“ソレ”を手にするものは、相思相愛になれる。
遡ること一月前・・・。
愛憎入り混じる、血のバレンタインデー。
女の子ならみんな市販の板チョコを鋳溶かして、また新たなチョコレートを成形する。
重い思いに想いを込めるその作業は、さながら年に一度の賽の河原か。
と思えば、想いが人を人たらしめるとも言えるだろう。
チョコレート。
ガーナにおいて“ソレ”は、奴隷労働によって成り立つ産業だ。
They are eating my flesh.
ドキュメンタリーの字幕である。
放送元がイギリスだから英訳されている。
それから20年。
皮“肉”なことに、SK〇48にはチョコの奴隷なる曲があるらしい。
翻って俺はと言えばどうだ。
×安門事件
〇京事件
外にも内にも毒づいているこの俺は。
毒虫ではないか。
カフカの変身だ。
挙句、自身が奴隷であることも知っている。
気が変になりそうだ。
肌が焼け付くのを感じる。
胸騒ぎのする夢でも見ているようだ。
“濃い黒削肉グレゴール”
これが、俺とお前たちの唄。