。

夜はお酒の提供もあり、洒落たビストロになる。

席数は少なめの、隠れ家的店舗。

会員制の銭湯。

以前通りがかったときは、飲み会の後だったので消灯していたのか、まったく分からなかった。

いいなと思いつつ、ここを利用する時は泥酔していそうだから迷惑になる。

その先の、小高くなっているところから、線路を見下ろした。

フェンスにレンズを捻じ込んで撮影した。

普段はもっと野暮に見える。

直進できないため、ここで一旦北西に逸れる。

見えにくいのだが、さかえ寿司さんの看板が白く光っている。

ここまで来ることもあるまいが、駒込外環なら良さげな評価のお店だ。

ちなみに、駒込にはよく行くお寿司屋さんがあるが、内環逆側にあるのでここからは遠い。

ここを左に折れる。

南西へ。

線路に再合流。

道なりに右へ折れる。

喧騒とは無縁の通りが心地良い。

正確には七時三分。

出発からまだ十分程度である。

住宅街が続く。

写真には収めていないが、一角だけ随分と豪勢なお屋敷が建ち並んでいた。

分かりにくいが、SEIYUの看板が光っている。

右手にあるのは巣鴨スポーツセンター。

駅からアクセス抜群、使い勝手の良いサッカー場だ。

プールも、ゴルフ練習場もあるという。

真・女神転生なら、巣鴨ステージのダンジョンにでもなりそうなビジュアルだ。

Saeというのは、会員制の美容室らしい。

と、その隣に随分とディープなコレクターショップ。

こういうの初めて見た。

中にも這入ったが、怒られると嫌なので撮影はせず。

巣鴨の太陽書店、というと失礼か。

知らず知らずのうちに、駅に突き当たった。

角を曲がると、巣鴨駅前の夜空が広がっていた。

雨雲も払われて、良い夜である。

巣鴨駅ファサード。

駅前のパチンコ店。

SugamoKaikanとは巣鴨会館ということだろうか。

公民館みたいなネーミングが笑える。

巣鴨快感という意味ならば、高齢者さんたちの射倖心煽られまくりだが、そんなことを考えると輪をかけて笑える。

こちら、駅前せんべろストリートへ向かう。

見える。

地元の大衆居酒屋、千成さんだ。

根強いファンが多く、巣鴨といえばこの店といった風である。

火曜の夜のためか、席はほとんど空いていた。

お店自慢の煮込みをいただく。

芝浦へ毎朝買いつけ、牛もつだけを使用した煮込みだ。

う、一番好きな煮込みより好きな味だ、というか美味しい。

みんなに食べてもらいたい味、脂っこいのが好きなら絶対に喜ぶね。

口コミによると、八時には売り切れていることもあるとのことで、今夜は梯子酒のつもりだったが先にこちらへ伺った。

でも高いよ(涙)

瓶ビールと煮込みで千円超えたらダメでしょ…。

串物も、一本百三十円でこれは、他所にもっともっと良いお店あるよね。

まいっか、認識を改めてね、小料理屋ってことにしましょ。

〆のウニスパゲティがおすすめのようだが、〆ずにもう一軒!

非常に見えずらいが、奥に「でかんしょ」さん(珍しいチケット購入制のお店)、「晩杯屋」さん(呑助の味方みたいなチェーンのお店)。

実は先週、メンバー一同で巣鴨遠征を決行し、晩杯屋さんで立ち飲みしたばかりだった。

その日は、話好きで世話好きで、酒好き女好きの大先輩が隣の卓にいらして、色々とご指導いただいた。

ガールズバーによく行くそうだが、池袋では一杯だけしか女性に飲ませられない料金なのだが、巣鴨だと安いのでいくらでも飲んでもらって構わないのだとか。

呑助たちが集まると、グループ化してシマ争いやら小競り合いやらが出るそうで、こういったお店でも出禁がたまにあるのだとか。

イワシの丸焼きが変な焼き方で出てくるのは、焼き魚を知らないからこれで良いと思うんだろうねだとか。

楽しい話は尽きなかったが大先輩はさっと帰った。

で、その日は加賀屋さんへ移動して腰を落ち着けた。

飲み屋さんが続く裏道を、目的地へと進む。

今回、二件目にお邪魔したのは加賀屋さんではなく、同じ建物の一階にある「ホルモン二郎」さん。

七時までの来店で、飲み物三杯とおつまみが一品つく、脅威のせんべろセットを提供しているお店だ(土日祝は十七時まで)。

今回は、千成さんのもつ煮が売り切れてしまうことを懸念して、せんべろセット提供時間外に伺ったが、肝心のホルモンを味見したいと思う。

白レバ(タレ、豚のものだ)、四五◯円。

比較のために注文したが、普通だったので良し。

レバ(タレは敢えて選ばず、牛のもの)、七九◯円。

輪切りのネギがたくさん入った胡麻油がついてくる。

これは「新鮮なのは分かる」のだが、レバーのダメな味がしたのが惜しい。

特上カルビ、七九◯円。

わさびが洒落ている。

タン下、五五◯円。

牛タンは二倍、上タンは三倍の料金だから、タン下は良心だといえる。

結論を述べれば、せんべろセットに加えて好みの盛り合わせで行くのがコスパ的に満足な作戦だろう。

ベトナム鶏肉のお粥を注文したかったがやっていないとのこと。

メニューを見れば、やたらとベトナム押しなのだが、店員さんに上手な方が居たのかもしれない。

で、その後、スタミナの字に惹かれて何も考えずに入店。

何も考えずに、店名を冠する蔵王定食で〆。

最後の最後で、また食べたいなと思える逸品に出会った。

帰りの大通り沿いには、ガールズバーの客引きがいた。

みんな、なんだかんだで生きている。





編集後記

リリース予定が立て込んだものの、無事、七月号を終えることができた。

批判的な内容が散見されたのも、一食一飯やラーメンドラゴンボウルとは異なる次元にいるのだということの顕れと言える。

蛇足だが、トリアーデを利用するならば、船橋駅前に於ける東武と西武の対立に、I .K .E.A.がどのように絡んでくるのか、という展開にも期待したいものだ。

さて、来月八月号は休刊し、八・九月合併号という形にして九月に刊行予定である。

期待して待っていてもらえたら嬉しい。