【六月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #003 餃子の王将【キ刊TechnoBreakマガジン】

十個上に星の先輩というのがいる。 星野先輩ではなく、星の先輩だ。 最近はめっきり頻度が落ちたが、以前はほとんど毎晩飲み歩いていた。 一食一飯の頃より、もうだいぶ前のことになる。 軍閥の食堂で昼を食い、夜は船橋で飲み歩き、これで朝食まで一緒に

【六月号】巻頭言 神話と新説と真言【キ刊TechnoBreakマガジン】

呉越同舟、私も好きな言葉である。 芸術派の小林秀雄と川端康成、プロレタリア作家の武田麟太郎と林房雄が結成した同人誌「文学界」も当時は呉越同舟と評されたものだ(昨年一月に創刊一千号を記念した)。 啀み合う二人は、さいわいである、和解は彼らのた

【五月号】環状赴くまま#009 西日暮里-田端 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

まだ陽が出ていることを懸念しながら、西日暮里にたどり着いた。 しばらくこの嫌な感じが続く事になる。 18時半、帰宅者たちの波が途切れることのない駅前である。 シャッターを切るのに難儀し、不審な目で見られたかもしれない。 少し歩いた所にセブン

【五月号】棒きれ #002 すべての小さな星たちへ【キ刊TechnoBreakマガジン】

すべての小さな星たちへ、今夜は月も見られない たまにはこんな夜もいい、月に一度か二度くらい 近視眼の僕の目に、あの月は少し明るすぎる 近視眼の僕の目は、小さな星こそ見つめたい 優しい光を浴びている 夜闇が心を落ち着かす 足元は暗く染まってる

【五月号】酒客笑売 #002【キ刊TechnoBreakマガジン】

「酒の席での迷惑は掛けたもの勝ち」 小林秀雄にお酒の飲み方を教わって以来、私の意匠は変わっていないらしい。 経験主義者の我々としては、迷惑の掛らない飲み方は無作法であるとすら感じられる。 すると、私の方はお酒が好きだが、お酒の方から嫌われて

【五月号】ヨモツへグリ #004 森下 山利喜【キ刊TechnoBreakマガジン】

約束の地、シド。 約束という言葉は、優しさだ。 絶対や永遠などと言う、神との有耶無耶な契約とは違う。 人を信じる、人を信じている自分を信じる。 そこにしか約束はない。 約束の地、シド。 絶対は無い、だから面白い、それが楽しい。 大江戸線とい

【五月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない)#002 日暮里 馬賊と京の華【キ刊TechnoBreakマガジン】

巷の連休というものは、僕みたいな血で血を洗う洗濯屋稼業とは無縁だ。 裏街の清掃員に休みなし、などというと気取り過ぎだと笑われるだろうか。 といったって、軍隊所属のエージェントみたいなものなぞ開店休業だし、デスクに座って読書でもしているのがせ

【五月号】総力特集 今夜、すべてのババァで【キ刊TechnoBreakマガジン】

「好きな映画は何か」と聞かれたら、俺は相手を選んでこう返事する。 「『許されざる者』だ」と。 「あれは大人になった、男から漢になった、女からをんなになった、俺たちのためのアンパンマンだ!」と声を大にして言うだろう だが、本当に気心の知れた、

寺田ヒロオに見る「まんが道」 ~ 追悼:藤子不二雄Ⓐ

藤子不二雄Ⓐが先日4月7日に亡くなった。享年88歳だそうだ。 藤子不二雄Ⓐは、本名を安孫子素雄といい、かつて藤子・F・不二雄とともに藤子不二雄というペンネームで、オバケのQ太郎、忍者ハットリくん等を手掛けた、言わずと知れた児童漫画界の巨匠で

【五月号】巻頭言 事実と秘密と真実【キ刊TechnoBreakマガジン】

2021年のクリスマスイヴ、彼はモツ野ニコ美女史と神楽坂の路地裏にあるビストロで帆立のパイ包み焼きなどに舌鼓を打っていた。 年に一度も身に付けないくらいお気に入りの、金魚と水草を描いた明るい色のタイを締めて来たものだった(色違いの暗い方は年

【四月号】環状赴くまま#008 日暮里ー西日暮里 編集後記【キ刊TechnoBreakマガジン】

前回から一年半も開いてしまった。 「環状赴くまま」は、山手線を一駅分歩き、最後は千ベロで終える。 それがコロナ禍において困難になってしまっていた。 代わりに「一食一般」、「ラーメンドラゴンボウル」など成果もあった。 キ刊TechnoBrea

【四月号】酒客笑売 #001【キ刊TechnoBreakマガジン】

私のお酒は四合が分水嶺だ。 ここで掌が赤く熱を帯びてくる。 七合で前後不覚、一升飲んだという記憶も記録も無い。 こう言うと、大抵の人からはお酒が強い人だと見做されるのだが、そんなことは下戸の言うことで、私は酒豪でも酒聖でもない。 せいぜい酒

【四月号】棒きれ #001 鯖の詩【キ刊TechnoBreakマガジン】

今日も鯖 明日も鯖 鯖鯖鯖鯖 鯖が好き 朝起きて 鯖食べて 回転寿司では 鯖で〆め 塩焼きだ 照焼きだ 一時間かけた 鯖味噌だ 鯖缶は 大根煮 冷や汁にしても イイ感じ 夕食は お刺身だ 衣まとわせて 揚げ物だ 今日も鯖 明日も鯖 鯖鯖鯖鯖

【四月号】もう付属の餃子のタレを使わない(かもしれない) #001 大阪王将 業務用冷凍餃子【キ刊TechnoBreakマガジン】

学部一年の頃、二外の講義で 「ドイツで早い、安い、美味いを狙うならケバブです。おまけに、栄養バランスも良いから、長旅で資金面が不安になったら、屋台がそこら中にあるからおススメです」という話があった時、 『餃子みたいなもんか』とふと思った。

【四月号】ヨモツへグリ #003 川崎 おさやん【キ刊TechnoBreakマガジン】

約束の地、シド。 誰がそこに行く。 僕と、その他に誰かが。 その誰かと、僕は会えるだろうか。 いつか、どこかで。 七輪の煤煙に包まれて。 策が成るか成らぬか、成るように為すのか。 二十日ほどの勤労、心労、気苦労、過労。 あとは実働部隊が為す

乳揺れ経典(Player Equipment Manager on Wheels)

経典を開いてくれたOP狂信者の諸君。 今日も信じなさい。 2つの谷が揺れることにより世界に時間が生まれ、過去と未来が区分けされ、我々は先に進むことが出来るのです。 おっぱいは言った。 「まず、乳揺れがあった」と。 本章では1プッシュで服装を